雅憲の帰宅後、一人になった河西弁護しは、今朝、雅憲が着てきたスーツを見つめ・・・
(この服・・・もしかしたら似合うかも・・・うふふ・・・)
少しの間、その服を見つめ・・・
ハッ!!
「いかん、いかん・・・いったい何を考えてるんだ!!この服が似合うなんて・・・・いったい何を考えているんだ・・・」
頭を左右に振って、変な考えを吹き飛ばして、他の事を考え始めた。
気を紛らわせる為、外に出て歩く事にしたが
すれ違う女性の服装を見ては、時々自分があの格好をしたら、どうなんだろうか、またブティックのマネキンの服を見ては、どうなんだろうかと考えてしまっていた・・・
数日後、
服装はいつもと同じ男物の服で出勤したが・・・
「・・・・・どうしたの~・・・その顔・・・」
雅憲が入ってくるなり顔を見て驚いた表情をして固まる河西弁護士
「えっ?何ですか?所長~?」
「貴方・・・その唇・・・」
「え?唇?・・・」
「そうよ、唇・・・やけに赤く・・・・」
慌てて洗面所の鏡で確認しに行く雅憲
「えっ!!・・・う、嘘・・・な、なによ・・・これ・・・あ・・・あたし・・・・」
慌てて、化粧を落とそうと必死に顔を洗う
「やっぱ~最近の雅憲君おかしいわよ~・・・」
最近の様子の変化を心配する河西弁護士、ただ、本人も毎日食べている女人化薬入りの弁当と、バーでミルダに打たれた薬の影響で女性化していたが、二人とも薬の影響で気が付いていなかった。
「どうしちゃったのかしら~・・・・あたし・・・なんで・・・なんで・・・」
帰宅し、椅子に座り悩む雅憲
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「そうだ・・・こんなに落ち込んでいても仕方ないわ!!気晴らしに買い物でもしたら・・・」
出かけようと玄関まで行き・・・何かを思い出して、また部屋に戻って・・・
「ふふふ・・・出かけるのなら化粧をしないといけないわね・・・♪~♪~♪~」
何故だか部屋に置いてある化粧台に座り、数少ない化粧品で自然に化粧をし始め、そのままラフな格好に着替え直し、買い物に出かけてしまった。
「ふふふ♪・・・今日は可愛い服でも買って来ようかしら~♪」
デパートからブティックまで・・・
「この服いいわね~・・・」
「あっ!!このスカートも・・・」
「この下着なんて、いいじゃない・・・」
「あっ!!・・・このキャミも・・・・」
色々と衣料品を買い込んだ後に行った先は、化粧品を見に・・・
「この口紅なんて良さそうかしら~・・・ん~・・・こっちの方が良い見たいね!!」
「このマスカラも・・・後はファンデーションも・・・」
と化粧品を物色していると、なんとなく違和感のある女の子が店員に質問しているのが目に付いた。
「あっ・・・あの~・・・」
すこしおどおどして、辺りをキョロキョロしながら店員に声をかける女の子
「はい、なんでしょう~?」
にっこりと笑って、その女の話を聞こうとする店員
「あら~・・・この前の・・・妹さんね?」
「えっ!!あ、あ・・・はぁ~・・・はい・・・」
「くすくす・・・どうしたのかしら~?今日は一人なの~?」
「えっ!あ、あの~・・・はい・・・一人で・・・」
「そう~・・・一人で・・・で、お姉ちゃんのお使い?それとも~・・・・」
「あ、え、え~っと・・・その~・・・ぼ、あっ!!・・・私の・・・こ、これ・・・・これを下さい・・・」
そう言うと顔を真っ赤にした女の子は手に持っていたメモを店員に手渡した。
「ふんふん・・・わかったわ!!すぐに用意するから、あそこのカウンターの前にある椅子に座ってて・・・」
そう言ってメモに書いてあった化粧品を探しに行ってしまった。
「う・・・はい・・・」
(なんだろ~・・・あの子・・・可愛いけど、何か違う様な・・・・うふふ・・・まっいいわ!!今日はこれだけ買って帰りましょう)
籠に入っている商品をレジに持って行き、会計を済ませ帰宅した。
帰宅後、部屋の中は一人ファッションショーをしていた。
次の日から、河西弁護士と雅憲の身体に異変が出始めていた。
体つきが今まで以上に女っぽくなり、仕草や話し方までも・・・
しかし、本人達はその事を自覚していなかった。
ピピピピピピピピ!!!!
(う~・・・もう朝なの~・・・まだ寝たい・・・・)
目覚まし時計のベルのスイッチを切り、ぼ~っとしながら洗面を済ませ、何も考えずに着替えをし、出勤する。
(何だか今日の服はやけに窮屈よね~・・・それに歩きにくいわ・・・なぜかしら~・・・?)
ただ、脳内女人化を受けている雅憲の方が河西弁護士よりも早い段階で女人化し始めていた。
(なんだろ~・・・なんで皆、あたしの事じろじろ見るのかしら~・・・おかしいわね~)
ガチャッ!!
「おはようございま~す!!」
「ああ、おはよう・・・・・・・・・・・・・」
挨拶をし、こっちを見てそのまま固まってしまう所長
「どうしたんですか~所長!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「も~・・・何も言わないと分からないじゃ~ないですか~・・・なんだか今日はすれ違う人皆があたしの事じろじろ見ていくんですよね~・・・そんなにおかしいですか~あたし・・・」
自分の身なりを確認し、不思議そうに言う雅憲
「・・・・・・・・あ・・・・・・・・あ~・・・・・・・・・え~・・・えっと~・・・まず、鏡を見た方が・・・」
言葉に困る河西弁護士
「えっ?鏡?・・・・なんで鏡を見ないといけないんですか?」
「顔もそうだが・・・その服・・・その~・・・・スカート・・・?」
「えっ?・・・スカート・・・?」
下を向いて確認すると確かに女性用のスーツを着ている・・・・
「えっ?なんで・・・なんで・・・」
慌てて、全身を確認しに洗面所にある鏡を見に女走りで駆けていく雅憲
「いやややややややや~・・・・・・そ、そんな~・・・な、なんでなのよ・・・・」
洗面所の方から、大きな悲鳴が聞こえる。
出勤し事務所で所長に服装が女性用だと言うことを言われ驚く雅憲、偶然事務所に置いてあった着替えがあり、その服に着替え、その日は何とか過ごせた。
(でも・・・なんで女性用のスーツがあの部屋にあるんだ・・・いったい俺はどうなってるんだ・・・)
なんで、この様な事になってしまったのか考え病院に行こうか悩む雅憲
しかし、この日は疲れから来ているのだろうと判断し、伊集院から貰った薬をしっかりと飲んで休む事にした。
事務所近くのバー (夢の世界へ) では・・・
「まずは、おめでとう!!」
「あっ、ありがとうございます!!」
「じゃあ、乾杯!!」
ビールで乾杯をし、二人とも一気に飲み干す。
「ふ~・・・あ~こんなに美味しいなんて・・・それにしても長かった~」
飲み干したビールのジョッキを置き、今までの事を思い出して話す雅憲
「はっはっはっは!!でも昔は、合格まで10年以上かかった試験だからな~・・・それに比べると早いほうだよ!!」
「そっ・・・そうですか~・・・でも最近は短期で合格する人も多いし・・・」
「短期で合格する者もいれば、長い期間かけて合格する者もいる・・・でも、中には諦めてしまうものもいるからな~・・・そう、考がえれば雅憲君は良くがんばった!!合格すればみんな同じなんだから!!もっと自信を持って・・・・」
色々な話をして、時間が過ぎていく・・・
と、何処からとも無く聞き覚えのある様な声が店内から聞こえてきた。
(あれ?どこかで聞いた声が・・・)
辺りを見渡し確認すると、そこには伊集院とミルダと彩の三人がいた。
「所長!!そう言えば以前、凄い美人がいたって言う話しましたよね!!」
「ん?そうだったか?ん~・・・・君は毎回そういうこと言ってたからな~いつの美人の話だ?」
ほろ酔いの河西弁護士に教えようとした時、伊集院の方から、こちらに近寄ってきた。
「お久しぶりね・・・・雅憲君・・・・ふふふ・・・」
「あっ!!どうも~・・・・あっ!そうそう、所長、こちらが・・・・」
所長に彩以外の伊集院とミルダの事を紹介しようとした時、伊集院が話し始めた。
「ふふふ・・・・紹介しなくていいわよ・・・だってこの人私の事知っているんですもの・・・・」
「えっ?そっ・・・そうなんですか~・・・な~んだ・・・所長~!!」
と振り向くと、ほろ酔い気分で寝てしまっていた・・・
「あっ、今起こしますから・・・」
そう言い、揺すって起そうとしたが、
「いいのよ、今回はあなたに用事があって来たから・・・河西弁護士にはまた後日お話しする事で・・・・」
「あ、はぁ~・・・」
「ふふふ・・・見たわよ!!合格発表!!良かったわね・・・これからは、何かあったら貴女に頼もうかしらね・・・」
「そ、そんな~・・・まだ自分には・・・・」
「くすくす・・・頼りにしているわよ・・・憲子ちゃん・・・」
急に鋭くなった視線で雅憲の顔を見つめる伊集院、それに驚き言葉が出ない雅憲
「え?・・・憲子?・・・・」
「ふふふ・・・どうしたの?雅憲君・・・」
「え、あ、いや~別に・・・・」
伊集院が言った、先ほどの言葉が引っかかっていたが、どうやって聞いていいのか分からず・・・
「そう・・・じゃあ、私達はこれで・・・・」
「そうですか・・・じゃあ・・・」
別れ際に、伊集院と一緒にいた彩が雅憲に近づき、聞こえるか聞こえないかの小声で
「ちょっと、チクッってするけど我慢してね!!」
と言い、手に持っていた器具を腕に当てた。
パシュッ!!
「いたっ!!」
反射的に腕を引っ込める雅憲
「あっ・・・ごめんなさい」
何も無かったかのように雅憲の行動に驚いたふりをする彩
「え?あっ・・・いえ・・・なんでも・・・」
急な事で、何をされたのか理解が出来なかった。
「ふふっ、よかった~・・・じゃあ、また今度会いましょうね~・・・」
(今度会うときは、もう憲子ちゃんになってるかしら・・・ふふふ・・・所長の女人化を手伝ってあげてね・・・)
「あ、うん・・・・」
「ミルダ、そっちの方はどう?」
伊集院がミルダ中尉に確認すると
「はい、本人は寝てしまっているので気が付いていませんが、確実に投与いたしました。」
「ふふふ・・・そう・・・これからが楽しみね・・・」
そう言って、伊集院と彩は店を出て行ってしまった。
(さっきのは一体何だったんだろ~・・・静電気だったのかな~・・・痛かった場所も分からないし・・・まっいいか~・・・)
女人化を促す薬を打たれた事に気が付かない河西弁護士と雅憲・・・ただ、気が付いたとしても既に遅いが・・・
合格発表日!!
試験の手応えもよく、今回は確実に合格できると確信していた雅憲だったが、合格者の番号を確認するまでは落ち着かなかった。
この日も、事務所に出て仕事をしていたが、まったくと言って良いほど手が付かない状態だった。これは、河西弁護士も同じ事だった!!
「そろそろ、ネットで確認できそうな時間帯じゃないか~?」
「そっ・・・そうですよね・・・じ、じゃあ、ちょっと確認してみます・・・・」
事務所のパソコンから法務省のページを開き、確認しようとするが・・・
「あ~・・・まだ駄目みたいですね~・・・・もう少し後で・・・」
「そっ・・・そっか~・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
少しの間、沈黙状態が続いた・・・・
何度か、ページの更新をしていると、やっと発表のページにつながった。
「え~っと・・・・・・・・・あっつ!!」
もう一度、受験票の番号を見直し、再確認する。
「所長~!!・・・・番号!!ありました!ありましたよ!!」
所長を見つけ、嬉しさのあまり大声で叫びながら所長に言った。
「そっ・・・・そうか~・・・うん、うん・・・ほんと・・・おめでとう!!」
雅憲と反対に落ち着きながら、内心では一緒に合格を喜びたいが、気持ちを押さえ、一言お祝いの言葉を述べた。
「よし!!じゃあ今日は予定もないから早めに事務所を閉めて、お祝いで飲みに行こう!!」
雅憲は知らないが、実は、偶然に予定が入っていなかった訳ではなく、河西弁護士は、仕事をずらして予定を入れない様にしていた。
その日は、夕方から、二人で合格のお祝いの為、近くのバーで飲む事になった。
試験後、初出勤すると、いつもの様に忙しそうにしている所長がいた。
「おはようございま~す!!」
「お~お!!おはよう!!その声からして、試験の手応えは良いみたいだね!!」
「はい、おかげさまで、何とか出来ました!!」
「そ~か~、そ~か~・・・・じゃあ、合格発表日までが待ち通しいね~」
「試験前の時間の速さとはまったく違って、物凄く遅く感じられますよ~」
「うんうん、自分の時は駄目だと思ってたからな~・・・それでも合格発表日までの期間はとんでもなく長く感じたからな~・・・手応えがあればなおさらだね~・・・」
ドサッ!!
両手に抱え込んでいた資料を机に置いていく河西弁護士
「あっ!!僕も手伝います!!」
「ん?じゃあお願い!!あのダンボールに入っている資料を付箋紙の番号順に纏めたいから・・・・」
「分かりました!!」
試験勉強で休む前と変わらない日々が、始まったかの様に思えた・・・
月日が過ぎるにつれ、時々記憶が飛ぶような気なして、あの装置での副作用なのかと不安になった事もあった。
雇い主である河西弁護士は相変わらず忙しく、ここ数日間、事務所に戻らない日が続いた。
(所長も大変だよな~・・・あたしも弱者救済が出来る弁護士になれるのかな~・・・でも~、そう言えば最近、あの弁当を食べる様になってからなのか、痩せていたはずの河西弁護士の体型がふっくらとしてきている様な・・・・)
気のせいなのか、イメージチェンジしているのか、中途半端に伸びた髪の毛が非常に気になった・・・
(なんだか最近の所長の様子も・・・おかしいわ~・・・すっきりした感じだったのに・・・ん~・・・なんだろ~・・・何が変わったのかしら~・・・)
毎日配達される弁当には微量ではあるが女人化薬が入っており、本人達が気が付かない程度に女人化が進んでいた。
試験当日
駅から試験会場に繋がる道には、大勢の受験生が列を作っていた。
「○○スクールでーす・・・頑張って下さーい!!」
「○○ゼミです・・・どうぞ!!」
各予備校が予想論点が記載された用紙とパンフレットが入った袋を受験生に配っている。
「どうぞ!!」
雅憲にも手渡されたが、そのまま何も見ずに鞄にしまった。
(あの装置のおかげで今回は大丈夫なんだから・・・こんな物見なくても・・・)
試験会場に着き、指定された部屋に入っていく・・・
そこでも、必死に参考書を読んでいたり、六法を開いて確認する受験生達・・・
ひしひしと押しつぶされそうな雰囲気の会場だったが、雅憲は、何も見ずに筆記具と時計の用意と、受験票を出してボーっとしていた。
(頑張ってる、頑張ってる・・・うふふ・・・今回は焦らなくても大丈夫!!ホント、伊集院様のおかげね・・・これであたしは・・・)
他の受験生の様子を眺めている雅憲。
他の受験生からしてみれば、確実に不合格リストに上がっている人物になっているだろうが・・・
(あれ?そう言えば・・・さっき、あたしって言ったような・・・ん~何だか懐かしいような・・・何でだろう・・・男なのに・・・あたしって思うと懐かしいなんて・・・)
脳内女人化された後、元に戻されているが、完全とは言えずかすかに女人化の影響が残っていた。ただ、本人の知らないところで・・・
しばらくして、試験が開始された。
すらすらと解ける問題、自分の意思と言うか手が勝手に動いている様で、論文がらすらと・・・・
その後に行われた口述試験も難なく終わらせることが出来、最終合格発表まで待つこととなった。
リンクに
カスタム少女でTSものを作ってみましたが。さんを追加しました。
3Dカスタム少女のソフトを使って、TSのお話を書かれているサイトです。
赤いお薬で・・・等、色々な作品がありますよ!
能力開発装置設置部屋
カチャカチャ・・・・
今日も、忙しそうに必死で働いている女人化された隊員達
「最終設定準備は出来たかしら?」
伊集院が今の状況を隊員達に聞いた。
「はい!!今すぐにでも出来ます!!」
「ふふふ・・・そう・・・分かったわ・・・」
ガチャッ!!ガチャッ!!
今日は、伊集院自ら雅憲が座っている椅子の固定ベルトを取り付けている。
「今日で、能力開発の工程はお終いになるわ・・・今回で最終だから、一気に仕上げるから、もしかしたら終わった後、少し頭が重くなる事があるかもしれないけど、すぐに治るから心配しなくてもいいわ・・・」
「はい!!・・・これで、あたし・・・本当に合格出来るんですね!!」
目をウルウルとさせ、嬉しそうに伊集院に話す憲子
「ええ~・・・必ず合格できるわ・・・じゃあ、始めるから目を閉じてゆっくり眠りなさい・・・」
そう言われ、伊集院に催眠術をかけられてしまったかの様に、そのまま寝てしまった。
「ふふふ・・・・少しの間お休みしててね・・・憲子ちゃん・・・」
ぐっすりと寝ている雅憲の頬を触って微笑みながら話しかける伊集院
「始めてちょうだい!!」
「YEYESSA!!」
カチッ!!ブウンンンン~・・・・・・
最終調整のための脳内改造が始まった。
試験に合格する為の作業工程はここに来て数回の間に終わってしまい、殆どが脳内女人化の為の作業工程であった。
脳内女人化だけでなく、食事には微量ではあったが例の女人化薬も薄めて入れられていた。
その為、体つきは男と言えば男だが、女に近い体つきになっていた。
ただ髪型は、毛は長くしなやかになって、ふんわりウェーブの効いたミディアムボブになっていた。
「髪型は・・・仕方がないわね・・・少し短くしましょう・・・また時期が来れば伸びるし・・・後、ここに来た時の服を用意してちょうだい!!」
隣にいた彩少尉に頼み、身体の方をどうやって誤魔化そうか考えていた。
「はい、かしこまりました。」
彩は伊集院に頼まれ、敬礼をしてその場を離れていった。
(あ~ぁ~・・・なんて気持ちがいいのかしら~・・・今日もいつもと同じで身体が軽く・・・・ふわふわと・・・あれ?・・・何だろう・・・何か・・・何かおかしい様な・・・・なんであたし・・・あれ?あ・・あた・・・違う!!お・・・お・・・・・俺、なんで女言葉になってるんだろう・・・・・・・)
「脳波の様子はどうかしら?」
「はい!!順調に入れ替わり作業が進んでいます。」
「そう・・・少しの間我慢してちょうだいね・・・憲子ちゃん・・・元に戻って、貴女は雇い主である、あの弁護士を追い詰めるようにするの・・・いいわね・・・ふふふ・・・」
雅憲に向かって怪しい微笑をしながら言い聞かせるように話す伊集院。
(何をいっているのだろう・・・誰かが・・・俺に話かけて・・・)
「まもなく、最終工程終了します!!」
「分かったわ!!」
プシュー・・・
装置につけてあるコードやエアーホースが外され頭の上にある装置も離れていく。
椅子に座っている雅憲を、隊員達が持ち上げ横にあるベットに移し着替えをさせる。
その後、伊集院が女人化した事が気付かれない様に、髪型を元に戻す為カットし始めた。
(あ~・・・もったいないわ~・・・これだけ綺麗で長くなった髪の毛・・・でも仕方ないわね・・・この格好で戻ったらこの作戦も無駄になってしまうから・・・少しの間だけのお別れね・・・憲子ちゃん・・・)
「う~ん~・・・・」
背伸びをし目を開くと、伊集院と彩が雅憲の顔を覗き込んでいた。
「ど~ぉ?清々しい目覚めでしょ~・・・試験の方もこれで必ず合格出来る様になってるわよ!!」
手を握られ、微笑みながら話しかける彩の顔を見て赤くなる雅憲
(ふふふ・・・この様子じゃ~女人化の事まったく覚えていないみたいね・・・)
「雅憲さん・・・どうだっかしら?私の開発した装置は・・・」
「ん~・・・試験を受けていないからまだ何ともいえませんが、この装置を使ってから物凄く身体が軽くなり、考え方が変わったような気が・・・」
「そうですか~・・・ふふふ・・・試験に合格した時には、またお願いしますね・・・」
「はい!!勿論、何でもやらさせて頂きますよ!!」
伊集院のお願いが、この装置についてのモニターの感想関係だと思った雅憲は、軽いのりで言ってしまった。
「そ~ぉ~・・・なんでも~・・・・ふふふ・・・・」
女人化後の姿を思い浮かべているのか?冷たい表情で笑う伊集院・・・
コン、コン!!
「いいわよ、入りなさい。」
「はい、失礼します・・・」
ノックをし、部屋に入って来たのはミルダだった。
「どうしたの?」
「伊集院様、雅憲君を連れて行く準備が出来ました!!」
「あら、もうそんな時間だったかしら・・・ふふふ・・・じゃあ~またいずれゆっくりとしたお話でもしましょう・・・」
「あっ、はい・・・そ、そうですね・・・・・その時は、またお願いしますね・・・じゃあ、ありがとうございました。」
ここで、脳内女人化をされた事を知らない雅憲は、また、機会があればあの女人化装置を使わせてもらおうと伊集院にお願いするとともに、深々と頭を下げお礼を言って外に出て行った。
数日が過ぎ、ついに最終調整の日が来た。
コン・コン・・・・
いつもと同じ様にメイドが食事の支度が出来た事を知らせに来た。
ここに来て最初のうちは、このノックで起こされていたが、昨日からその前に目が覚め起きて準備をしていた。
「はぁ~い!!」
「憲子さん・・・お食事のご用意が・・・」
「あっ、はい!!ありがとうございます!!今行きます!!」
「かしこまりました・・・」
そう言い、メイドは食堂へ戻っていく。
(さて・・・着替えも済んだし・・・後は~お化粧ね・・・)
フリフリドレスを着て、化粧台の椅子に座り、軽くファンデーションを塗り、薄い色の口紅を・・・・
カチャッ!!
「おはようございます、伊集院様!!」
元気良く伊集院に挨拶をする。
その姿を見て、怪しい笑みをこぼし足元から全身を確認し、挨拶をした。
「ふふふ、おはよう!!今日も可愛いわよ・・・憲子・・・」
「えっ!!そっ・・・そんな~・・・いっ、伊集院様に言われるなんて・・・・」
顔を赤らめ、両手を頬に当てて喜ぶ憲子、女人化してしまった事に気が付いていないと言うか、元々自分は女だったと思ってしまっていた。
(ふふふ・・・・すっかり女人化したわね・・・・今日は最終調整よ・・・・これで・・・)
楽しそうに食事をする雅憲を見て、話しかけるミルダ
「ふふっ・・・調子良さそうね・・・・」
「はい!!もう・・・なんて言うか・・・頭がすっきりした上に、身体の調子も・・・・」
あの装置によって快調になっている上に、日頃食べる事が出来ない豪華な食事を出され、ご機嫌な雅憲。
「ふふっ・・・今日からは一日3回・・・・だから、後2回あるわよ・・・・どうかしら?あの装置の感想は・・・」
怪しい笑みをこぼし雅憲の心境を聞いた。
「えっ?あ・・・あの装置ですか~?・・・・ん~・・・・」
なんだか言いたい事があるのに言い出せない様子の雅憲
「何かしら?・・・何んでも言ってもらわないと・・・貴女はこの為にいるのよ・・・タダで三食も付いて部屋まで・・・それに、試験に合格できるだけの能力も手に入れられるのよ!!実験段階だからと言ったって少しぐらいの手間賃も・・・それをモニターだからタダにしているのよ!!何でも気になった事は言ってもらわないと、こっちが困るのよ・・・」
雅憲を言葉で甚振りながら攻めていくミルダ中尉
「は、はははは・・・きっついな~・・・そっ・・・そうですよね~・・・ん~・・・・」
頭を片手でかきながら、恥ずかしそうに装置にかかっている時の事を思い出している雅憲、
(ふふっ、思い出したみたいね・・・そうそう・・・もっともっと思い出しなさい・・・ふふふ・・・)
その様子を見て楽しんでいるミルダ中尉
(ふふっ・・・・そのうちにその恥ずかしさも無くなるわよ・・・・髪型や胸やお尻が少し変わったのを気が付かないように・・・・)
二日目にして、雅憲の髪の毛は、また少し伸びホンワリとし、先程の女人化薬によって胸が少しふっくらとし、お尻は丸みが出ていていた。また、所々の仕草が女っぽくなっていたが、まったく気が付いていなかった。
「えっと~・・・さっきもなんですが・・・あたしが女になっている夢をまた・・・・何故か女子高生になっている夢をみたんですよ・・・あたし・・・男なのに・・・」
(・・・・・・さすが・・・伊集院様ね・・・たった二回目でここまでの効果を出すなんて・・・・しかも・・・あたし・・って・・・クックック・・・)
「そう・・・女の子になった夢を・・・・多分色々な記憶装置にかかって多少混乱したのかしら・・・・プログラムのミスで脳内が女性化したのかしら?」
「えっ?・・・・そしたら・・・あたし・・・・このまま女に・・・」
「くすくす・・・・冗談、冗談よ!!色々な情報が入ったから混乱しているだけ、これぐらいの事は起きると想定していたから・・・・」
「そっ・・・そうなんですか・・・」
「ええ~・・・・多分、昨日も今日も、判例を記憶しているから・・・特に女性が被害にあった犯罪で出された判例と事件内容も記憶させたからだと思うわ!!」
それを聞いて、胸に手を当て、ほっとしている雅憲
「よかった~・・・・昨日も見て・・・そして今日までも・・・もしかしたらあたし・・・心のどこかで女になりたいのかと・・・・よかった~・・・そうじゃなくて・・・」
「ふふふ・・・・そうね・・・・」
カチャッ!!
「そろそろ二回目の準備が整いました・・・・」
装置の操作をしている女性が来てミルダに報告した。
「そう・・・・わかったわ・・・・そろそろ行くわ・・・すぐにできるように準備していて・・・・」
「はい・・・・かしこまりました・・・・」
そう言い、準備が出来た事を報告しに来た女性は、お辞儀をし、部屋を出て行った。
「さて・・・・食事の方はもういいかしら?」
「はい・・・ごちそうさまでした・・・」
「じゃあ、行きましょうか・・・・」
プシューーーーーー
「お疲れ様・・・今日はこれでおしまいよ!!」
「・・・・・はい・・・・・ありがとうございます・・・・」
一日に3回も脳内改造をされた為か?終わっても、まだ何だか頭がぼんやりとしていた・・・
少し時間が達、頭の方もすっきりとした所で、帰ってきた伊集院と食事を取り、自分に宛がわれた部屋に戻った。
(ふ~・・・今日も、終わったか~・・・試験まで後数日・・・これなら・・・・さて・・・着替えて寝よ・・・)
衣服をしまってある箪笥を開け、パジャマを探す・・・・
そこには、男性用と女性用の物が二種類用意されてあった。
(そう言えば、昨日は・・・なんであたし・・・女性用を?・・・でも・・・・こっちの方が可愛いわ・・・・わ~・・・丁度あたしに合うサイズだし・・・・素敵だわ!!・・・誰にも見られるわけでもないし・・・・ふふふっ・・・)
自分の姿を想像しながら、楽しそうに女性用のパジャマを手にし、着替えてベットに入り、何やら布団の中でコソコソとし始めた・・・・・
(・・・ご想像にお任せします・・・)
そして、いつの間にか寝てしまった・・・
(あ~・・・ふわふわしてる・・・・これは夢?・・・・ここは・・・あっそうだ・・・学校・・・・・ここであたしは・・・・・あら?どうして、あたしって・・・・)
夢の中で周りを見渡すと・・・・
(あっそうか~・・・何勘違いしてたのかしら~・・・そうだわ、あたしはこの女子高に入学して・・・・そうだ・・・・・・・えっ?・・・・そうだったかしら?・・・・あたし・・・えっ?・・・いや・・・・ぼ・・・く・・・は・・・・あ・・れ・・・じゃあ・・・こ・・れは・・・なに・・?)
ピーピーピー
開発装置のブザー音がなった。
「どうした?何があった?報告して!!」
ブザー音に気が付き隊員達に、状況報告させるミルダ中尉。
「はい!!現在、脳内女人化をしていたところ、基の記憶の方が突然に出始めてきて・・・」
慌てながらも、確実に操作パネルを押しながら報告する隊員達。
「それで、異常は?」
「女人化プログラムだけでは脳内を変える事は無理みたいです・・・」
「こちらも、女人化意識が薄れ始めてきました・・・」
「このままでは・・・」
色々な方法で対策をしている隊員達だが、一向に女人化が進まなくなって慌てている。
「そう・・・・プログラムミス?いや、それは無いと思うわ・・・それとも・・・・分かったわ!!仕方ないけど、あの薬も投与しましょ!!」
そう言い、すぐに点滴の用意をさせる。
「用意でしました!!」
点滴の準備をし、腕に針を刺して固定し後はチューブを押さえてある器具をずらすだけにして、ミルダ中尉に報告する隊員。
「そう・・・多少、外見が変わるけど何とかごまかさないとね・・・いーい!!分かったわね?今後、この子に身体の異常を聞かれても、不審がる様な答えはしない様に!!今までの行為を無駄にすれば、伊集院様の事だから・・・・分かるわね?」
怪しい笑みをこぼし、作業している隊員に注意を促しながら、点滴の器具の押さえをずらし、女人化薬を雅憲に送り込み始めた。
「Y E・・・・・Y E S ・・・・S A !!」
その言葉を聞いた隊員達は、緊張のあまり身を震わせ、返事をした。
そう、ここで作業している隊員は実は、最近伊集院の手によって女人化させられた自衛軍の隊員達であった。
(いっ・・・・嫌よ・・・・・今度は何をさせられるか・・・・し・・・失敗しなければ・・・良いんだから・・・・で・・・でも・・・もし・・・あたし達・・・ミスしたら・・・売り飛ばされるのかしら・・・・)
恐怖で、顔を引きつかせながら作業をする隊員達。
「ふふっ・・・・いいわね~その表情・・・・伊集院様に見せたかったわ!!・・・・」
腕を組み聞こえるように言うミルダ中尉。
「おっ・・・・お願いです・・・あたし達を見捨てないで下さい・・・何でもしますから・・・もう・・・ここでしか生きられないの・・・」
「ふふっ・・・・だったら、この子の女人化を成功させる事ね!!」
「は・・・・はい・・・・」
女人化させられる前では考えられない程、弱々しく返事をする隊員達。
(ふふっ・・・・この子達もそろそろ完全に女になる頃ね・・・今度の部隊編成から実戦で使えそうね・・・楽しみだわ!!)
「さて・・・彼女はどうなってるかしら?」
「はっ・・・・はい・・・・数値は落ち着きを取り戻し始めました!!」
「ふふっ・・・・そう・・・・じゃあこれでまた、楽しい夢の続きを見れるわね!!」
(あ~・・・・なんだろ~・・・・身体が・・・・熱い・・・でも・・・気持ちいい~・・・・あれ・・・あたし・・・・さっき、何を考えてたのかしら・・・・?・・・・思い出せない・・・・なんだったのだろう・・・・・・あっ!!思い出した!!あたしの学生時代の思い出・・・・あたしは念願だった女子高に合格して・・・・)
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
「そろそろ終わる頃ね・・・」
モニターで脳波等を確認しながら隊員達に確認するミルダ中尉、すると、
プシュー・・・・・
能力開発装置のプログラムが終了し、頭の上にある装置からエアーが噴出し雅憲の頭から離れていく。
「うっ・・・・・う~ん・・・・」
すがすがしい様子で、腕を上に上げて背伸びをする雅憲
「どうだったかしら?」
「ええ・・・今回も物凄く良かったです・・・・」
「そう・・・・よかったわ・・・」
(ふふっ・・・後、数回もかかれば、止められなくなるわ~・・・そうなれば・・・)
「でも~・・・・」
「何かあったのかしら?」
「ん~・・・・別に特には無いんですが、また同じ様な夢を・・・・」
「夢?」
「はい!!何故かまた僕が女になっていて・・・・」
「くすくす・・・・面白い人ね!!」
手で、口を隠し、くすくすっと笑うミルダ中尉、その姿を見て急に恥ずかしくなり、
「えっ?あっ・・・・は・は・は・は・は・は~」
恥ずかしそうに、頭に手を当てて笑う雅憲だった。
でも、確実に、あの女人化薬によって少しだけ胸やお尻が膨らみを増し、身体の変化が現われていたが、本人は一向に気が付かなかった。
と言うか、女人化プログラムによって自分の身体が元々女性ぽかったと、すでに書き換えられていた。
「さて・・・確認のテストをしましょうか?それが終わればお昼にしましょ!!」
「はい!!」
そう言い、昨日と同様に確認テストをし、その後、ミルダと食事をする事になった。
「ふ~・・・・お腹いっぱい・・・」
お腹を大きくし満腹感を満足しているところに伊集院が話しかける。
「ふふふ・・・沢山食べたみたいね・・・」
伊集院の横には、先程までいたメイドに代わってOL風の女性が立っていた。
「あっ!!はい・・・ありがとうございます・・・」
(あれ?いつの間に?)
「この後の予定だけど、良いかしら?」
スケジュール帳を開いて色々とチェックをしながら話す伊集院
「はい・・・」
「今日から、3回になるけど、何か異常を感じたら何でもいいから言ってちょうだい。」
「はい、分かりました。」
「それで、私も日中は他の仕事があるから、いなくなるけど・・・後の事は彼女に任せてあるから心配しないで・・・」
そう言い、ある女性を紹介した。
「ミルダ!!後、頼むわよ!!」
「Y E S S A !!」
そう言い、こちらに歩いてくる。
(あの時の・・・ミルダさんか~・・・・・彩さんも良いけど、ミルダさんも良いな~・・・・)
「ふふっ、これからよろしくね!!」
「あっ・・・はい・・・お願いします・・・・」
「色々と、話したい事がありそうだけど、時間が無いから早めに済ませましょ!!」
そう言い、雅憲を連れてあの装置の部屋に移動した。
ガチャッ!!
装置のある部屋に入って準備に取り掛かるミルダ、何時からいたのか分からないが、他にも作業服みたいな服を着た女性が装置のプログラムをチャックしていた。
パネルを操作しながら、ミルダが雅憲に
「早速だけど、昨日と同じ様に、その椅子に座ってもらえるかしら・・・」
「あっ・・・はい・・・・」
この部屋に入ってからなのか、非常に頭がぼんやりとして、早くあの装置にかかりたいと囁く、もう一人の自分が出始めてきた。
(ふふふ・・・やっと気持ちいい事が出来るわね・・・早くあの椅子に座りましょ~・・・貴方も分かってるんでしょ~・・・あの感覚・・・ふふふ・・・我慢できないみたいね・・・・ふふっ・・・ね~・・・だったら早くあたしと一緒になりましょ~・・・もっと、もっと今までに感じた事のない快楽が味わえるわよ~・・・)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
装置の椅子の前で呆然と立っている雅憲。その姿を見てミルダが声をかけた。
「どうしたの?気分でも悪いのかしら?」
ミルダの声に驚き、後ろを振り向く
「えっ???何か・・・言いました?」
何処からとも無く聞こえてきた声に気を取られミルダの話しかけた声に返事はした物の、
未だに焦点が合っていない雅憲
「ふふっ、どうしたのかしらね~?」
(ふふっ・・・脳内で新しい自分と会話でもしていたのかしらね・・・ふふふ・・・そろそろね・・・)
「・・・・誰かが、僕に話しかけたような・・・・気のせいかな~・・・」
先程の心の中の声を空耳だと言い聞かせ、装置の椅子に腰掛けた。
(ふふふ・・・そう・・・それでいいの・・・あたしと一緒になりましょ~・・・)
(あれ・・・まただ・・・なんなんだろう・・・この声・・・でも・・・何でだろう・・・物凄く落ち着くような・・・この声の通りにすれば良い様な・・・・・)
「じゃあ、装置を固定するわね・・・」
「はい・・・お願いします・・・」
(そうだ・・・・一緒になれば、もっともっと気持ちが良く・・・・)
身体に、電極の付いたコードを貼り付け、頭の上には大きなどんぶりみたいな機械が次々と用意され、準備が整った。
「髪の毛は大丈夫かしら・・・・どこか引っかかっている所は無い?」
「は、はい・・・大丈夫です・・・」
肩まで伸びたサラサラな髪の毛を、頭を振って装置に引っかかっていないか確認する雅憲、
「じゃあ、始めるわよ!!」
カチッ!!
ウウィ~ン~・・・・・・・
(あ~・・・昨日と一緒で・・・なんだか・・・・ぼ~っと・・・・・気持ちが・・・・・・落ち・・・・・着く~・・・・・)
(うふふ・・・生まれ変わりましょ~・・・・)
何処間かとも無く聞こえてくる声を頼りに深い眠りについてしまった雅憲
「ふふっ!!物凄く良い顔してるわね・・・・そろそろ寝た頃ね・・・・さてと・・・・早速、女人化プログラムを作動させましょ!!」
装置を操作している隊員に指示をして、プログラムを開始させる。
「YESSA!!」
ピピッ!!
「ニョニンカプログラムヲ、カイシシマス」
装置が、確認の音声案内をする。
「ミルダ中尉、女人化プログラム正常に作動しました!!」
女人化プログラムの作動を確認した隊員がミルダに報告する。
「そう・・・ふふっ・・・どんな子になるのかしらね~・・・・楽しみだわ・・・」
隊員の報告を聞き、微笑みながら、女人化後の姿を想像するミルダ中尉であった。
コンコン・・・・
(う~ん~・・・眠い・・・)
コンコン・・・・
(まだ時計のベルが鳴ってないんだから、ドアを叩くなよ~まだ時間・・・えっ?・・・ノックって・・・)
バサッ!!
飛び起きて、辺りを見渡す。
「あっ・・・そう言えば・・・昨日から伊集院さんのお屋敷で泊まってたんだ・・・」
コンコン・・・
(そうだ・・・さっきからの音は、部屋をノックする音だったんだ!!)
「はい!!」
「雅憲さま・・・・お食事の支度が出来ました・・・・」
「あっ!!はい、はい・・・今、行きます!!」
「はい・・・かしこまりました・・・・」
(夕食があれだけだったから、多分、朝食も凄いのかな~・・・・)
慌てて服に着替えて行こうとするが、着ていたパジャマのボタンが外れにくかった・・・
(あれ~・・・なんでだろう・・・・昨日、自分で選んだパジャマだよな~・・・・珍しいな~・・・・ボタンが反対になって付いているの・・・何で気が付かなかったのだろ~・・・)
そう思い、パジャマを脱いで服に着替えた。
「さっ・・・・って・・・今日もやるぞ~・・・」
脱ぎ捨てられたパジャマは各部分にフルフリのレースが付いた女性用だった事に、まったく気が付いていない雅憲だった。
昨晩、雅憲に割り当てられた部屋の中では・・・
(ふ~・・・お腹いっぱい・・・よっと・・・もう遅いし・・・シャワー浴びて寝ようかしら・・・うふふ・・・どっちがいいのかしら~このパジャマ・・・何かシンプルすぎて嫌だわ・・・こっちのピンク色の方が可愛いわ~・・・うふふ・・・あたしに似合うかしら・・・)
男性用と女性用のパジャマがベットに用意されていて迷わず女性用のパジャマを選んだ雅憲君だった・・・
(今日もあの装置に・・・・ふふふ・・・今日から朝昼晩の3回か~・・・)
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「おはようございます!!」
食堂へ行き、挨拶をすると、すでに、食事を済ませたいた伊集院が食後のコーヒーを飲んでいた。
カチャッ!!
「おはようございます・・・良く眠れましたか?」
コーヒーカップを置き、少し微笑みながら聞いた。
(あ~伊集院さんて、天使の様な人・・・)
「はい・・・もうこんなに熟睡できたのは何十年ぶりに・・・」
「ふふふ・・・それは良かったですわ~・・・さあ・・・その椅子へどうぞ・・・」
伊集院が座っている目の前の椅子に手を向けると、メイドが椅子を引いてお辞儀をした。
「ありがとうございます。」
椅子に腰掛けると、また別のメイドが一品ずつ朝食をテーブルへ運んできた。
「あ~・・・凄いです!!こんな食事・・・生まれて初めてです!!」
感激のあまり、両手を握り合わせ目をウルウルさせ言葉に出した。
「ふふふ・・・・・喜んでいただけるのが何よりですわ!!さあ、召し上がってください・・・」
「あっ!!はい・・・いただきま~す!!」
勢い良く出された食事を食べていく。
(あ~こんなに美味しい朝食、最高~!!・・・それにしても、ここのメイドさんは、何人いるんだろ~・・・ここにいるだけでも~・・・・)
そう思い、周りを見渡すと、
(1、2,3,4、・・・・・14,15・・・ここだけでも15人か~・・・いったい伊集院さんって何者なんだろ~・・・)
と、食事のお代わりを持ってきた、メイドさんに目を向けると、また違和感を感じた。
(この前と同じだ・・・・なんだろ~・・・ん~・・・そう言えばここにいいるメイドさんも同じ様な・・・・ん~・・・・まっ、いいか~・・・少しの間ここにいるんだから・・・その内分かるか!)
この屋敷内にいるメイドが元男で、女人化されてここにいると言う事を知らない雅憲、その内・・・・彼も・・・・
数分後・・・
能力開発室
(あ~・・・なんて気持ちがいいんだろ~・・・・それに、記憶が勝手に・・・・)
「ふふふ・・・どう?」
白衣を着た伊集院が設定操作をしている隊員に様子を聞いた。
「はい・・・今のところ、異常はありません・・・」
「そう・・・ふふふ・・・だったら、本日より脳内女人化レベルも少しずつ上げていっても良さそうね・・・・」
怪しい笑みをしながら隊員に言う伊集院。
「はい・・・大丈夫です・・・ただ~・・・」
「何?何か不具合でもあるのかしら?」
「いっ・・・いえ・・・・別に・・・不具合と言うほどの物ではありませんが・・・・」
「何なの?」
「このまま脳内を女人化してしまうと、試験後にあの弁護士に会った時に怪しまれる気がいたしまして・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・それもそうね~・・・・ふふふ・・・・だったら・・・・」
そう良い、なにやら横にあるパネルを操作して違うプログラムを出した。
「ふふふ・・・これを使って脳内女人化させなさい・・・ふふふ・・・」
「はっ・・・はい・・・」
早速そのプログラムを入れ直し能力開発装置に流し込んだ。
(あ~・・・色々な記憶、知識が・・・あれ~・・・・なんだろ~・・・なんだか変な感じ・・・・あれ?・・・あたし・・・???あたしってダレ?・・・・あっ・・・何言ってるんだろ~・・・あたしは、あたしじゃない・・・・)
「ふふふ・・・これから楽しみね・・・憲子ちゃん・・・」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「うっ・・・う~ん~・・・」
装置の椅子に座ったまま、腕を上に上げて背伸びをする雅憲
「・・・ご気分はどうかしら?」
雅憲の様子をみて、今回の様子を聞く伊集院
「あっ・・・も~最高~です!!なんだか疲れも無くなって・・・・でも~・・・」
身体の疲労感なども無くなり、非常にご機嫌で話す雅憲だったが、何かを思い出して少し顔を曇らせて言葉を詰まらせた。
「何か?異常がありましたか?もし、そのような事があったら何なりとおっしゃって下さい」
何を言うのか知っているのか、怪しい笑みをこぼし、聞いた。
「えっ・・・あっ・・・そ、そんな・・・たいした事ではないんですが・・・・」
伊集院の怪しい笑みを見て、少し驚いたのか、話をごまかそうとしたが、
「そんなに気にしないで下さい、貴女の意見が無ければ、この装置の異常が見つけられないですし・・・・販売するにも貴女の協力が必要なんです・・・ですから何でも気にせずにおっしゃって下さい。」
先程までの怪しい雰囲気の伊集院ではなく、この装置を開発し販売しようとする企業の人間になっていた。
「あっ・・・そうですね・・・無料モニターになっているのに・・・気にして言わないと、意味がなくなってしまいますね・・・」
(ふ~・・・驚いた・・・伊集院さん・・・時々目つきが怖くなるんだから~・・・目つきが怖くなるって言えば、彩さんも・・・・ま~それだけこの装置に必死になってるんだろ~な~・・・)
「そう・・・この装置を使った初日には無かったんですが、今日は、なんだか夢を見たような気がして・・・」
「夢?」
「はい・・・自分が女になって普通に生活している夢を・・・」
「ふ~ん・・・女の子になった夢を・・・」
(ふふふ・・・女人化第一段階は、上手く機能したみたいね・・・)
「ええ・・・なんだか変な感じで、話している言葉まで女言葉になってて・・・」
自分が心のどこかでは女になりたいのかと思っているのかと不安そうな顔をして言う雅憲
「ふふふ・・・もしかしたら、貴女の心の奥底では女になりたいって思ってたり?」
女人化の事を疑われ、これからこの装置にかかりたくないと言われない様に、くすくすと笑いながら冗談を言う伊集院。
「そっ・・・そんな事はないですって・・・最近ニュースで女人化報道とか見て、もし自分がなったら嫌だな~って所長と話してた記憶があったからだと思います・・・」
伊集院の冗談を必死に否定して、最近あった事件のニュース番組を見たときの事を話した。
「そ~ぉ・・・女人化事件ね~・・・あれは悲惨だったわよね~・・・で・・・所長は何て言ってたのかしら?」
「えっ?所長ですか?」
「ええ・・・」
「ん~・・・・何言ってたかな~・・・・・・・確か~・・・」
「確か?何?」
「この犯人は、間違いなく・・・・・・・・・・・・S人間だろうって・・・」
所長の言った言葉を思い出して、そのまま真似をして言うと
「ぷっ!!・・・ふふふ・・・あははははははははは~」
(何よ・・・何を言うかと思えば・・・・ふふふ・・・あははははははは・・・S人間って・・・お腹痛い・・・)
お腹を押さえ大笑いする伊集院
「えっ?そ・・そんなに可笑しいですか?」
突然に大笑いした伊集院に驚き不思議がる雅憲
「ふふふふふふふ・・・・・そうでしょ・・・男を女に変えて人前に戻すから誰が見ても分かる事じゃない・・・」
「そう言われてみれば、そうですね~・・・・」
「ふふふ・・・他は?」
「ん~・・・・思い出せない・・・」
「そ~ぉ・・・・まっいいわ、また思い出したら教えて?」
「はい・・・分かりました!!・・・・でも、何で伊集院さん・・・所長の事を知りたいんですか?」
「え?何でですって・・・別に何も無いわ・・・ただ、貴女の上司って言うからどんな人かと思って聞いただけよ・・・普通にどんな人かって聞くより、そういう日常的の会話を聞いたほうが性格とか分かるのよ・・・」
「へ~ぇ・・・そうなんですか~・・・・」
(やっぱ~伊集院さんって凄い人なんだ~!!)
「ええ・・・じゃあ、今日はこれでおしまいにして、お食事にしましょうか」
「あっ!!はい!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくすると、伊集院邸に着いていた。
「くすっ・・・いらっしゃい・・・」
伊集院が入ってきた雅憲に怪しい微笑をして出迎える。
両隣には雑用がなりなのか、昨日同様メイドが立っていた。
(なんだか気になるんだよな~・・・あのメイド・・・なんだろう~・・・なんだか寂しい?いや、悲しい目?をしてる様な・・・それに、あんなに大きな胸を見せ付ける様に露出して・・・恥かしく無いのかな~・・・俺はやらないね・・・絶対に!!ま~女じゃないから出来ないけど・・・)
「あっ!!・・・どうも・・・」
頭をぺこっと下げ挨拶をするとともに、弁当のお礼を言おうとする。
「今日、お弁当・・・」
「ふふふ・・・気に入っていただけたかしら~・・・」
「ええ~・・・所長と二人で、物凄く感激しながら食べさせていただきました・・・」
「ふふふ・・・そこまで喜んでいただけるなんて、紹介して良かったわ」
口元を手で隠し、怪しい笑みをこぼす伊集院
(ふふふ・・・この様子だと女人化薬の味には気が付かなかったみたいね・・・とすれば・・・その後の発熱も・・・ふふふ・・・)
「はい・・・・あっ・・・それで・・・」
「・・・何かしら・・・・」
まさか、弁当の細工に気が付いていたのかと驚き、言葉を詰まらせるが・・・
「自分なんですが・・・明日から試験が終わるまで、お休みを頂いて・・・」
「あら~?そうなの・・・・」
(くすくす・・・何を言うかと思えば・・・そう・・・これからお休みね~・・・ふふふ・・・だったら毎日連続で脳内女人化させてもいいわね・・・)
「はい・・・だから・・・お弁当も、所長一人分に・・・・」
「ふふふ・・・分かったわ・・・言っておくわね・・・」
「はい・・・お願いします・・・でも・・・本当に良いんですか?採算は~・・・」
「ふふふ・・・良いのよ・・・貴女の事を思ってだから気にしなくて・・・・ふふふ・・・」
(採算なんて取れるわけ無いじゃない・・・でもいいのよ・・・これだけで貴女達を・・・)
「はぁ~・・・・」
物凄く伊集院に申し訳なさそうに返事をする雅憲
「そうだわ!!明日からお休みだったら、試験日までここに泊まって勉強すると良いわ!!」
今さっき思いついたかの様に、ぽんと手を叩き雅憲に提案する。
「えっ?そっ、それは~・・・」
「ふふふ・・・気にしなくても良いのよ、その方が絶対に良いと思うわ!!あの装置を使う時間や回数も多くした方が合格の確実性が持てるし・・・どうかしら?」
「本当にいーんですか~・・・」
何から何まで、色々としてくれる伊集院さんに悪いと思いつつ、あの装置の使う時間や回数が増えると言われ、あの時の感覚を思い出し、甘い囁きに誘われ伊集院邸での生活を決めてしまった。
この先に待っている悲劇を何も知らずに・・・
「はぁ~い!!」
こっちに気が付いたみたいで、車の窓から身体をだして手を振る彩
(あっ!彩さんだわ!!)
手を振り替えし、走って車の止めある方に走っていく雅憲。
「ごめんなさい・・・待ちました?」
「そんな事ないわよ!今来たところ・・・」
先程まで、にこやかに手を振っていたかと思いきや、急に表情が冷たくなり、身体を近づけ耳元で囁いた。
「それよりも・・・・ちゃ~んと言いつけ守れたみたいね!!ふふっ・・・」
チクッ!!
(ふふっ・・・無痛針だから気が付く事はないわね・・・)
「えっ?」
「ふふふ・・・私や伊集院様の事は言わなかったでしょ・・・」
なぜ、事務所での会話を知っているのか不思議に思い、弁当を配達に来た時の急変した彩の事を思い出し、不安になって中途半端に返事をしてしまった。
「えっ?・・・・あ・・・・あ、う・・・うん・・・」
「ふふふ・・・驚いた~」
雅憲の驚いた表情を確認して、急に笑顔で話し始める彩
「でも~・・・・・あー見えて、伊集院様って物凄く鼻が良いから~・・・それに・・・約束を破ると怖いわよ~・・・」
「えっ・・・・そっ、そうなんだ~・・・」
(まさか、あの人が~・・・怖いって言っても・・・たいした事ないだろう~・・・・)
伊集院の裏の顔を知らない雅憲は、彩の怖いと言う言葉を甘く考えていた。
「ええ・・・知らなかった~?でも約束さえ守れば物凄く優しいわよ!!ふふふ、特に貴女の事、気に入ってるから」
(えっ?気に入ってるって・・・俺が?・・・ふ~ん~・・・・なんでだろう・・・まっ、いっか~・・・)
伊集院達が雅憲のことを男としてではなく女として見ていた事を、彼はまだ知らなかった。
「じゃっ・・・行きましょうか?」
「うん・・・」
「あっ!!そうそう、そう言えばアンケートを・・・・」
そう言い、封筒からアンケート用紙を取り出した。
「アンケート?」
いったい何のアンケートなのか見当が付かなく、聞き直す雅憲
「そう、今日の昼食のアンケートよ!!これから各地での展開も考えてるみたいだから・・・」
「ふ~ん~・・・別にアンケートとらなくてもいい味だったけどな~・・・」
そう言いながら、内容を読み始めた。
(ん~・・・なになに?・・・弁当を食べて変わった味はありませんでしたか?・・・・
別に何も気にならなかったよな~・・・
とくに無しっと・・・
え~っと次は、・・・・味噌汁について・・・・
ふんふん・・・・・
味噌汁の具材に気になった物はありますか?
ん~・・・味噌汁か~・・・・そう言えば・・・大根のような~ジャガイモのような~・・・ん~・・・なんだったけ~・・・あの味・・・ちょっと苦味があったような~・・・
っと・・・で、これが最後か~・・・・
え~っと・・・最後に、この弁当を食べて身体の異変はありましたか?
え?・・・なんか・・・まずいものでも入ってんの・・・
ん~・・・そう言えば・・・食べ終わった後に身体が熱くなったような気がしたけど・・・あれは気のせいだよな~・・・ん~・・・
まっ、特に無し・・・っと!!これで~・・・)
「彩さん、アンケート書き終わったけど、どうすればいい?」
「あっ、書き終わったなら、さっきの封筒に入れておいて・・・」
「うん・・・分かった・・・」
(なんだか、眠いな~・・・)
「ふわ~あ~・・・」
口に手を当て、大きなあくびをする、雅憲
「まだ、時間かかるから寝ててもいいよ~」
「そんなの助手席で寝るのは運転手に悪いから、良いよ、起きてるから・・・」
(でも・・・なんでだろう・・・ま・た・・・・こ・・・・の・・前・・・み・・たいに・・・眠・気・・・が・・・・)
「スースースー・・・・」
寝息を立てながら寝てしまった雅憲、それを確認した彩は、
(ふふふ・・・寝たわね・・・・ゆっくりお休みなさい・・・・)
睡眠薬を打たれた事に気が付いていない雅憲、今度この車に乗る時には・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
ガサガサ・・・・
汗をかきながら、机の上に集めた資料などをまとめて、鞄に入れている所長。
(なんだろう・・・やけに今日は暑いな~・・・でも・・・気温はそんなに高くないし・・・風邪ひいたかな~・・・身体が火照ってるみたいだし・・・・)
パソコンの電源を入れ、指紋認証やらカードリーダーでなにやら操作をしている。
電話をかけ誰かと話をしているが、聞いただけでは理解が出来ない内容で、時々暗号のような言葉を使っているようにも思えた。
「よし!!これで何かあっても大丈夫!!」
最近、政治献金の訴訟を受けてから、毎回この事務所を出る時、電源を切ったパソコンを前にして、そう言いって出て行く。不思議に思ってこの際なので聞いてみた。
「所長?いつも何してるんです?出る時は毎回・・・・」
「ん?ああ、これか?・・・これはな~・・・・もし万が一、俺に何か遭った時にでも対処出来る様にトラップみたいなものを設定して・・・・」
「ふ~ん~・・・そうなんですか~・・・なんだか大変そうですね~・・・」
これ以上聞いてしまうと、なんだか厄介な事に巻き込まれそうだと思って聞き逃そうと返事をした。
「ははは・・・・ま~ね~・・・・おっと・・・じゃあ・・・行って来るから・・・後は頼むよ・・・後~・・・試験まではお休みで会えないから、今言っておくよ!!・・・試験頑張って!!」
「あっ・・・ありがとうございます・・・」
そう言って、忙しそうにして所長は出て行った。
「ふ~・・・さぁ~て・・・参考書を見て・・・後、数時間経てば・・・・」
昨日の装置にかかった感覚を思い出し、ウキウキとし始める雅憲。
(それにしても今日は特に暑いわ~・・・そう言えば所長も汗かいてたみたいだし・・・・エアコンでもつけちゃおうかしら~・・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これで、よし!!後は、入り口の戸の鍵を閉めて・・・・」
事務所の戸締りをして、急いで昨日約束したお店に向かった。
(待ってるかな~彩さん・・・待たせちゃうのはまずいわ~・・・あれ?あの車は・・・・)
すると店の前には、彩が車に乗って待っていた。
「所長!!弁当来ましたよ!!」
所長に弁当が来たことを言いながら、保温箱を開けると・・・
「うわ~・・・ご飯と、おかずが違う箱に入ってる~・・・しかも量が多い・・・」
思っていた弁当と違って、豪華でボリュームが多く驚いていた。
「へ~・・・凄いじゃ~ないか~・・・これなら毎日頼んでもいいかな~・・・」
弁当箱を開けて、内容に驚いている雅憲の後ろから覗くように見ていた所長が言った。
「凄いですよ!!・・・ワンコインでおつりまで出るんですよ~!!今までのコンビニ弁当じゃ~絶対に考えられないですよ~!!」
「うん!ホントだ!!それにしても、良い弁当屋見つけたな~・・・・・」
ボリュームと値段に感心して、満足そうに弁当を見ている川西弁護士
ふと、何かを思い出したかのように雅憲を見て、
「そう言や~さっき、その弁当屋と何か親しそうに話していなかったか?」
「えっ・・・・?そっ・・・そうですか~・・・ただ・・・知っている人に似ていたので・・・・」
先程の彩の言葉が頭に浮かび、それとなく誤魔化したが・・・
「ふ~ん~・・・・で・・・その人は、知人ではなかったんだ・・・」
「えっ・・・ええ・・・」
「そっか~・・・ま~それより、早くお昼にしようか~・・・これだともう、レンジが必要なくなるな~・・・」
おかずの入った弁当箱と、ご飯の入った弁当箱を手にし、椅子に座った。
(????)
「そう言えば、この水筒みたいな物は何でしょう?」
二人ともが弁当箱を取って、保温用の箱には水筒みたいな物が残っていた。
「そうだな~・・・なんだろう・・・」
「ちょっと、開けてみますね!!」
「うん・・・」
カパッ!!
「しょっ・・・所長~!!」
「どうした?なんだ、その驚きようは!!」
「みっ・・・味噌汁が・・・」
「へ~・・・味噌汁付きでワンコインか~・・・・こりゃ~物凄くお値打ちだな~・・・」
「味噌汁まで付いてるなんて・・・・凄いです!!」
(伊集院さんって・・・なんて良い人なんだろ~・・・)
ますます、伊集院の事を好印象に思う雅憲だった。
「あっ!!じゃあ、お椀ないんで、コップに入れますね・・・」
「うん・・・お願い・・・」
驚きの連続が続きながらの昼食だった・・・・
「雅憲君、頼むわ~・・・」
「はい、はい、はい、っと~・・・」
そう言い、雅憲はインターホンの受話器を取りに行った。
カチャッ!!
「はい、河西法律事務所ですが・・・」
「昨日伊集院様より注文があった、お弁当を・・・・」
「あっ!!はいはい・・・お願いします・・・今、玄関の戸を開けますので・・・」
(?・・・どっかで聞いた声のような・・・・)
カチッ!!
「こんにちは~・・・・○○弁当です~・・・」
「えっ?なんで・・・君が?」
そう・・・そこにいたのは、昨日会っていた彩だった。
「ふっふっふ~・・・・驚いた~?私ここでお仕事してるの~・・・」
「へ~・・・そうなんだ~・・・あっ・・・そうだ、そうだ!・・・所長に~・・・」
そう言って、所長に彩を紹介しようとしたが、
「ごめ~ん・・・まだ配達あるのよ~・・・」
両手を合わせ合掌して誤る彩、
「そっか~・・・仕方ないね・・・じゃ~・・・また・・・あっ、そうだ!!きょ・・」
と、今日の事を話そうとした瞬間、彩の表情が急に変わり、気が付くと耳元で・・・
「昨日の事は言っちゃ~駄目よ・・・それに、これからの事も・・・くすっ!私の事も言ったら・・・・もし~・・・・だったら解るわよね~?ふふふ・・・」
人が入れ替わったかのような感じで、冷たい感じの威圧感を出して囁かれ、何が何だか分からなく、
「えっ・・・・あっ・・・・う・・・うん・・・わかった・・・・」
「ふふふ・・・・じゃあまた、明日来ますから・・・よろしくお願いしますね・・・」
そう言って、彩は戻っていった。
(さっきは、何だったんだろ~・・・一瞬、彩さんじゃない様な気が・・・怖かったな~・・・)
「まっ・・・いいか~・・・・あっ・・・弁当・・・持っていかなきゃ・・・」
彩に、手渡された弁当の入った箱を持って、事務所に戻っていった。
遅れましたが、
早いもので、30000ヒットを達成する事ができました!!
これも、皆様が見に来てくれたおかげです。
ありがとうございます。
色々と至らない所ばかりですが、
手直ししながら、面白いお話が書けるように色々試行錯誤しながら頑張っていきますので、
これからも、よろしくお願いします。
テーマ : 日記
ジャンル : アダルト
「あっ、そうだ・・・今日も夕方から依頼者と打ち合わせがあるから、昨日と同じで終わったら事務所を閉めて帰ってくれ!」
「そうですか~・・・わかりました・・・で、所長~・・・」
「ん?」
「もうそろそろ、試験なんでお休みが~・・・」
「そうだな~・・・試験まで後・・・約一週間か~・・・うん!!いいよ!!試験までは何とか一人でも出来そうだし・・・それに、今度こそ受かってもらわないと・・・」
「ありがとうございます!!今回こそは絶対に合格できますって!!」
「ふ~ん・・・まっ!!頑張ってちょうだい!!」
「あっ・・・・所長!!今言った事信用して無いでしょ?」
「ん~・・・・今までの事を思うとな~はっはっはっはっはっはっは~」
笑いながら、席を立って他の部屋に行ってしまった。
(フ~ン~だ、フ~ン~だ!!・・・・あたし、今回は絶対に合格できるもん!!・・・・あっ!!そう言えば・・・お弁当の事言うの、忘れてたわ・・・)
所長が部屋に戻ってくるのを待って、お昼の事を言った。
「所長!!そう言えば、昨日良いお店を見つけて・・・・」
「また、始まったな~・・・で、今回はどんな美人?」
「も~・・・違いますって・・・・」
「あっ・・・違うの?」
「ええ・・・いつも、お昼は、近くのコンビニ弁当ですよね~・・・」
「あ?うん・・・そうだな~・・・」
いったい何を言い出すのかと思いきや・・・まさか、昼食の話をするとは思っもおらず、呆気にとられる河西弁護士、
「毎日コンビニ弁当だと身体に良くないと言うか、栄養の偏りが・・・・」
「へ~・・・そんな事考える様になったんだ・・・」
いつもは、安くて量が多ければ良いという考えを何度も言って来た雅憲、ここに来て急にこの様な事を言うのには何か訳が有るのではないかと疑いざるを得なかったが、今の仕事が忙しく、面倒事になりそうだったので、そのまま聞き逃してしまった。
「ええ・・・って・・・そうじゃなくて・・・事務所まで配達してくれる、お弁当屋さんを見つけたんですよ!!しかもその価格が!!」
「手っ取り早く言うと、弁当をコンビニまで買いに行くのが面倒くさい・・・だろ?」
「ちっ、違いますって・・・・毎日の栄養と食事代も考えて・・・」
「ふ~ん~・・・まっ!!良いけど・・・で・・・大丈夫なんだろうな?」
「えっ?何がですか?」
(まさか所長・・・昨日、伊集院さんの所に行った事がばれてる?いや、いくら感が良い所長だからと言って、そこまでは・・・)
「そりゃ~そこの店だよ!!食材に変なものが入っているとか・・・・」
(な~んだ・・・その事か~・・・・)
ほっとした表情で返答をする雅憲
「大丈夫みたいですよ!!今は、小さい弁当屋みたいですが、ゆくゆくはチェーン店化するみたいで、そのキャンペーンとか何とかで安いみたいで・・・」
「ふ~ん・・・・まっ・・・それなら良いけど・・・で・・・いつから注文すれば良い?」
「本格的に注文するのは来週からって言っていたので・・・・でも、今週はお試しとして、今日から配達してくれるんですよ!!」
「そっか~・・・ふ~ん~・・・でも・・・採算取れるのかな~・・・」
と、話をしていると、事務所のインターホンのチャイムが鳴った。
ピンポーンー
「おはようございま~す!!」
元気良く、明るく、挨拶をして事務所に入っていった。
「・・・・・・・・」
所長に挨拶をしたんだが、返事が返ってこない・・・それどころか、口をあけて呆然としてこっちの方を見ている。
「も~・・・所長~!!どうしたんですか~・・・ちゃ~んと挨拶したのに、その顔は何ですか?」
(なんだか、昨日までの雅憲君ではなく女っぽくなったみたいだけど・・・髪型でそう思うのか?なんだ・・・この違和感は・・・)
「えっ・・・あ・・・・いや~・・・いつもと違うから・・・なんだか朝からテンションが高いな~って・・・いつもは、目の下にくまを作って、こすりながらモゴモゴと言って入ってくるじゃないか~・・・いったい何があったんだ?」
いつもの雰囲気と違う雅憲を見て、あっけに取られながら聞いた。
「うふふ・・・昨日良い事があったんですよ~!!」
「?」
(やっぱり何か、雰囲気と言うか・・・違う?・・・何だろう・・・髪型以外に、何かが・・・)
ルンルン気分で自分の席に座って仕事の準備に取り掛かる雅憲・・・
「今日で、この世が終わるかも・・・」
あまりの変わりように、一言呟く所長、
「えっ?何がですか?・・・この世が終わるって?」
「あっ・・・いや~・・・ただの独り言だから気にしなくていいよ・・・」
聞こえないように、ボソッと呟いたつもりだったが、聞こえていたらしい・・・
しかし、いつもだったら、こう答えると、文句の一つや二つ帰ってくるのだが・・・
「♪~♪~♪~」
鼻歌交じりでその事に触れず、仕事をしている。今日は、非常に機嫌がいいらしい・・・
(昨日、何か良い事があったんだな・・・まっいいか~・・・)
そう思い、気にせず資料の整理に入った。
この事を深く気にしなかった為に、彼の今後の人生までもが変わる事になるとは・・・
「うっ・・・う~ん・・・・」
窓から日が差し、眩しさで目を覚ました。しかし、いつもならまた寝入ってしまうが、今日は・・・
(・・・・・・あれ?なんだか、いつもと違う目覚め・・・・身体も軽いし・・・・やっぱり、あの装置の効果は凄いんだわ・・・でも・・・・何だか変な感覚の様な・・・・・ん~・・・気のせいかな~?)
「よいしょっと・・・・」
ベットの布団をたたみ、冷蔵庫を開き自分で料理をし、朝食を済ませた。
(朝食ってこんなに美味しい物だったなんて・・・これも伊集院さんのおかげよね!!)
いつもなら起きてそのまま洗面を済ませ、食事もせずに出かけてしまうが、何故か勝手に身体が動いてしまう・・・・しかももの凄く軽く・・・
「あっ!!そう言えば今の何時って?」
手を伸ばして、時計を見る・・・
「えっ?やだ~・・・もうこんな時間?・・・早く出かける支度しないと・・・」
遅れないように慌てる雅憲だったが、昨日の装置によっての異変にはまだ気が付いていなかった・・・
「よし・・・これで・・・あっ!!やだ~髪の毛、髪の毛・・・セットしてなかったわ~・・・」
(あれ?あたしの髪の毛ってこんなに長かったかな~?・・・気のせいよね・・・)
なんだか不思議な気持ちになったが、時間を気にして慌てて、くしを使って整える。
「うん!!変わりなんて無い!!気のせいだ!!」
違和感を感じ不安になったが、何でもないと自分に言い聞かせ、出かける仕度をする。
「さぁ~て・・・今日もあの装置を・・・あ~あ~・・・仕事行くの面倒くさいな~・・・休んじゃおうかしら~・・・」
バタン!!ガチャン・・・
「ダメダメ・・・サボるのは良くないわ!!行かないと!」
雅憲の住んでいるアパートから法律事務所までは徒歩で15分もかからない場所にあり、
事務所までは、徒歩で通っている。
(あ~・・・なんだろ~・・・こんなに身体が軽いなんて~・・・所長にも、紹介・・・あっ!!この事は言っちゃ~駄目だったんだ・・・ふふふ♪)
途中途中、思考が男女入れ替わる事があったが、当の本人は、まったく気が付かなかった。
その頃、伊集院邸では・・・
プルルルル・・・・・・プルルルルルルル・・・・・
「お久しぶりね・・・・聞きたい事があるんだけど・・・・・いいかしら?」
携帯電話を片手に怪しい笑みをして話す伊集院、
「・・・・・・・・はい・・・・なんでしょうか?」
「ふふふ・・・・この前、貴女が言っていた、女人化薬の事なんだけど・・・・もう使えるかしら・・・・?」
「はい!!勿論~、今直ぐにでも使えますわ!!臨床実験の結果も全て出揃いましたので、資料と一緒にお持ちしましょうか?」
そう、彼女は伊集院が自衛軍に送り込ませた女医で、伊集院から頼まれていた女人化薬の研究開発を堂々と駐屯地内の医務室でやっていた。勿論、試薬の犠牲になったのは、言うまでもないが・・・
「そうね~・・・・どうしようかしら~・・・・」
「ふふふ・・・・そう言えば、あの7人の内の一人に、この薬を投与いたしましたので、彼女に持たせましょうか?薬の効果とこの子の出来具合を見て頂きたいと思いまして・・・」
「そう~・・・そう言えば以前、7人以外にも、他に試す事が出来るモルモットがいるって言っていなかったかしら~?」
「そっ、それが・・・ですね~・・・・女人化はしたんですが~・・・」
「ふ~ん~・・・・そ~ぉ~・・・女人化はしたの~・・・・で?・・・・」
「え~っと~・・・・色々と試すうちに、性欲だけ異常に・・・」
「ふふふ・・・・そ~ぉ・・・・で、今はその彼女はどうしているのかしら・・・」
「研究室のモルモット保管場所の奥で前後の穴に大きな電動の栓をして管理しています・・・」
「そう・・・・だったら、今度のオークションにそのモルモットも出品しましょう・・・・」
「えっ?よろしいのですか?・・・・・あんな失敗作を出品してしまったら、伊集院様の名前に傷を付けてしまう様な気が・・・」
「ふふふ・・・・・普通の子を欲しがるだけじゃ~ないのよ」
はい・・・分かりました・・・すみません・・・新薬の方は完璧ですので・・・一度ご覧下されば・・・」
「ふふふ・・・そうね~・・・・可愛い子になったかしら~ふふふ・・・楽しみね~・・・良いわ!!そうしましょ・・・」
「分かりましたわ!!もし・・・伊集院様が、お気に入りになれば彼女も差し上げますわ!!・・・・」
「ふふふ・・・・そうね~・・・一度遊んでみようかしら・・・・」
「ふふっ・・・ええ~そうして下さい・・・・こちらも結構大勢の女人化候補が誕生しましたわ!!」
「楽しんでいるみたいね・・・」
「ええ~・・・これも、伊集院様のおかげですわ~♪」
「ふふふ・・・・では・・・これで・・・また、後で日時と場所を連絡するわ・・・」
「はい~お願いしますわ~♪」
ピッ!!
(ふふふ・・・・飲み薬の女人化薬・・・完成したのね・・・・ふふっ・・・明日から・・・・楽しみね・・・・覚悟しておきなさい・・・)
「ええ・・・・後は~・・・・ふふっ・・・そうだわ!!勉強が捗る様に、普段のお食事にも気を付けないといけないわね!!・・・・」
「しょ・・・食事・・・・ですか?・・・・・」
「ええ・・・貴女・・・いつもは、どうしているのかしら?」
「え~っと~・・・朝昼は兼用で~、いつも事務所の近くにあるコンビニで先生の分と一緒に買いに行っています・・・・」
「そ~ぉ~・・・・ふふふ・・・だったら、私が知っている配達弁当屋を紹介してあげますわ!!」
(ふふふ・・・・あの弁護士の分も彼が買っているのなら・・・・クスクス・・・これは良いチャンスね・・・)
「えっ・・・で、でも~・・・・」
無料で能力何とかの装置を使用させてくれて、尚且つ食事の面倒までは、悪いような気がして、困った表情をするが、
「ふふふ・・・気になさらなくてもいいのよ・・・御代はきちんと頂くから・・・ビジネス、ビジネスなの・・・だから本当に気にしなくていいのよ・・・それに、お値段も手ごろで決まった時間に配達してくれるわ!!」
「は~ぁ・・・・」
「ふふふ・・・私の紹介だから、割引もあると思うわ!!」
彼らの生活状態や考え方を徹底的に調査しており、値段が安ければ注文すると言うことが分かっていた伊集院は、割引の言葉を出すと、案の定食いついた。
「そっ・・・そうなんですか!!」
「ええ~・・・この前、紹介した人に聞きましたら、一食あたり数百円程度って言っていましたわ!!」
頭の中で、毎日買っている弁当の値段を思い出して、
「数百円・・・・・だったら・・・・コンビニより安いかも・・・・」
「ふふふ、明日から頼んでおくから、良いわね?」
「あっ・・・はい・・・お願いします・・・」
「ふふふ・・・・・・」
(単純な子ね・・・・これから、どんどんと賢い子に変えていってあげるわ・・・ふふふ・・・そしたら・・・)
「あっ!!・・・・・」
ふと、時計を目にして驚く雅憲。
「どうしました?」
「もう・・・こんな時間なんですね・・・・こんなに長居してしまうとは・・・すみません・・・あたしは、これで・・・失礼します・・・」
「ふふふ・・・・そうですわね・・・・自宅にお送りいたしますわ!」
(ふふふ・・・効果が出始めてきたみたいね・・・ふふっ・・・良いわよ~憲子ちゃん・・・)
「おっ・・・お願いします・・・」
「彩!!」
「はい、どうされましたか?伊集院様・・・」
彩の返事が、伊集院の座っている椅子の後ろの方から聞こえた。
「そろそろ、彼がお帰りになるから、仕度を・・・・」
「Y E S S A !!」
ギーィィィィィ・・・バタン・・・・
そう言い、車を用意しに部屋の外へ出て行った。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・アパート近く・・・・
バタン!!
「いや~・・・今日は、本当にありがとう!!ここまでリラックスできるとは思わなかったわ!!」
「ふふふ・・・良いのよ、これぐらいの事!!これも仕事だから!!」
「えっ?そうなの・・・・」
ここまでやってくれたのが、自分に好意を持ったからだと思っていた雅憲は少し残念な表情をしていた。
「ええ、そうよ!!それに~・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
色々な事を想像してしまい、少しの間沈黙が続いた後、彩に見つめられているのに気が付き、心の中でモヤモヤが発生して、どうしようか分からなくなって、
場が悪くなった様な感じになった雅憲は、逃げるように別れの挨拶をした。
「じ、・・・じゃあ・・・あたし・・・これで・・・・」
「ええ・・・じゃあ、また明日迎えに来るわね!!あのお店で待ってて・・・、」
「えっ・・・あ・・・う、うん・・・分かったわ!・・・・・あっ!!そうだ、明日も多分、今日と同じ時間帯に終われると思うわ・・・・」
「ふふっ・・・・分かったわ!!じゃあその時間に来るわね!!」
(ふふふ・・・あの装置の効果が効いてきているみたいね・・・ホント、鈍感な子・・・話し方が、所々女言葉になっているのにも気が付かないなんて・・・ふふっ・・・ま~ぁ~、これがあの装置の特徴なんだけど・・・・短時間で繰り返し使えば、もう元に戻る事は・・・・クスッ!!)
そう言い、二人は分かれた。
「あ~・・・やっぱり~・・・少し、汗をかいちゃったみたいだから、ベタベタしてるのよね~・・・さ~て、アパートに戻ってシャワー浴びて寝よっ♪ふふふ・・・♪」
いつもは、数日間風呂に入らなくても気にならなく、遅くなるとすぐに寝てしまうのに、何故か今日だけは、このベタベタが非常に気になって、シャワーを浴びなければ寝れる気がしなかった。
その後、寝るまで雅憲は今日の事を思い出し、
(くすっ!!明日もあの装置に・・・うふふ・・・楽しみだわ~・・・♪♪♪~)
明日の事を考えながら、ルンルン気分で眠りに入った。
伊集院によって少しずつ女人化され、話し方や思考や仕草までもが変わってしまった事に、まったく気が付く事無く・・・
彩に連れられて、伊集院の待つ食堂へ行き、簡単な装置の感想やテストの報告をする。
「あら~・・・そんなに良かったの~・・・ふふふ・・・そんなに気に入ったのなら、これから毎日でも試すといいわ・・・ふふふ・・・」
「えっ!!ほ、本当ですか~!!は、はい!!お言葉に甘えて、これから試験まで出来る限り毎日受けさせていただきます!その代わり、何だってやりますから!!」
思わず伊集院に、「何でもやる」と、とんでもない事を言ってしまった・・・
この後どうなる運命なのか知らないのに・・・
(ふふっ・・・そう・・・何でも・・・何でもね・・・覚えておくわ・・・ふふふ・・・どちらにせよ、やってもらうけどね・・・)
パンパン!!
伊集院が手を叩くと、後ろの方で待機していた数名のメイドが料理をもって来た。
「そろそろ、お腹もすいている頃でしょ?頂きましょうかしら?」
「あっ、は、はい・・・じゃあ・・・い、頂きます・・・」
椅子に座ると、メイン以外の料理が一品ずつテーブルに運ばれてきた。
(うわ~・・・こんな食事・・・生まれて始めてだ~・・・・・・・ん?・・・・そう言えば~・・・ここにいいるメイド・・・何かおかしい様な?・・・・ん~・・・まっ・・・気のせいか~・・・・)
カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ
「で・・・どうでした?簡単な感想は先程お聞きいたしましたが、詳しく聞きたくて・・・」
食事している手を休めて雅憲の目を見て質問する伊集院。
「えっ?・・・あっ・・・あの装置ですか?・・・ホントあれは凄いです!!まさか模試であの点数が取れるとは・・・」
豪勢な食事に、模試の良い出来に満足げな表情で答えた。
「ふふふ・・・試験までの間、毎日かかれば確実に合格できますわ!!」
「そっ・・・そうですね!!・・・これからもお願いします!!」
「ふふふ・・・良いですわよ!!仕事の終わる時間さえ教えていただければ、お迎えに参りますわよ!!」
「えっ?そっ、そこまでしていただいても良いんですか~?」
「ええ~・・・ただし、この装置の事と、私達の事やこの施設の話は口外しないでくださいね!!」
「はっ・・・・はい!!勿論!!口外なんてしません!!」
「ふふふ、後、この装置はまだ実験段階なの・・・・だからもしかしたら、副作用が出るかもしれないから、毎日このお薬を飲んで欲しいの・・・」
伊集院の横にいたメイドが白い紙袋に入った薬をテーブルの真ん中に置いた。
「こ・・・この薬ですか?・・・・・」
薬まで飲まなければならないと聞き、少し不安になったが、
「ええ・・・・別にたいした薬ではないわよ・・・・一応、頭の記憶をいじっているから、脳波を安定させる為の安定剤よ・・・飲まなくても後遺症が出なければ良いけど、もし、後遺症が出て、試験までの間にあの装置を受けられなくなっては困るでしょ?ふふふ・・・・」
「あ・・・は~ぁ・・・・」
「ふふふ・・・・このお薬は、別に何もない時に飲んでも影響は無いわ!!だから安心して下さいね・・・」
「わかりました・・・これを毎日飲めばいいんですね!!」
伊集院に異常は無いと言う説明を完全に信用して、安心して薬を受け取ってしまった。
この薬が何だったのか知った時には、もう・・・
先程、彩にテストを受けるように言われた事を思い出し、説明を聞こうと・・・
「あっ・・・そうだった、そうだった・・・・で・・・何をやれば良いの?」
「これよ!!貴方も知っているでしょ!!さっきの装置の効果がそろそろ出始めているから、丁度いい頃かな?」
そう言って、雅憲に問題用紙を手渡した。
「えっ?これって・・・・」
「ふふふ、そうよ!!この問題は、今度の試験の予想問題よ!!時間が無いから問題数は減らしてあるけど、難易度は結構高いらしいわよ!!」
「へ~・・・・まっ、これなら良いかな?で、制限時間は?」
「え~っと・・・・1時間よ!!このテストが終われば、美味しい食事が待っているわよ!!」
「まじで・・・」
「そうよ!!」
「よっしゃ~!!がんばるぞ~!!」
「じゃあ、1時間後にまた来るわね!!」
カチャッ!!
(これは~・・・あっそうだ・・・こうこう・・・・この問題は・・・あれ?何で?・・・知らないはずの問題すらも簡単に解ける・・・・考えが纏まるよりも先に手が勝手に・・・やっぱり、あの能力開発装置のおかげかも・・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ラスト、1問・・・・この問題は・・・始めてみる形式だな~・・・え~っと・・・・分かる!!分かるぞ!!・・・・すげ~・・・・・)
カツカツ・・・・・カツカツ・・・・・
(よし!!終わり!!)
「ふ~・・・・終わった~・・・・え~っと・・・時間時間っと・・・・」
(えっ?まだ残り20分もある?・・・こんなに楽に出来たのは始めてだ!)
テストを終えて何もやる事が無くなってしまった暇をもてあました雅憲は・・・
(終わった事だし・・・・どうしようかな~・・・・他の場所は見るなって言われたけど・・・・見るなって言われると・・・)
そう思い、外に出ようと扉の取っ手に手をかけようとした瞬間、急に取っ手が回され、扉が開いた・・・・・
「わっ・・・・・!!」
「きゃっ!!・・・・」
外に出ようとした雅憲と部屋に入ろうとした彩がぶつかり、驚いた。
「どっ・・・どうしたのよ!!」
「えっ?え~っと・・・・テストが思ったより早く終わったもんだから・・・・」
「早く終わったから、どうしたの?・・・・・」
「え~っと・・・・ちょ、ちょっと~見学でもって~・・・・」
頭をかきながら笑ってごまかす雅憲だった・・・・。
「駄目よ~!!軍隊じゃ~ないにしても、ここは一応、研究所なんだから研究資料なんかが沢山合って企業秘密なんていうのもそこらじゅうにあるんだから!!」
「そっそうなんだ~・・・」
「そうよ~・・・もし秘密がばれたら・・・・損害賠償物よ!!それぐらい分かるわよね!!どれぐらいの金額って言うのも・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・うん・・・・ごめん・・・・」
「ふふふ、分かればよろしい!!」
腕を組みうなずきながら言う彩、
(ふふふ・・・・そのうち、思う存分この施設の中を見れる時が来るわよ・・・)
「じゃあ、答え合わせをして点数を伊集院様に報告ね!!はい、これが解答!!」
微笑みながら解答を渡したが、雅憲にはその微笑が善意の微笑みに思えた。
「ありがとう・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(これも合ってる・・・・これも・・・・俺、ここ勉強したっけ?・・・・なんで出来るんだ?やっぱりあの装置のおかげなんだ~・・・・これから毎日やりに・・・・)
「ど~ぉ?終わった?」
「や~ぁ・・・・凄いよ!!あの装置!!模試でもパーフェクトに出来たことなかったのに・・・・勉強していない場所も分かるなんて・・・・」
「ふふふ・・・凄いでしょ!!今度の試験はこれで合格間違い無しだね!!」
「ほんと!!ありがと~!!伊集院さんを紹介してくれて・・・ありがとう・・・」
嬉しさのあまり、彩の両手を力いっぱいに握ってお礼を言う雅憲、
「えっ・・・ええ・・・・ちょっ・・・ちょっと・・・痛いって・・・」
握られた手を引っ張って、外そうとする彩、痛くて顔が引きつっているかと思いきや、
何を考えているのか、怪しい笑みがこぼれていた。
(ふふふ・・・これでもう、この子は・・・・)
「じゃっ!!伊集院様のところへ行きましょうか?食事も用意できているらしいわよ!!」
「あっ!!・・・はい!お願いします・・・」
(うっ・・・・う~ん~・・・・・)
「うっ・・・・・・・・」
(まっ・・・・眩しい・・・・)
「うっ・・・・う~ん~・・・・・・」
目をぎゅっと瞑り、両手を上に上げて背伸びをする雅憲。
「ふふふ・・・・どうだったかしら?・・・お目覚めは物凄く良いみたいね!!」
横の方から伊集院さんの声か聞こえた。
「あっ・・・・・すっ・・・・すみません・・・家に居る様な感じになってしまって・・・・物凄く気持ちが落ち着くというか・・・・良いです!!」
「ふふふ・・・・そう・・・良かったわ・・・・気に入ってもらえて・・・・」
「ええ・・・物凄く良いです!!これ!!この装置なら何回も受けたいです・・・・でも~・・・・」
「ふふふ・・・何か心配でもあるのですか?」
「もしかして・・・今後の使用には代金請求がとか?・・・・」
「くすくす・・・・そんな事を心配されているのですか?・・・・大丈夫ですよ!!これからも何度受けていただいても御代は頂きませんわよ!!」
「ほっ・・・・本当ですか?」
(あ~良かった~・・・しかも、無料で、こんなに気持ちが良いのならこれから毎日でも・・)
「ええ~・・・本当です!!」
「だったら・・・次回も・・・・」
「ふふふ・・・・ええ、毎日受けていただいても結構ですわ!!ただし・・・・ここに来る前にお話した、ちょっとしたサンプル調査に協力していただきますわね!!」
「は・・・はい!!」
「ふふふ・・・・早速で申し訳ないのですが、簡単なテストをしていただきたいのですが・・・」
「はい、はい!!こんなに快調になって、無料だったら何だって受けますよ!!」
「ふふふ、そうですか、何でもですか・・・・ふふふ・・・」
「ええ・・・もう何でも受けてもいい気分ですから!!」
「そうですか・・・・では、彩!!お隣の調査室へ、お連れしてちょうだい・・・・」
「Y E S S A !!」
伊集院に言われ、敬礼して雅憲を調査室へ連れて行く。
ガチャッ!!
「すっげ~・・・何々?あの・・・敬礼みたいなの!!まるで軍隊・・・みたいじゃん!!」
「ふふっ、そんなこと無いわよ!!ここでの決まりみたいなものなのよ!!」
「へ~・・・そうなんだ~・・・・俺もやってみようかな~・・・・こう・・・YESSA!!って敬礼を・・・・」
緊張感がまったく無い雅憲は、廊下で先程、彩が敬礼したのを真似てやっている・・・
「も~・・・そんなことは良いから・・・こっちに来てテストを受けてよ~!!」
頬を膨らませ、雅憲を急かす、彩だったが、その言葉の裏では、
(ふふふ、そんなに敬礼がしたいのなら良いわよ・・・私が鍛えてあげるわね!!女人化作業した後に・・・・)
別の部屋・・・
「ふ~ぅ・・・これでよしっと!!後は~・・・・・ふふふ、この問題を解いて驚くだろ~な~・・・・あの装置は凄いんだから!!」
確認テストの準備をし、採点後どの様な顔をするのか想像し、楽しそうな表情をしている彩だった・・・・
「さ~て・・・・彼女の・・・・あっ!!クスッ!!まだ彼だったわね~・・・ふふふ、まっ、どっちでもいいわね・・・・どのみち・・・クスクス・・・さてと、様子でも見に行こうかしら?」
ガチャッ!!
「あら?早いじゃない・・・・もう準備は整ったかしら?」
テストの準備に時間がかかると思っていた伊集院は驚いた様子で彩を見た。
「はい!!準備ばっちりです!!」
「ふふふ、そう・・・・もうそろそろ、こちらの方も終了するわ!!」
カチャカチャ・・・
サブモニターに映し出された情報をピックアップして確認する彩
「脳波の方も平常値に戻ってきていますね!!」
脳波形を覗き込み、雅憲の様子を確認した。
「まもなく、第二作業工程終了します・・・・」
「ふふふ・・・・」
腕を組み怪しげな笑みをしてモニターを見ている伊集院。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「第二作業工程終了します。」
終了の声と同時に装置の作業音が段々と小さくなっていった。
「彩、装置を外してちょうだい・・・あと、点検確認も頼むわ!!」
「Y E S S A !!」
伊集院に言われ、頭の上にある固定された装置を退かし、点検確認の準備をしていた。
「第一作業工程終了!!引き続き、第二作業工程を開始しますか?」
「ふふふ・・・この調子で何回か第一作業工程をやれば試験に簡単に合格できるわよ!!ふふふ・・・・そして・・・・第二作業工程の方はサービスよ・・・・・・・初めてちょうだい!!」
「はい・・・第二作業工程を開始します!!」
(何を言っているのだろう・・・・さっきより頭がはっきりとしているような・・・・でも・・・・なんだろう・・・さっきよりも身体が軽く・・・・あ~・・・・なんだろ~・・・・)
「ふふふ・・・なんて気持ちがいい寝顔なんでしょ~・・・可愛いわ~・・・・これから、見も心も、もっともっと可愛くしてあげるわ・・・・」
楽しそうに雅憲に話しかける伊集院。
(あれ~・・・・誰?・・・誰だろ~?・・・何か話し声が聞こえた様な・・・・・可愛い?・・・・・誰が・・・・・誰が可愛いの?)
退屈そうに、モニターとにらめっこをしている彩が横目で作業している隊員を何度も確認し、
「ね~ぇ~・・・・後どれぐらいで終了できそう?」
作業工程の管理している隊員に残り時間を聞くと、
「あと、30分もあれば終了します!!」
「ふ~ん~・・・30分か~・・・」
残り時間を口にし、片手を頬に当てて何かを考えている。
考えが纏まった様で、
(まっ!丁度いいか~・・・さて・・・作業ついでに報告してきますか~・・・)
そう言い、元場を離れ、報告しに行った。
「伊集院様、そろそろテストの準備をしてきます。」
「そうね・・・・」
ガチャッ!!・・・・・・・バタン!!
そう言い、彩は準備をしに部屋を出て行った。