!!!!!!!!!
「こっ、これは・・・・・あの時の・・・・」
「ふふ、ええ、そうよ、あなたが、彼女達の玉を撃った時のあの部屋の中の映像よ!!どうかしら?みんな喜んでいるように見えるかしら?ふふ、どう見ても必死に撃たないでッと言って助けを求めているように思えるけど・・・・ふふ、それを貴女は聞こえなかったにしても、撃っちゃうなんて・・・・ふふ、撃ち終わった後の表情ときたら・・・ふふ、どう?この気の抜けたと言うか死んだような表情は、まさか信頼していた上司に、それも隊長に止めを刺されるなんて思ってもみなかったでしょうね!ふふ、もう一度見る?」
「嫌ゃゃゃ~!!・・・いっ嫌よ!!お願いそんなの見せないで!!嫌・・・見たくない!!私そんなつもりじゃ~・・・・」
その場に崩れるように座り込み耳を塞ぎうずくまって泣き始めた・・・・
そこにミルダ中尉のきつい一言が・・・
「ふふ、でもこれが事実なの、貴女は部下の玉を撃抜いた・・・それはもう戻せないの・・・そんな所で泣かれても困るのよ!!さぁ早く立って!!次はこれよ!!」
そう言うと強引に腕を引っ張り立たせ、髪の毛を掴んで顔をモニターの方へ向けさせた。
「えええ!!こっこっこれ・・・・え???これは・・・・う・・・・嘘・・・嫌・・・見たくない・・・こんな状態・・・見たくないの・・・・」
「なに言ってんの?貴女が責任者だったんでしょ?それを今になって部下を見捨てるの・・・ふふ、貴女の部下達はね、あの部屋で女人化の準備をしているのよ!!・・・」
モニターに映し出されたのは、ベットに拘束され気絶している隊員達だった。例の7名は別の場所で拘束されて・・・・
「えっ!!じっ、じゃあもしかして・・・みんな人形に・・・」
以前の特警隊の事件の事を思い出し、人形にされてしまうと思い背筋か震えた。
「そうね・・・人形ね~・・・ふふ、そうね、可愛く変えて人形にして自衛軍の本部に飾ってあげようかしら・・・・しかも一人一人のプロモーションビデオを作って配布するなんて・・・・」
「だっ駄目!!そんなの駄目よ!!絶対に駄目!!」
「ふふふ、冗談よ、冗談、別に今のところ伊集院様は貴女達を人形にするつもりは無いみたいだし・・・・でも貴女はどうなるのかしらね・・・・人形にはしないって言っていたから・・・・ふふ、多分あの様子だと今度のオークションに出品するかもね・・・」
「えっ!!出品???そっ、それって・・・・・もしかして・・・・あ・・・あの・・・・」
「そうよ!!貴女も見たでしょ!!オークションの商品用のプロモーションビデオ・・・
今までの貴女の様子はちゃんと録画されているから後は完全女人化して、淫乱になる薬物を投与すれば完成!!貴女はどこの誰かわからない男に自らお願いして性欲を解消するのよ!!」
「嫌・・・・そんなの嫌・・・・嫌よ・・・・ねえ、お願い・・・他なら何でもするから・・・それだけは・・・ねえ!!お願い・・・・」
ミルダ中尉の服を掴み泣きながらお願いする。
「そんなの私が決める事じゃないのよ!!伊集院様が決めることなんだから・・・・ふふふ、残念ね・・・ま~ここから逃げられれば・・・・」
「ミルダ!!ちょっと言い過ぎだって、本当の事でも今言わなくても・・・・」
「・・・・そっ、そうね・・・・ごめんなさい・・・でも、まだ確実に決まった訳ではないから落ち着いて・・・・じゃあ部屋に戻りましょうか・・・・」
そう言ってモニタールームを出た。
(つづく)
「ふふふ、貴女本当に綺麗よ!!ふふ、その膨らみも・・・・」
そう言われ、股の方の膨らみと思って、手で隠そうとした。
「ぷっ!!ふふふ、あはははははははははは・・・・・・何やってるのよ!!私が言ったのは、胸の事よ!!・・・まさかやっぱり気にしているの・・・ふふ、この服を着ればその膨らみは分からなくなるから大丈夫よ!!ふふふ、本当に面白い人ね!!・・・・」
股の膨らみから胸の膨らみの方に手をやり隠し、急に恥ずかしくなり、顔が真っ赤になった。
「じゃあ、このシャツとネクタイは分かるわね?このスカートもただ穿くだけよ!!こっちが前で・・・で、この上着を・・・・分かるわね!!じゃあ、着てみて・・・」
そう言われ、白いカッターシャツを着てボタンを・・・・あれ?何かおかしい・・・・
ん?・・・・・あっそうか~・・・ボタンの位置が反対なんだ・・・・で、スカートをこっちが前で・・・・ネクタイを・・・・上着を・・・でボタンをして・・・
「これでいいのかしら?」
「ええ、じゃあ、後ろも見せて欲しいからクルッと回って見せて・・・」
「はい、・・・・こう?ですか・・・」
「ふふふ、良いわよ!!じゃあ、後は・・・これが靴よ!!ふふ、これであなたはどこから見ても私達と同じ仲間だと思われるわね!!・・・さっじゃあ、行きましょうか?」
着替えた後の姿を見て微笑んだ。しかし、その微笑が怖く感じられたのは気のせいだったのだろうか・・・・
「えっ???行く?どこへ行くの?」
「ふふ、良いからついていらっしゃい・・・」
そう言って、ミルダ中尉と彩少尉の後について一緒に部屋を後にする。
ここは・・・・ここにエレベーター・・・この部屋は何だろう?・・・・ここは?
二人の後をついていきながら、どの様な場所になっているのか、また逃げ道を確認できないか探していた。
「あっあの~・・・これから何処へ行くの?」
「ふふふ、少し貴女には刺激が強いかしらね~・・・でも、大丈夫よねミルダ!!」
「ふふ、そうね、きっと大丈夫だと思うわ・・・・さあ、着いたわ!!ここよ!!」
そう言って、ある部屋に入った。・・・・・そこには色々な場所が映し出されているモニターが設置してあり、この施設周辺と内部の監視等を行っているモニタールームの様だった。
「曹長、例のあれに変えてちょうだい!!」
「YESSA!!」
彩少尉が部下に何かの用意をさせている。
「少尉、準備が出来ました!!」
「じゃあ、お願い。」
そう言うと、真っ白な壁にある映像が映し出された。
(つづく)
「ふふ、じゃあ次は~・・・・分かってるわよね~・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしたの?ここまで着替えたんだから、同じじゃない!!さ~さ~穿いちゃいましょ~!!ふふふ」
プシュー
「あ!!もう着替えてたんだ!!案外早く着替えたのね!!」
ミルダ中尉がある場所にコートや他の細工をして部屋に戻ってきた。
「ふふ、それがね・・・・実はまだなのよ!!この他にもあんなのが入ってたのよ!!ふふふ・・・・」
「あら?これの事かしら?・・・・・ふふ、これはいいわね~・・・・女性としての魅力が増すわね!!ふふふ・・・・」
二人ともが不敵な笑みをこぼし、こっちを見る。
「さ~早く~!!これを穿いてその姿を見せてよ!!きっと似合っていると思うわ!!」
キラキラした目で早く穿かせようと急かす彩少尉。
「・・・・・う~・・・で、でも~・・・・・」
穿くのを嫌がっていたら、ミルダ中尉が怖ろしい事をいい始めた。
「でも、その膨らみみっともないわよね・・・・それが嫌で穿かないのかしら・・・・だったら今すぐにでも取ってあげた方が彼女の為なのかもね・・・ねえ~そうじゃない、彩?」
「ん~・・・それもそうね・・・これだけ穿くのを嫌がっているのは、あの膨らみがなくなればすっきりすると思うの・・・・・じゃあ、今から・・・」
「ちっちょっと待ってよ!!・・・・ふっ膨らみを取るって・・・・まさか・・・・・」
「ええ、そうよ!!やっぱり身体が不十分な女人化だから嫌に決まっているのよ!!だから完全な女人化にしてあげれば、あなたも喜ぶだろうし・・・・」
とんでもない解釈をされているようだ・・・・このままだと本当に完全に女になってしまい、元に戻れない可能性が・・・・・仕方ない・・・・ここは素直に・・・・・・
「わっ・・・・分かったわよ・・・・ちゃんと穿くし、服も着るわ!!ねえ、これはこうやって穿けばいいの?」
中途半端に嫌がって時間だけが過ぎていき、この格好が物凄く恥ずかしくなって、何でも良いのでまずは服を着かかった。(実は、時間が経つにつれ、ある薬によって間隔が麻痺させられていた・・・・)
「ええ、そうよ!!じゃあ、次はその網タイツね・・・・穿き方はね、靴下と違って長いから、こうやって手繰り寄せて・・・」
「こう?で、こうやって・・・・じゃあ、最後にこのカーターベルトのホックに引っ掛けて・・・・これでいいのね?」
「ええ!!そうよ!!いいじゃない!!・・・・じゃあ、これで私の番は終わりよ!!次はミルダの番よ!!」
そう言って、彩少尉はミルダ中尉と入れ替わった。
(つづく)
!!!!!!!!!!
「・・・・・・・・」
「ぷっ!!ふ、ふふ、はっ、あははははははははは!!やっぱ~我慢できない!!そんなのが入ってたんだ!!ふふふ、あはははははははははははは~!!あ~あ、残念だったわね~!!素直に着替えていればこのセットに気が付かなかったのにね!!ふふ、さ~時間が無いんだから早く着替えてよ!!」
「い、嫌!!こんなの!!・・・・嫌よ!!嫌!!絶対に嫌!!」
あの袋の中に入っていた物は下着の他にガーターベルトとストッキングのセットだった。しかも綺麗な刺繍入り・・・・・
「くっ!!・・・じっ・・・・じゃあ、・・・・・こっ、この・・・・・二つ以外だったら・・・・・・ね?・・・いいでしょ?・・・・駄目?・・・・・・・・・」
女性用下着を身に付けられることは何とか想像できていた。しかし、そうだったとしても素直に身に付けることは出来なかった。まさか、思っていた下着意外の物が入っていたとは・・・・・どうしてもガーターベルトとストッキングのセットまで身に付けるのは嫌だった。そこでそれ以外なら、まだまだましなのかも?と思うようになってしまった・・・・・
「駄~目!!そんな風に頼んでも駄目なものは駄目よ!!もう少ししたらミルダも帰ってくる頃だし!!早くしてよね!!別にいいじゃない見えるものでもないし・・・・」
「嫌!!見えなくても嫌なものは嫌なの!!お願い、このセット以外なら・・・・・」
以前のような隊長としての雰囲気は一切無く、そこには裸の女性が彩少尉に頼みこんでいる姿しかなかった・・・・
「駄目よ!!・・・・ふふ、そうだ!!だったらもういいわよ!着替えなくて・・・・・・その代わりその格好でいなさいね!!ふふ、その格好で貴女を送り返してあげるわ!!きっと驚くでしょうね!!全裸の女性と思えば元対テロ策戦部隊の隊長だったなんて・・・・二度驚きよね!!ふふふ・・・・・どうする?着替える?それとも、そのままの姿で送り返されたい?」
彩少尉の不敵か笑みに恐怖を感じてしまった。完全に女人化されていない状態らしいが心がかなり女性化しているのか、恐怖で身体が振るえが止まらない・・・・・
「わっ・・・・・分かった・・・・わよ・・・・・・着替えればいいんでしょ!!着替えれば・・・・」
この下着を身に付ければ、この中で何とかして女人化を戻す方法を探すことが出来ると思い、でも仕方がなく着替えることにした。・・・ただ、身体の振えは止まらない・・・・
「ふふ、分かれば良いのよ!!じゃあ、まずショーツの穿き方は分かるかしら?」
「え!!ええ~・・・・多分・・・・普通に穿けば良いのよね・・・・・こうやって・・・」
「そう!そう!!上手よ!!じゃあ次はブラにしましょうか!!」
上手ってなんなのよ?こう言う物のはき方に上手い下手があるの?そんな事を考えながらブラジャーを手にした。
?????
ん~・・・・Tシャツの短い物と思えば良いのか?と思いTシャツを着るように頭から被る格好をした。
「あ~・・・・・やっぱ~分からないか~仕方ないわよね~・・・・このブラはね、ここをこうやってすると外れるのよ!!」
そう言ってブラジャーの止め具を外した。そう、このブラジャーはフロントホック式で何やらカップの間にホックがあって止め外しが出来るようになっていた。外す部分がかなったので被るように身に付けるのだと思ってしまった・・・・・
「そして、こうやって後ろから・・・で前の方で、胸を・・・・こう!!で最後にこのホックを留めて完了!!分かったかしら?じゃあやってみて!!」
「あ・・・はい・・・・・ん~・・・・こうやって、こう!!・・・・・で、胸にあわせて・・・こう・・・・・で最後にホックを留めて・・・・」
パチッ!!
「これでいいの?」
なんだかおかしな気分だった。まさか自分がこうなるとは思いもよらなかったし、今でも物凄く違和感がある。この締め付けられる感覚が何か何とも言えない・・・・
「ええ!!良いわよ!!わ~・・・・凄く可愛いわよ!!これじゃあ上半身だけ見れば女と思うわよ!!」
そう、未だに股の部分がまったく手を付けられていなかった為、ショーツを穿くと膨らみが今まで以上に目立っていた。
(つづく)
「この下着と制服ね!!じゃあ彩は下着の方をお願い!!私は制服を隠せられる様なコートを出口に置いてくるわ!!たぶん抵抗されるから多少時間がかかりそうだしね!!」
「そうね!!この下着じゃ~そのまますんなり身に着けてくれそうも無いしね・・・・ま~どんな下着でも同じだろうけどね・・・」
「じゃあ、お願いね!!すぐに戻るから!!」
「ええ、ふふっ!!このフショーツとブラを身に着けさせておくわ!!」
ミルダ中尉はコートを置きに部屋を出て行った!!
「ふふっ!!こんなに可愛い下着に着替えさせられるなんて思いもよらないでしょうね!!」
そう言いながら、赤色と白色で刺繍が施されているブラジャーとショーツが入った袋を手にし、こっちへ向かってくる・・・・
「さ~お着替えの時間よ!!私の言うことをちゃんと聞いてよね!!ハイこれね!!」
そう言い、ベットの横にある机に袋を置いた。
「あ!!そうだったわね!!そのままじゃ~着替えられないわね!!今外してあげるわね!!」
そう言って、身体を拘束していたベルトのロックを解除した!!
カチッ!カチッ!カチッ!カチッ!・・・・・・・・・
固定されていたベルトのロックが外れ体の自由が戻ったが、抵抗すれば部下がどうなるのかが不安で何も出来なかった。ただ、女性用の下着なんて絶対に出来ないと思っていた・・・
「さぁ~まずは、その袋の中の物を出してみてよ!!私達からのクリスマスプレゼントよ!!きっと気に入ると思うわ!!今でなくてもそのうちにね!」
そう言われ、一先ず様子見で、袋の中身を出してみる・・・・・・・
!!!!!!!!
「こ、こんなの・・・・・こんなの絶対に無理!!無理に決まってるじゃない!!何で私が!!」
顔を真っ赤にし袋から取り出した下着の方に指を指し抵抗する。
「何言ってんのよ!!せっかくのクリスマスプレゼントなのに!!サンタさん下着なんてあまり無いんだからね!!困ったわね~・・・・でもほら!可愛いでしょ!!それを着れば引き締める場所は引き締め、出るところは出るから、いいラインになるわよ~!!」
「そ・・・そんな事言っているんじゃないわ!!この下着を身に着けたくないの!!Tシャツにトランクスで十分よ!!これぐらいはいいでしょ!!ね~お願い!!」
どうやっても女性用下着を身に着けたくない貴博・・・彩少尉に涙目で訴えるが・・・
「も~そうやってお願いされても駄目!!貴女はこれを身に着けるのよ!」
と下着に指を指した彩少尉が袋の方に目をやり何かに気が付いた。
「あれ?まだその袋の中に何か入っているのかしら?全部出して!!」
そう言われ、しぶしぶ袋の中に手を入れ中身を取り出す・・・・・
(つづく)
「ふふふ・・・・・ふふふ・・・・はは・・あははははははははははははは・・・・
本当に知らなかったの・・・・・あはははははははははははは・・・・・・・・・・・
じゃあ、あれが単なる的だって思って撃ったの?・・・・・あははははははははは・・・・
あ~お腹痛~。そんな訳無いじゃない!!」
お腹を抱え大笑いする伊集院、そしてその後あれが何なのかを聞いて、公開と同時に罪悪感に襲われた。
「ふふ、あれはね~・・・・玉よ!!そう、玉なのよ!!」
「えっ!!弾?・・・・・・・・・たま?・・・・・たまって・・・何のたまなの?・・・・・た・ま?????」
「ふふふ、分からないかしら~?玉だけじゃ~・・・・じゃあ~サービスでヒントを出してあげる!!・・・・あれは全部で14個でも、元は7人からできた物なのよ・・・・・・
貴女にもあるものよ!!ふふ、分からないかしら~?じゃあ、もっとサービスして・・・・」
そう言って手にしていたリモコンのボタンを押すと、壁だと思われていた一部分が開き、
隣の部屋の様子が見えた。そこには7人の部下が壁に股がよく見えるように大の字に固定されていた!!そして、股の部分に目が行く様に目立っていた・・・・・
!!!!!!
「あっ、あ・・・・・あ、あれ・・・あれは・・・・うそ・・・まっ、ま、まさか・・・・・・」
「ふふ、分かってもらえたかしら?・・・・そうよ!!今のところあの7人だけだけど・・・・どうかしら?もう股の部分には竿しか残っていないわ!!・・・・・本当は全部綺麗にしたかったけど・・・・あの子達、無くなるのが嫌だって言うから・・・・・ま~そんなに嫌がるのなら、残してあげても良いかな~てっね!!・・・・ふふっ、私そんなに悪魔じゃないから・・・そうでしょ?」
「えっ・・・・・うそっ・・・・・じゃあ・・・・もしかして・・・あ、あの時・・・・あの時の・・・・的・・・・・えっ?・・・たまの準備って・・・・玉の準備・・・・・・・う・・・・そ・・・・じゃあ・・・・・私が・・・・彼等の・・・・玉・・・・を・・・・・・・・・・・
えっ・・・・・私・・・・・どうしよう・・・・・どうし・・・・そんな~・・・・」
目を真っ赤にし、今にも涙がこぼれそうになっている・・・・そして、あの時の状況を思い出し、
「だって・・・・・あの時・・・・・あなたは・・・・撃てば・・・・助けるって・・・・それに・・・あれをもし彼らの玉だって言っていたら・・・・・そんな~・・・」
「あら?誰が助けるって言ったのかしら?それに、ちゃんと聞こえるように、玉ってミルダが言っていたじゃない!!」
「だって・・・・・じゃあ、あなたが言った一人をって・・・・・・えっ!!・・・・
じゃあ・・・・・・・・」
「ふふ、私がいつ言ったのかしら?助けるって?・・・・私はただ、二つで一人って言っただけで、他の事は言っていないわよ!!・・・・それを貴女が勘違いして・・・・・・
撃って跡形も無くしちゃったんじゃない!!」
「わ、わた、私が・・・・や、やったの・・・・」
「そうよ!!貴女が撃たなければ、また元に戻せたのに、もう無くなっちゃったんだから元にも戻せないわね!!ふふふ、あははははははははははは・・・・・」
お腹を押さえながら、大笑いしていると、気絶している間に採寸したのか、隊員が制服を持ってきた。しかも、こっちの方の制服だ!!
「さぁ~、まずはこれを着てもらおうかしら!!逆らえば分かっているわよね?貴女の部下がどうなるのか・・・・・ふふ・・・・ミルダ!!彩!!」
女性用の制服と下着を用意され戸惑いを隠せない貴博、そこにミルダと彩が呼び出された。
「伊集院様、お呼びですか?」
「ええ、ふふ、この子に下着と服の着方を教えてあげなさい!!そしてあの部屋の様子を見せてあげて!!・・・・・後******************」
この服を着せられる事と、その制服姿でどこかの部屋につれてかれる事はあの会話で分かったが、その後の会話が二人の耳元で言っていた為聞こえなかった。
その、会話とは・・・
「・・・・・後、彼女を一度逃がしなさい!!ただし、彼女自身の考えでここから逃げる様に仕向けなさい!!このまま、甚振ってあの薬品で心まで女化させるにはかなりの量の薬が必要になりそうなの、心の芯が強すぎて素直になるどころか壊れてしまうのよ!!それも彼女は、まだ帰える場所があの場所にあると思っているの、だからその居場所を無くしてあげるのよ!!しかも、元同僚の手によってね!!ふふふ・・・・」
伊集院の言葉にミルダ中尉と彩少尉は驚きを隠せなかった。一呼吸おいて、ミルダ中尉が伊集院に質問をする。
「しかし、伊集院様そんな事をしたらこの場所と施設で何をしているかが漏れる可能性が・・・・それに、あの自衛軍の事ですので、民間人の事を考えずに空から攻撃したら・・・・」
「ふふふ、そんな事は無いわよ!!逃げたとして、あの姿で仲間と会う事は考えられないし、会ったとしても信じても羅えないだろうし・・・。駐屯地に行ったとしても、中に入る事は出来ないわよ!!いいから逃がしなさい。」
「YESSA!」
ミルダ中尉と彩少尉は納得行かない顔をしながら着替えさせる為に伊集院に敬礼をして着替えをさせる場所へ消えていった。
(つづく)
目の前に見えるのは色々な機械が置いてある・・・・・・・・
他に分かった事と言えば自分の身体がまったく動かない事である・・・・・
何でここにいるんだ・・・・あの時、後ろで何か音がしたような・・・・・
声も出ない・・・この状況はどうなったのか・・・・・
思い出そうとすると、頭が割れそうに痛い・・・・しばらくすると急に眠気が・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
「んっん~・・・」
「ふふ、目が覚めたようね!気分はどうかしら?」
そう言われ、目を開くと、そこには白衣姿の伊集院が満面の笑みでこちらを見ている。
「この状況を見れば分かるじゃない・・・・気分?最悪に決まってるじゃない・・・・
何よこれ・・・・外してくれない・・・・」
そういい身体を揺すり拘束してあるベルトを緩め様とした時、何か違和感を感じた。
この髪うっとうしいな~・・・・それに・・・・
?????
???????
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
!!!!!!
!!!!!!!
「こっこっこ、これは何・・・・・?何よ!!これ、私の胸????・・・・えっ?膨らんでるの???・・・・・えっ????何?髪の毛?えっ?何で?どうして?・・・・・やだ!!私の声・・・・・」
「ふふふ、気が付いたみたいね!!そうよ、貴女が眠っている間に少しばかり可愛くなる様に特別なメイクと、少しお身体にお薬を入させてもらったわ!!ど~お?可愛くなったでしょ~♪」
満足げな顔をして、伊集院はさらに注射器を手にし、近づいてくる。
その姿をみて、恐怖を感じ悲鳴にもなら無いか弱い声で抵抗する。
「いや、やだ・・・やっやめてよ・・・・お願い・・・いや・・・」
「あらあら~、精鋭な隊長さんだった貴女がそんな声で抵抗するなんて・・・・ほんとうに貴方、元隊長だったの?信じられないわね・・・・ふふ、ま~無理も無いわね・・・この薬には思考も女性化を促す様に出来ているし・・・・後もう少しすれば・・・・ふふふ、あははははははは・・・」
「えっ・・・なに?薬?えっ?私、どうなるの・・・・やだ、女になるの????・・・・
いや・・・・そんな~・・・・後もう少しって・・・・・お願い・・・私なんでもするから・・・・助けて・・・女になんてなりたくないの・・・・」
「ぷっ!!ふふふあははははははははは~・・・何?その話し方?女になりたくないの~・・・・そんな言い方して、女になりたくないですって?・・・・・・あははははははは~・・・・もう女になってるじゃない、その髪型、その胸、そして声に話し方に仕草まで・・・・どれを取ってももう女じゃない!!」
「うっ・・・嘘よ!!そんな~・・・な、なんで、私が女に・・・・意・・・嫌よ・・・」
男言葉で話そうとしても自然にこうなってしまう・・・しかも、今にも泣きそうに目には涙を溜め・・・・
「あ、そうそう!忘れてたわ!!そう言えば、まだだったわ!貴女の股はまだ変えてなかったわ!!まだそのままなのよ!!どう?嬉しい?」
「えっ!!そ、そうなの?ほんと!!ほんとに?」
少し希望が持てた様な気がして・・・・嬉しくなって・・・・何故か涙がこぼれた・・・
「ふふ、でもそれじゃあ元に戻っても今まで通りの仕事なんて出来ないわね!!その格好に仕草・・・・オカマノ軍人さんなんて聞いた事ないわ!!しかも選び抜かれた精鋭部隊の隊長ですって・・・・あははははははははは~想像しただけでも、お腹が痛くなるわ~♪」
「いや・・・嫌よ~・・・・嫌!!そんなの絶対に嫌!!それに私は・・・・オカマじゃないわよ!!」
「ぷっ!ふふふ・・・あはははははははは~オカマじゃないですって?そんな話し方して、胸が膨らんで化粧までして?・・・・ふふふ・・・あははははははははは~お腹が痛いわ~」
「そっ、そんな~・・・・だって、これはあなたが・・・・そうよ、あなたがやったんでしょ!!私が望んでやったんじゃないんだから・・・戻してよ!!」
今まで、お腹を押さえ笑っていた伊集院が真顔になって、
「うっさいわね~・・・だったらその話し方だけでも直してみなさいよ!!男なんでしょ?それぐらい出来るわよね?え???出来ないの!!それに、男だったらこんな事出来ないわよね!!」
そう言うと胸をつかみ、揉み始めた。
「あっ!!あっ・・・・やっ!!やめ・・・やめて・・・いや・・・
あっ・・あぁ・・あぁぁ~ん・・・いや~・・あぁぁ~ん・・・あぁぁ~ん」
生まれて初めて経験する胸の違和感・・・・変な感じから何か湧き上がる様な感じになって・・・そして、我慢の限界を超え声まで出てしまった。
「ふふ、本当に男なの?何?さっきのいやらしい声は私の聞き間違いかしら?なに甘い声出してんのよ!!女じゃなければ変体よね!!・・・・そう!!あなた・・・変体なのね!!そ~ぉ・・・変体なんだ~・・・ふふ、確かに、胸小さいし・・・・」
どんなに苦しくどんなに辛くても弱音を吐いた事も無かった貴博だったが、伊集院の言葉攻めにより言い返せなくなって目に涙が・・・
「ちっ違うわよ!!わ、私は変体なんかじゃー・・・グズッ・・・だって・・・・グズッ・・・何で・・・・グズッ・グズッ・グズッ・グズッ・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その様子を見て楽しんでいる伊集院が、また何かを思い出したのか近くによってきた。
「なに泣いてんのよ!!・・・・ふふっ!!でも~その様子なら心も女に変わりつつあるわね!!実はこの薬ね~今のところ持続効果が短い物を使っているのよ!!後半日ぐらいで話し方や仕草は戻ると思うわ!!ふふ、でもその前にこの薬を注入すれば今度こそ戻れない様に出来るわよ!!どう?こうなったらもう諦めてあなた自身で注入してみる?」
そう言い伊集院がポケットから薬品入りのアンプルと注射器を取り出し渡そうとしたが・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「するはずは・・・・無みたいね・・・ふふ、そうだ!!さっき貴女が撃った物、何だかご存知だったかしら?・・・・・・まさか~知らないで撃ったんじゃないわよね?ふふふ・・・・」
そう言って手にしていた注射器とアンプルをケースに戻し白衣のポケットにしまった。
「えっ!!さっき撃ったの?・・・・あれは・・・・・えっ?何?・・・・訓練に使う的って・・・・思ったの・・・えっ・・・違うの・・・・ね~・・・・あれは何?何なの?ね~何なのよ~・・・教えてよ~・・・」
伊集院の顔の表情を窺いながら、さっきの標的がなんだったのか自分の記憶も引き出しながら質問した。
(つづく)
射撃場では、
「じゃあ、始めるぞ!!」
「ええ、ふふ、いつでも始めてちょうだい!!」
構えて、薬室に装填し、スコープを覗いて、呼吸を整え、
そして・・・・・・
パシューン・パシューン・パシューン・パシューン・パシューン・パシューン・・・・・・・
次々と目標物である玉を撃ち抜いていく。
弾切れになる前に最終弾を撃ち終えるとすぐに、弾倉を素早く変え、また撃つ!!
パシューン・パシューン・パシューン・パシューン・パシューン・パシューン・・・・・・・
「流石ね!!私の小隊の隊員にしようかしら・・・・」
そして、最後の一つを撃とうとした瞬間、
後ろで何か話し声がした様な気がしたが、気にせず撃ち終えた。
「ふふふ、お疲れ様・・・・ゆっくり休んでちょうだいね!!ふふっ、とびっきりに可愛くしてあげるからね!!」
パシュッ!!
彩少尉が何かを言い、無防備な後から首をめがけて麻酔銃を撃った。
「ウッ!!これは・・・・・やっぱ・・・・」
バタッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのままの姿勢で気絶してしまった。
(つづく)
拘束されて射撃場まで連行された隊長は、
「さあ、付いたわ・・・・ここよ!!」
無表情で背中を押すミルダ中尉、そこに大きなライフルケースを持ってくる彩少尉がいた。
「これを使ってやってみてよ、練習も必要でしょ?練習用の弾も用意してあるし。でも、分かっているわよね?ここでもあなたは常に監視されていることを忘れないでね!!」
といい、ライフルと弾薬を手渡される。
「これは・・・・」
そう、今までに扱ったことのないライフルで、最新鋭の物と言うか、まったく次元が違う物に見えた。
「ええ、これはね!ここで開発されたライフルなの!凄いでしょ?強度も抜群で、銃身が・・・・しかもこのライフリングに・・・・」
と、彩中尉が説明する。
「じゃあ、まずは試し撃ちをして、弾はこちらで入れるから。」
3発入った弾倉を手渡され射撃姿勢に入る。目標である先方の的に向けてゆっくり3発撃つ。
そして、結果をみる。スコープの調整後また3発・・・・・
パシューン・パシューン・パシューン
確かに凄いライフルだった。発射音も無く、射撃時の反動も殆ど無かった。しかも初めて撃ったライフルなのに、自分の身体に合わせて作られたようにも感じられた。
「すっごーい!!こんな短時間で調整できるなんて・・・・このライフルはあなた専用にしても良いわね!!・・・・じゃあ、すぐに本番できそうね!!・・・・あっ!!そうそう、その前に会いたがっている人がいるから会わせてあげるね!」
そう言い、彩少尉がリモコンを押すと、壁が上がり7名の部下が股に大きな機械を付けられ壁に拘束され何か言っている。しかし、声はまったく聞こえなかった。
「ふふ、みんな、あなたを期待しているみたいね!ほら、あそこの人なんて目を真っ赤にして叫んでるわ!!たのむ~助けてくれ~って。」
実はその中の部屋では!!
「隊長-!!撃たないでくれ~!!頼む~!外してくれ~お願いだ~!!・・・・・」
必死で自分の玉を外してもらうように頼む隊員達、しかしその声は隊長には届かなかった・・・。
「彩、玉の準備できたわよ!!」
ミルダ中尉から連絡が入った。ただ、この時点では玉と言う字が自分には弾に聞こえていた。
「ふふふふ、あははははは・・・ついに始まるわね!!信頼していた部下の玉を・・・
いえ、最も信頼している上司が部下の玉を撃つなんて・・・・しかもその瞬間が見れるなんて・・・・・ふふふふふ、あははははは・・・・砕けた瞬間どんな表情するのかね~・・・・
楽しみだわ~♪」
別の部屋で、腕を組みながら、これから玉を撃ちぬかれる隊員の姿を映したモニターを見ながら楽しそうにしている伊集院。
「伊集院様、そろそろ始まります。」
「あら、そう~♪じゃ~このモニター画像を記録しないといけないわね~♪」
(つづく)
その頃捕らえられた隊員達は・・・・
股に機械を付けられスイッチが入れられた・・・・
ブイ~ン・・・・・
と同時に何か変な気分に・・・・
途中途中、声が出てしまうぐらい変わった感覚が・・・
「うっ・・・・あっ!!・・・あぁ~、ああぁぁ~・・・・」
我慢しようとも声が出てしまった。それを聞いていた伊集院が嬉しそうに甚振り始めた。
「男のくせに、なんて言葉を発するのかしら・・・あなた、本当に男なの?こんな言葉を発して・・・・いやらしいわ~本当は女になりたいんじゃ~ないの?」
「そっ、そんなこと無い・・・おっ、くっ!!俺は男だ!!誰が・・・あっ!!女になりたい・・だなんて・・・・うっ!あっ、あぁ~ん・・・・」
「あははははは~、そんなんじゃ~説得力ないわよ~そんなんじゃ~ふふふ、気持ちがいいのかしら?・・・・もうそろそろね・・・・」
そう言って不適な笑みをする伊集院、そのして股では気が抜けるような二つ大きな音と、何かが抜けた様な感覚に襲われた。
ポス!!ポス!!
「ふふふ、あははははは・・・・これで貴方は・・・・」
「なっ!何をした・・・一体何を・・・・」
「ふふ、もう少しでわかるわよ!少し黙って待っていなさい。」
「もう少しって待って何だ!!一体何をした?答えろ!!」
「も~うっさいわね~・・・・ピーピーピーピーほんと煩いわね~、少しは待つことも出来ないの?男だったら黙って・・・・あっ、そう言えばもう違ったのよね!ふふふ・・・・あはははは・・・・」
と、しているうちになにやら股の方の機械で何かが出てきたらしい。
コロン!コロン!
「ふふふ、綺麗に出来たわ!!ほら、これがあなたのよ・・・」
と、二つの玉を見せる・・・・
「こっこ・・・・これは・・・・・まさか・・・・・嘘だろ・・・」
「ふふふ、察しが良いわね!!そうよ、股に二つ有ったものよ、残りの物はこの機械が綺麗に溶かして作り変えているわ!!後数十分もすれば、あなたの股は綺麗に生まれ変わるのよ!!・・・・・・・ふふふ、あははははははは・・・・。さ~この玉はピアスにでもどうかしら?自分の玉を耳に付けるなんて、変態しかいないわよね~・・・さぁ~どうする?しかもこれは一生取れな様にしてあげるわよ!!」
「いっいや・・・・いやだ・・・つ、付けたくない、絶対に付けたくない!!いやだ~・・・・」
「本当に付けたくないの?他の場所でも?・・・・・ふふふ、そ~う、じゃあサービスでもう一度だけ聞いてあげるわ!!・・・これ、本当に付けたくないのね?」
「嫌だ!!付けたくない!!俺は、絶対に付けたくない!!絶対に!!」
「あら~そうなの?じゃあ貴女は、私達に感謝しないといけないわね、だって、付けたくない物を今まで付けてたのよね~・・・それを取ってあげたんだから・・・・・・
ふふ、残念ね!!付けたいって言ったら元に戻してあげても良かったのにね~・・・・」
そう言って、7名が選ばれた・・・・
「そうそう、貴女達が一番信頼している人が協力して貴女達のこの玉を撃ってくれるそうよ!!当たれば粉々、もう戻すことは出来ないわね!!残念よね~・・・・付けたくないから別にいらないわよね~・・・・もしかしたら、外してくれるかもよ?貴女達の隊長には、貴女達が玉を付けたくないと言う事はちゃ~んと伝えてあるから・・・・ふふふ、撃ち抜かれる瞬間を見させてあげるわ!!」
(つづく)
伊集院にそう言われ、モニターに視線をやると、そこには部下が拘束された姿で写っていた!!しかも、ある者には胸に点滴みたいなチューブが、またある者には、変わった機械に股全体を覆われた状態で・・・・他にも・・・・
「こ、こ、これは・・・・おい!!俺の部下に何をした!!まっ、まさか・・・・」
「ふふふふ、そうよ~♪これは先程見たわよね~♪これから、あなたの大切な部下はどうなるのか分かるわね?ま~信用していなならかまわないけど・・・・・」
今までの映像が嘘と言うのは有り得なさそうで、でも今回の映像がダミーだとしたら・・・
でも、本当に拘束されあの状態だったら・・・この場合、何か用件を出して来ると思い、怒りを押さえ、用件を聞くことにした。
「くっ!!・・・・・ちっぃ!!・・・・・ちょっと待ってくれ?・・・・・・・・・・・どうすれば・・・・・部下を?」
「ふふ、良かったわ~♪理解の早い隊長さんで~・・・ふふふ、そうね~♪まず、あなたにはやってもらいたい事が有るのよ・・・・・・そう言えばあなた、半年前に開催された、狙撃大会で優勝したわよね?しかも新記録だったそうじゃない。私たちの世界でも有名になっているわよ!!ふふ、それで一度その腕を目の前で見せて欲しいのよ~・・・そうね~・・・距離は手始めに800で、的は10円玉のサイズの物でどうかしら?ただでとは言わないわ、二つ撃ち抜く事に一人を・・・・ふふっ、どうかしら?・・・・・いい条件じゃないかしら?」
そう言われ、標的を二つ撃ち抜けば一人が助かる、全ての標的を撃てばその人数分が助けられると思った貴博は、そんな簡単な条件ならと思い、その条件で承諾してしまった。
まさか、その的になる物が何なのかと言うことも知らずに・・・
「・・・・わかった、で・・・・・どれだけ撃てばいい?」
「そうね~・・・・1・2・3・4・5・・・・・そうね~7人・・・いいえ、7だから・・・14で・・・15個の目標を作るから、それを撃ってもらえないかしら!!」
「????・・・・分かった、でどうすれば?・・・・・」
「ふふ、今部屋の外に迎えが行っているはずよ!!外に出てみれば分かるわ!!」
そう言われ、外を確認するとそこには、手を振る彩少尉とミルダ中尉がいた。しかも何者か分からないが、数多くの狙撃兵が自分を狙って、殺気を放っていた。
「この状態で変な事したら分かるわよね?動かないで、あなたの行動で部下の運命も決まるのだから・・・・」
そう言って、両手、両足を拘束した。
「ん~・・・これぐらいなら歩けるわね?ど~お?良いかしら・・・じゃあ、付いてきて!!」
そう言われ、拘束され、ロープで引っ張られながら二人の後について行く。勿論、後ろには小銃を構えた女兵が見張っていた。・・・・忘れているのか?拘束時に目隠しをされなかった為、場所の確認が出来た事が後々役に立つ事に・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(つづく)
「ん????この引きずった様な傷は・・・・あっちに・・・・ここは~・・・・視聴覚室みたいな部屋か~・・・・」
ステージを調べていると、何かを引きずったかのような傷跡がありその線を辿っていくと中に部屋を発見する。
「いったい、この部屋は・・・・ん???・・・・・・・・・・・・・こっ、この資料は!!なんだ?この画像は・・・・!!!!!」
ステージの横で発見した部屋を捜査していた隊長が色々な物を発見していく。
!!!!!
「なんだ・・・・これは・・・・」
なにやら、オークションの取引書類のコピーが裁断されずに一部分が残っていた。
「この金額は・・・」
このオークションに毎回付けられていた金額に驚いた。そう、金額にして毎回数千万の落札金額で他には金額の横に番号が・・・そして、他を調べると、顧客の資料が・・・
「こっ、これは!!」
すると突然、その部屋に設置してある電話がなった。
プルルルル、プルルルル・・・・・
なんだろうと受話器を取ると、
「初めまして、私、伊集院と申します。本日はわざわざこちらに出向いていただき・・・・
ま~いいわ、本題に入らせてもらうわ!!今、あなたの部下をこちらで預からせてもらっているの?どういう意味かお分かりかしら?」
「いや、分からないね!!それに、証拠は?悪いが、言葉だけでは信用しないんでね!!」
「あら、そうわよね~だったら、まず待ち合わせの場所を見ていれば?」
そう言われ、集合場所に目を向けると、そこには、隊員たちが身に着けていた装備品だけが置いてあった!!
「おい!!これはいったい!!部下達はどこに!!」
「ま~、慌てないで聞いて下さいね。ふふふ、そこに置いてあるTVモニターの電源を入れてもらえるかしら。」
「ああ、・・・・今入れた・・・」
「そう、だったら少しの間これを見て楽しんでくださるかしら?」
そう言い、ある男性が強制的に女にされ、最後には何だかの薬を打たれ性的快楽に飲み込まれて、その後は、このホールでオークションの商品として出品・・・・
その一部始終の内容のビデオが流された。
「・・・・・・」
「どうだったかしら?気に入ってもらえたかしら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あら、言葉が出ないぐらい感動的なショーだったかしら?」
「・・・・・・こんな事があってたまるか・・・・・・おい!!あの後・・・あの後の・・・・彼?は・・・・」
「ふふ、そんなに続きが見たいのかしら?だったらあなた自身が経験して見る事も出来るわよ!!・・・・ふふふ、冗談はそこまでにして、彼ではなくて彼女なの!!注意して下さいね・・・・・そうね~今頃彼女は幸せにしていると思うわ!!そこに置いてあった資料を見たでしょ?そう、13番の子よ!!」
そう言われ、先程の金額の入った資料を見ると、そこには金額と落札者の氏名と居住地がが・・・
「まっ・・・まさか海外に・・・・・」
「ええ~そうよ!!彼女も今頃は相当喜んでいるはずよ。」
「なんて馬鹿な話なんだ!!こんな事あるはずが無い!!・・・もういい、切るぞ!!」
「お待ち!!・・・・・ふふ、なら、この状況はどうかしら?もう一度モニターを見ご覧なさい!!」
(つづく)
ホールでは、各隊員が色々な場所を捜査していた。
「ん???ここに階段が・・・ん???誰かいるのか???」
階段を上ろうとした時、目の前に人影が見え、小銃を構えようと・・・
パッシュ!!
「クッ!!なんだ・・・これは・・・?」
防弾ベストの隙間に麻酔銃の弾が刺さっており、すぐに引き抜き反撃に移ろうと銃口を向けた・・・・
「お前達は何も・・・・」
バタッ!!
「ふ~・・・驚いた~・・・効かないかと思ったじゃない・・・・でも何故?これ即効性のある麻酔よね?・・・・これは直ぐに中尉に報告しないと・・・・」
ミルダ中尉の小隊の隊員が少し冷や汗を掻きながら無線で連絡をしようとしている。
別の場所では、
「この部屋は・・・更衣室???」
ロッカールームを奥へ進んでいくと、突然後ろの方で扉が開く音が!!
ギィ~~~~
振り返りその場を確認しに行く。
「誰だ!!・・・・・ふ~・・・なんだ・・・扉が閉まってなかっただけかよ~・・・・脅かすなよ~・・・本当は俺、こう言うの苦手なんだよな~・・・・」
ロッカーの戸を閉め、捜査を開始しようとした瞬間!!
別のロッカーが開き・・・・
パッシュ!!
「残念!!こっちが正解よ!!」
麻酔銃を片手にロッカーから出てくる彩少尉。
「くっ!!痛って~・・・・ん????何だこれは・・・・」
「えっ!!何で?効かないの?もしかして外した???」
即効性のある麻酔銃で撃ったはずなのに、手ごたえもあったはずなのに・・・・倒れない隊員を見て驚く彩少尉だった。
「少し気を抜いたか・・・・何故?麻酔銃で攻撃している・・・・・捕獲でも・・・す・・る・・・・・」
バタッ!!
撃たれると思った瞬間、麻酔が効き倒れ他のは良かったが、心臓が今でも踊っていた・・・・そして、今までの隊員と何か装備品が違うことに気が付いた。
「ふ~・・・危なかった~・・・・でも何で?効きが弱くなった・・・これ古いのかな・・・・・・・・ん????何着てるの・・・・これは~・・・・ああ!!そうか~これを着てたんだ・・・だったら効きが弱いのかもね!!でも、これは暑苦しそうね・・・・・これは報告しないと!!」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
[何だか嫌な雰囲気だな~・・・こう言う場所に何かありそうなんだよな~・・・あ~早く帰って一杯・・・・ん?・・・あれは~なんだ・・・?」
気になった場所を見に行こうと・・・・
シュ~~~~
「うっ!!くっ!!何をする!!うっ!!やめ・・」
スプレーを吹きかけられ、その場に倒れこむ隊員。
「もう少しを警戒しなさい!!ふふふ、これからは私が鍛えてあげるわ!!可愛い姿になってね・・・・これも運んでおいて!!」
ミルダ中尉が部下に伝え運ばせた。
(つづく)
(第一小隊、捕獲)
第一小隊では・・・・
一人の隊員が、建物の窓ガラスを切り取り施錠を開け進入する。
そして、他の隊員の侵入を容易にする為、扉のロックを破壊し待機する。
外側ではロックの破壊を確認後、すばやく進入し中にいた隊員と合流する。
第一小隊の任務は、最下層にあるフロアーの偵察及び今までの犯行に繋がる物的証拠の確保、犯人と思われる伊集院を捕獲する事。
なお、万が一危険と判断する物を発見した場合は、その場で破壊することも任務内容に入っていた。
その為、彼らが向かう先は、まずは最下層になっていた。
小銃を構え順に進んでいく隊員達、廊下を進み階段を下る、そしてまた廊下・・・・そしてまた階段・・・・
何度か繰り返す内に、長い廊下のある階になった。
よく確認すると、普通の建物には存在しない物が発見された。
「隊長、全てのトラップを解除するには時間がかかりますので、破壊して行きますか?」
「いや、まずは最下層へ行くのが先決だ!!ただ生きた警報センサーだけは破壊していく!あの配置だと後々厄介になるからな・・・じゃあ援護してくれ!!」
「了解!!」
小銃からナイフに持ち替え、後方援護を任せセンサーの死角へ飛び込みすかさずセンサー部分を一気に・・・そして、もう一つ、また一つと・・・警報センサーをすぐに復旧されない様に、破壊していく。そしてどこかのセンサー一つを引っこ抜いてきたのか、手にし・・・
「こんな警報センサー見たことあるか?・・・しかも設置の位置がおかしいような・・・・」
隊員たちも首をかしげ考え込む。
「そっか~・・・・やっぱ~分からんよな~・・・まっ!いいか・・・じゃあ、先の階段へ行くぞ!!」
と言い、無造作にセンサーを投げ捨てた。
ワイヤーとラップに気をつけながら、ゆっくり廊下を進んでいく。
突入する前にライフラインをカットしたのだが、先程から所々で電源が生き返ってきていた。その証拠に、隠しカメラが稼動し始めて、他には赤外線センサーまでもが・・・
何度か階段と廊下を繰り返していくうちに、今まで見たことのない大きな扉を発見した。
扉を少しあけ内視鏡を使い中を確認する。
?????
「なんだ?ここは・・・・」
だだっ広いホールにステージがあるだけの部屋がそこにはあった。
用心しながら、ゆっくりと扉をこじ開ける。
中に入り確認すると、フロアー全体がホールになっているらしく物凄い人数がステージを見ることが出来るようになっていた。
「一体何に使うのでしょうか・・・・」
「さぁーな・・・俺が造った訳じゃ~ないしな~・・・何か情報となる物は無いか各人分かれて確認!!10分後この入り口で集合!!」
「了解」
各隊員が別れ捜索に入る。しかしここまで来るのにかなりの体力や神経をすり減らし疲労が溜まりつつあるこの状況下で、この選択が後々の小隊の運命を変えてしまうとは思いもよらなかっただろう。
伊集院の部屋では、このホール内の状況をモニターしていた。
「やっと来たわね!!ミルダと彩に連絡して頂戴!!ふふふ、あなたのお友達がまた増えるわよ!!嬉しいでしょ?これから忙しくなるわよ!!」
ひっつめ髪のエステサロンのユニホームみたいな服装で、玉の様なイヤリングを付けたメイドに伝え、その場を去っていく伊集院
(つづく)
仕方がない・・・・
隊長のいる第一小隊は俺達とは別格だから大丈夫だろう・・・・そう、大丈夫だ・・・・
そう自分にいい聞かせ、答えはじめた。
「わっ、分かった・・・・今度は正直に言う!!・・・・多分だが、第一小隊・・・・ナイフでそこまでの事が出来る人は・・・・・・・あの隊長しかいない・・・・・・・・・。答えたぞ!!で、部下はどうなんだ!!生きているんだろうな!!答えろ!!」
必死に部下の生存を知ろうとする。
「へ~こんな事できる人物がいるんだ~・・・・へぇ~・・・この国ってほんといい物プレゼントしてくれわね~・・・・あ、そうそう答えね!!あなたの部下はね、死なれると困るから、簡単な処置はしてあるわよ!!今は、地下にある特別ステージにいるわよ!!でも、この先はあなた次第・・・いや、あなた達の隊長さん次第ね!!」
視線を遠くにし、ほんのわずか微笑み答えた彩少尉。
「プレゼント? ステージ?・・・・一体なんの事なんだ!!答えろ!!」
後ろで、何か変な音がした
パシュッ!!
「答え・・・・」
ドサッ・・・・
そのまま意識を失い倒れこみ動かなくなった・・・・・
「い~タイミングじゃないミルダ!!」
「遊びすぎよ!!彩~」
麻酔銃を片手に暗視ゴーグルを上げて言うミルダ中尉。
「大丈夫だって!!ミルダがその麻酔銃で狙っていたの分かってたし!!
さー、これも早いところ運んじゃいましょ!!ふふ、下の方でもお客さんが待ってるし!!」
彩少尉が部下に命令をし、地下へ姿を消した。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「でも、あれは・・・ちょっとやりすぎね・・・・・・・・ねえ彩・・・あの後片付け・・・誰がやるの・・・・あたしは嫌だからね・・・・」
「ああ~・・・あれね~・・・・そりゃ~やった本人に決まってるでしょ!!あれだけやったんだから・・・・修理費もしっかり稼いでもらわないといけないし~・・・・・・
ふふふ、そーだ!!メイド服着せてフリフリ下着を強制的に見せながらお掃除させるなんてどう?その姿の映像をDVDにして彼女ら自身が配布する様にするの!勿論そのメイド服でね!!」
「ふふ、それいわね!!で、どんなメイド服にするの?」
「ん~・・・それはね~・・・ふふふ、後のお楽しみよ!!」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
彼らには一体どんな仕打ちが待っているのだろうか・・・・
そんな事も知らずに、ぐっすりと熟睡している隊員達・・・
(つづく)
廊下の奥の方へ進んで行く彩少尉を見ながら逆転のチャンスを窺っていた。
ふと、部屋に設置してあるモニターに気になる映像が見えた・・・
!!!!
あっ!!あれは・・・・・嘘だ!!嘘だろ・・・・・やはり・・・・・あの5名は・・・・・・駄目だったのか?・・・1・・・・名?さっき1名がなんとか・・・って・・・・まさか・・・・!!
先程の聞こえた会話を思い出し、通信手の状態がきになり銃口を向けられている事も忘れ、上半身を起し廊下の奥で頭を抱えている彩少尉に向かって大きな声で問いかけた。
「おい!!先程の捕獲した相手とは誰なんだ!!答えろ!!1名というのは何の事か?」
こちらの方に振り向き、耳を押さえながらカツ・カツと音をたてながらこっちに歩いてくる彩少尉。
「も~そんな大きな声で言わなくても聞こえてるわよ!!も~耳痛いじゃない!!ほんとにも~!!設備だけじゃなくて私まで傷つける気? ふふっ!!ま~そうなった時はあなたに責任を取ってもらうわ!!」
不敵な笑みをこぼしながら、ある物を手にし質問をした。
「ねえ!これってあなた達がすべてやったの・・・これなんて的確に綺麗にナイフで刺され壊わされてるの・・・・・・ねえ!どうやって見つけて、どうやって壊したの?」
彩少尉の視線が急に突き刺さる様に鋭くなり、壊れた装置を数個手にし、聞く。
?????
我々がここに来て、壊したカメラは数台・・・しかもナイフではなく自分らは小銃で・・・なら・・・・・・出来るのは先にここを通った隊長達しかいない!!ここは自分らがやった事にすれば・・・・・そう思い
「ああ、それか~・・・・そのカメラはすべて我々が壊した、その手にしているカメラも死角があったのでそこから入って刺した!!ただそれだけだ!!答えたから、こっちの質問の答えをしてくれないか?」
自分達以外にこの中にいる事を隠す為、すべて自分らの部隊の責任にすることにしたが・・・
「ふ~ん、そ~なんだ・・・・このカメラも・・・・死角ね~・・・」
手に持っている装置を見ながら手前に出しもう一度聞き直す。
「本当に、あなたがこのカメラを???あの奥にあった装置の事よ?」
「ああ、しつこいぞ!!何度言っても同じだ!!奥にあったカメラも・・・・・
それよりも俺の質問の回答はどうした!!生きているのかどうなんだ!!」
通信手の生存が気になる小隊長、しかも、必死になって下の階にいる隊長達を守ろうとするが、彩少尉は
「さぁ~、生きているのかだって?そんなのし~らない。あなたの言っているのは誰の事かしらね~?正直に答えられないあなたに、こっちも答えると思って?」
と、手にしている装置を目の前に投げ捨てる
「さっき、あなたはこれを奥にあったカメラって言ったわね?これのどこがカメラですって?カメラに見えたとしても、普通はレンズらしき場所を壊すわよね?その傷はピンポイントで中のセンサーのみを破壊しているのよ?」
自分で言った事が全て裏目に出て返す言葉を失い、ただただその装置を見ることしか出来なかった。さらに彩少尉は、
「ふふ、ま~いいわ!!これが何だか教えてあげる!これはね進入を感知する装置なの・・・・私が開発した試作品でね、調子が悪いのかな~って思っていたら・・・・・・まさか・・・・・ね・・・・・あっそうそう、あなたには残念な事だけど、実はねこの装置の反応が切れたのは、あなた達が来るかなり前だったのよ!!その後に来たあなた達がやったって言うのはどういう事かしら?ほんと~は誰がやったのか知っているんでしょ?誰なのか教えてよ~ね~・・・誰なのか答えなければ、あなたの部下はどうなるのかしらね~・・・」
やっぱり部下達は捕まっているみたいだ・・・・このまま答えなければ、部下達が・・・・田山は大丈夫なのか?・・・・しかし、答えれば下にいる隊長達が・・・・こんな時どうすれば・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
(つづく)
出血の影響で貧血を起し壁に寄りかかっていた。
プシュー
もたれかけていた壁がいきなり開いた・・・・
ドサッ!!
そのまま中へ倒れこみ中にいた彩少尉の隊員達に銃口を突きつけられ、囲まれてしまった・・・
「あら?他の隊員はどうしたのかしら?」
と、不思議そうな顔をして彩少尉が質問する。
「ふっ、他の隊員?何のことだ?ここには俺一人だが?もしかして他にもいると思ったのか?」
腕の傷口を抑え何もなかったかの様にごまかす。
「あ~ら~・・・・・そう~・・・・じゃあ仕方がないわね・・・・でも~困るわよ~、本当の事を言ってもらわないと、多分後で大変な事になってしまうわ・・・あなた達がね。」
片手を頬にあて困った表情をする彩少尉。そこに部下の隊員が来て彩少尉の耳元で報告をした。
「ふ~ん・・・・・そう・・・・・5名とも捕獲できたんだ・・・えっ?1名は・・・・ふ~んそうなの・・・・・ふふ・・・ま~いいんじゃない!!どうせなんだし!手当てする分省けていいじゃない。で、もうやったの?」
話し声が聞こえる様に報告を聞く彩少尉。
「え!!まだなの?・・・・ふ~ん・・・・そうなんだ~・・・まだか~・・・・ふふっ!!」
少し残念な表情をしながら口をとがらせ、こちら側をちらりと見て何か思いついたのか、笑ったかの様に思えた・・・
「おい!!5名捕獲とはいったい何なんだ、1名はって何なんだ?手当てが省けたとはどう言う事なんだ!!」
部下のことが気になり、やられたと思い、倒れながらも彩少尉を睨みながら怒鳴る。
「も~煩いわね~・・・あなたの部下はここには来ていないんでしょ?だったら関係無い事じゃないかしら?それとも~・・・何か私に言う事でもあるの?・・・・あっ!!もしかして、実はさっきまで部下と一緒にいたとか・・・・」
先程部下達を逃がした事を知っていながら、知らないフリをしながら、からかう彩少尉。
「クッ!!・・・・・・」
部下達が逃げる様子をモニタールームで見られていたと言う事を知らず、未だに相手は確証を得ていないと思っている小隊長。その為ぼろを出さない様にするには何も答えられなかった。だが部下の5人の事も心配だ!!何とかしてこの場を・・・・しかしどうやっても反撃どころか逃げる機会なんてどこにもなかった。
カツッ・カツッ・カツッ・カツッ・カツッ
消化剤と閃光弾や銃撃戦でひどい状況になった廊下に出て行き、その状況を改めて見直し、ため息をつく彩少尉。
「は~・・・・も~これ掃除するの大変なんだからね~・・・あ~あ~ここなんて黒く焦げてるし・・・・ここは撃たれて穴だらけ・・・・・まっ!!ここの後始末はやった本人がやらないといけないわね~!!・・・・・・・・そうだわ!!決めた!!うん!決めたわ!!あなた達にやってもらう事にするわ!!その方が良いわよ絶対に!!人の物を壊してそのままなんて許されないでしょ!!許されるんだったら警察なんて要らないわよね!!ふふっ!!そ~ね~♪どんな格好が良いかしらね~♪」
彩少尉の頭の中では彼らの作業の風景が想像出来ているらしく、なにやら楽しそうに周りを見ていると、
「ん????あー!!こっこのカメラ・・・・壊れてる・・・あーこっちも・・・・あーこれも・・・もーこれ高いんだからね~・・・」
焦げた壁や、小銃で撃たれた天井や壁や廊下・・・・・そしてカメラ・・・・
他にも、隠しセンサーが数台引き抜かれ御丁寧にコードまでもが引き千切られていた・・・・
「キャー!!・・・うっ嘘~・・・こっこれも・・・こっこれはまだ試作品の段階で、データー取ってないのよ!!・・・・・も~・・・絶対に許さないわ!!も~誰よ!こんな事したの・・・・も~誰?ホントに!!この作戦の一番のトップって誰?も~この代償はきっちり返してもらうわ!!も~・・・・・」
一つ一つの被害を確認するにつれ、頭を抱え何やら悲鳴の様なものを上げながら何か文句を言う牛の様になっている彩少尉であった・・・・
(つづく)
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
交戦が一先ず収まり、応急処置をした衛生隊員に容態を聞く。
「で、どうなんだ?・・・・」
「内臓の一部を貫通しています・・・出血が止まりません・・・・・ここでの手当では・・・・・・
このままの状態ですと危険です・・・・すぐに治療できる場所に連れて行かないと・・・」
止血の為傷口を押さえる隊員・・・・
「後、あれを見て下さい。」
と指を指した先には、二箇所穴の開いたボディーアーマーがあった!!
「う、嘘だろ?何で?・・・・納入テストで近距離からのP90の5.7x28mm弾も通さなかったのに・・・・」
脱がされたボディーアーマーをみて隊員が呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数分間沈黙した状況が続き、
小隊長が言った。
「このままだと全員が駄目になる。田山の容態も良くない、すぐにでも施設での手当てが・・・・ここは俺が援護するから、お前達は地上に出て救助を呼び田山を助けてくれ・・・、今ならまだ間に合うはずだ!!」
「ですが・・・・」
「俺は足をやられているから逃げることは出来ん・・・・頼む・・・!!」
「・・・・分かりました・・・・・・・・これを置いてきます・・・・」
と言って、小銃と弾倉を置いて、拳銃に持ち変え、一人が通信手を背負い、一人が前方に、もう一人が後方、残りの一人(狙撃手)は通信手を背負っている横に付き警戒を・・・・
「これを撃ったら一気に来た道を戻れ・・・いいな!!」
部下に言い、廊下に設置してあった消火器のホースとハンドル部分を取り除き転がせるようにして、攻撃された方に消火器を転がした。ある程度の距離まで転がったところで、それを撃った!!
パン!!・・・・・・・キン!!
消火器に穴が開き、回転しながら中に入っている消化剤がシュルシュルシュルシュルと音をたて一気に巻き散らかされた。
同時に、来た道の方へ隊員達は走っていった・・・・
その様子をモニターで見られているとは知らずに・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、これからどうしようか・・・・
ますは消化剤が落ち着いたところに閃光弾と残りの小銃で威嚇射撃・・・・
その後は・・・・・
まさかこのボディーアーマーのプレートが全く約にたたないとは・・・
あの距離からの攻撃で貫通する火器は、いったいなんだ・・・
後、数分は過ごせるが・・・・
(つづく)
ある一室では、侵入してきた隊員をモニターで監視している彩少尉の姿が・・・
「彩少尉、報告します。今、突入してきた部隊ですが、今回もトラップに気づかれたみたいです!!しかも、あの部屋に運んでいる隊員の姿を確認されたみたいです。」
少し慌てた様子で、報告にきた、彩の小隊である第二小隊隊員。
「ふ~ん、そ~みたいね・・・あ~ぁ・・・・引っかからなかったんだ~・・・一度試してみたかったんだよね~トリモチ爆弾、この前の実験で像を1頭捕える事が出来たから、人間の集団に使ったらどれぐらいの効果があるのか見たかったけどな~・・・仕方がないか~・・・もう少し設置方法考えないとね!!そろそろ捕獲しないとね!ミルダを急かしたんだから・・・」
「さっさとやっちゃいましょ~!!」
と、言うと部下達はさっと消えていった・・・
「さ~て、どんな反応してくれるのかな~・・・」
ここがこうで、このダクトから・・・・と色々考えている・・・・
先程から、何か様子というか空気が変わった様な気がしてならない。
あたりをもう一度確認すると、あるカメラに気が付く・・・
小型カメラのようなレンズが付いており、一定の間隔で左右上下に動いていた・・・
しまった!!・・・・・・
今まで死んでいたと思われたカメラまでもが生き返っていた。・・・・
下の階にいる隊長達にも早く知らさなければ・・・・危険だ!!・・・・・
「通信手、至急第一小隊に連絡!!カメラに注意と!!」
慌てた様子で通信手を呼びつける。
「了解!!」
有線電話のハンドルを回し、相手側のベルを鳴らそうとした時
ヒューン・・・・・ペチッ・ペチッ・・・ヒューン・・・・
と硬い物がボディーアーマーに当たった音と銃弾が空を裂く音がしたと同時に
通信手が倒れた。
「全員柱の柱の影に隠れ応戦!!サプレッサー付の小銃で狙われているぞ!!」
攻撃されたと判断し、即座に柱の影に隠れ応戦する。
パパパパパパーン パパパパパパーン パパパパパパーン パパパパパパパーン
「全員大丈夫か?異常は???」
と、隊員を確認し辺りを見渡すと、腹を押さえ込んで倒れている通信手を目にした。
「すまん、援護を頼む!!田山(通信手)を助ける!!衛生準備を頼む!!」
安全な場所で手当てをするため、近くにいた隊員に援護射撃を頼み腰を低くした姿勢で通信手のところまで行き、サスペンダーを引きずりながら柱の裏側に隠れた。
「田山!!大丈夫か?」
「・・・・す、すみません・・・・ま、ま・・・さ・・・・か・・・・・・・」
「おい!!聞こえるか?気を抜くんじゃないぞ!!村杉(衛生担当隊員)処置を頼む!!」
手当てをする為、衛生隊員と入れ替わる。
(つづく)
「小隊長、おかしいですどうやっても通信が出来ません!!」
「そっか~・・・・ん~・・・・よし!!一度有線で連絡してみろ!!」
切り替えを命令し、他の隊員達と同様、警戒に当たる。
「ん???」
と、先程の隊員の報告の場所で何かが動いた様に思えた。
その場所をもう一度確認する為、手持ちの暗視スコープを使って注意しながら見た・・・・・
すると、人が何かを担いでいる影が見えた。
狙撃手に正確な状況を確認してもらう為、狙撃手を呼び、確認させると・・・・・
「・・・・・・・・・人を担いでいます。・・・・・しかも、担がれているのは・・・・・
外で警戒に当たっていた小隊の隊員です!!」
冷静であった隊員達の間にも不安の空気が流れ始めた・・・
「本当にうちの隊の隊員なのか?確証は?」
警戒をしながら小隊長は狙撃手に聞きなおす。
「・・・・あの戦闘服の左腕の部隊章が自分らと同じです・・・・・・」
「一体・・・誰が・・・何の為に・・・・?」
「運んでいるのが何者かは分からないか?確認してくれ・・・・」
「了解!!」
・・・・・
目を細め光学スコープを覗き込む狙撃手
「髪が長い・・・・・女性のような気がします・・・しかも、変わった装備をして・・・・・
あっ!!あれは作戦会議の資料であった例の事件の手配中の組織が着用していた戦闘服です!!」
その言葉を聞き、他の隊員達が
「小隊長、このままでは仲間が!!援護してください、我々が突撃します。」
特警隊の悲劇を知っている隊員たち、まさかとは思っていたがこの先の予想が付いた隊員達はすぐさま行動に出ようとしが・・・小隊長が隊員のサスペンダーを引っ張り止める。
「おい!!バカか!!よく、あの部分をよく見ろ!!廊下の途中途中を・・・・
落ち着いてから行動をとれ!!個人、個人で行動している訳ではないんだぞ!!」
はっとなり、隊員達は一斉にその部分を見る。
!!!!
この状況をしっていたかと想像ができるぐらい、用意周到に、廊下にはご丁寧にワイヤートラップが・・・ただ、所々にセンサーみたいな物が壊れているが・・・
「まずはどこに連れられているのか、あの先はどうなっているのかを知る必要がある。図面を!!」
と、通信手に手をだすと、いつ会話に入って通信の状況を言い出そうか困っていた通信手が目に入った・・・
「どうした?」
「上との連絡が取れません・・・やはり・・・ですか・・・。」
と言いながら、図面を渡し、警戒に入った。
今現在がここで・・・あの場所がここなら・・・ここは・・・・階段になっているな!!
そうか~、電気を止められてエレベーターが使えないのだな!!
と頭のなかで言いながら、これならいけると作戦を考えるが、ふと、疑問が・・・
しかし、普通これぐらいの組織なら建物の停電時に使用できる発電装置があっても良いぐらいではないか?・・・・・そう言えば、先程から気になるのが所々にある隠しカメラだ・・・・死んでいると思っていた電源が生き返ってるみたいだ・・・・
おかしい?何かがおかしい・・・・・・電源が生き返ったのなら何故エレベーターを使わない?わざわざ担いで階段を使わなくても・・・・・我々が侵入してきた事も分かっているだろうし・・・・何故危険が増すような事を・・・・・・他に建物内に莫大な電気を必要としている場所があるのか?・・・・・考えれば考えるだけ疑問が湧き出てくる・・・・
(つづく)
そして、建物に突入した部隊はどうなったのか・・・・
(第二小隊、捕獲)
「マル・マル マル・ニイ、地下5階フロアー、クリアー、オクレこれよりさらに地下階層へ進入する。」
「マル・ニイこちらマル・マル、地下5階フロアー、クリアー、地下層進入 了」
第二小隊と本部とのやり取りがされる。
クリアーをした場所としてない場所を区分けする為、特殊な塗料の入ったボールを投げ込みながら奥へ入っていく。
(防犯ボールみたいな物で、床に叩きつけると簡単に割れ、無色透明で普通では見えないが暗視ゴーグルで見れば確認できる塗料)
さらに地下へ進むと、無線の音声が・・・
「マル・・・ マル・・・・・の報・・クレ・・・」
「マル・・・ マル・・・状況・・告・・・レ」
途切れ途切れになる音声しかも、肝心の呼び出し番号が聞こえなかった。
「ん?」
またか~・・・・・あそこの物は、特にこの手の物は値段は良いが、性能がな~・・・・は~故障か~・・・と思い、無線機の故障と判断し通信手が小隊長に報告する。
(今回の突入に使用している無線装置は、各ポイントポイントに設置しながら進んでいて、絶対に遮断する事は一切ないという保障付の防衛技術班の力作で、しかもその装置は非常に小さく見つかる可能性も無い為、まさか妨害されているとは思いもよらなかった。)
「小隊長、無線機の調子が悪いので、少し調整し様子を見るため時間を下さい。」
「・・・またか~・・・・たっく~こんな肝心な時に~・・・・よし!!わかった、すぐ直してくれ!!他者は周囲の警戒、かかれ!!」
「了解」
無線機の修理にかかる通信手、その周りを警戒する隊員達、
「ん????」
一人の隊員が人影らしき物を発見する。
「小隊長」
警戒をしながら小隊長を呼び小声で報告する。
「前方約50、入り口と思われる付近、人影らしき物、確認!!」
「本当か?暗視ゴーグルで見たから見間違えではないか?現在の反応は?」
「現在、反応ありません!!・・・」
と、その場所を特に注意して見る。
「各自の警戒範囲内で異常確認をした者はいるか?」
他の隊員達にも異常の有無を聞くが、その他の異常の返答はなかった。
(つづく)
「さっきはどうもありがとう、すっごく痛かったわっ!!」
と捕獲した人質が、先程銃口を突きつけていた小銃の床尾で頭部を殴った。
ガッツ!!
「クッ!!」
殴られた勢いを使って倒れるふりをし、ミルダ中尉の背後に回り込む、そして背後から拳銃を突きつけた。
「さて、先程の質問の回答がまだだったが?お前は誰だ?」
と、殴られた時に出来た頭の傷から血が出てきており片目を瞑りながら問いかける。
「あ~ぁ、まさか背後を取られるとはね~・・・やっぱり凄いじゃない!!褒めてあげないと!!じゃぁ~馬鹿にしたことだけは撤回してあげるわ・・・でもね私が誰かはいずれ分かる事だし・・・今聞かなくてもいいわよ~・・それに・・・・」
両手を上げ、ミルダ中尉は何かしようとしたが、通信機がなっている事に気が付き動きを止めた。そして、通信機を小隊長に取らせるように指示をし、ある画像を見せた。
ピィーピィーピィーピィーピィー・・・・
「ふふふ、ねえ?この通信機あなたあてに来てるわ、しかも画像つきで!!何もしないから取ってみて見なさいよ?」
警戒しながら銃口を逸らさずに奪うように無線機を取り液晶画面を見ると!!
「こっ・・・・これは・・・・どう言う事だ?何故だ???」
それは、建物周辺の道路を封鎖した隊員達が気絶し、大きな部屋で服を脱がされ壁に設置されたベットに手足を固定され、
頭にはコードが沢山付いたヘルメットを被り、胸にはスッポンのような透明な吸盤状の真ん中に針があって点滴のようにホースが左右に付いていて、股には前後を覆い隠すような大きな装置が付けられて、横一列に並べられている映像であった。
その画像を見て困惑する。まさか捕まるとは思ってもいなかった。
「精鋭と言われていた隊員達がこうも簡単に?なぜだ?・・・」
その瞬間、中尉に向けられていた拳銃が蹴られ中を舞っていた、と同時にイングラムの銃口が首に突きつけられていた・・・
「これで、私の勝ちね!!さ~あなたも、ショーが始まるまでの少しの間、寝ていてもらうわ!!目が覚めたときには驚くわよ!!
あっ、そうそう、言い忘れてたわ、こんな大きな音を出す物を建物に入れるのは非常識よ!!」
と言い非常ブザーを見せながら、麻酔銃の引き金を引いた。
パッシュ!!
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「あっ、あの~・・・中尉様・・・・先程はすみませんでした・・・・まさかここまでとは思わなくて・・・・」
申し訳なさそうに、片膝を地面に付き頭を下げる先程捕虜になっていた隊員が言う。
「ふふ、別にいいのよこれぐらい、それよりも大丈夫??はい、これ・・・すぐに処置した方がいいわよ」
と衛生キットを手渡す。
「あっ・・・・は、はい!!一応出血は止まっていますから・・・・大丈夫です。」
心配してもらったことが物凄く嬉しくて、顔を上げ笑顔で答えた。
「でも、今までとは少し違う相手だから気をつけないといけないわよ。
あっそうそう、忘れるところだったわ!・・・・ふふ、あの部屋へあれも持っていって準備をしておいてちょうだい。」
と、他の隊員にも聞こえるように倒れている小隊長を指し、その場を離れた。
「あ、ありがとうございます。」
ほんのりと顔を赤くし、中尉の後姿に敬礼をした。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
(つづく)
一人、また一人と隊員が消えていく中、第三小隊の小隊長は中に入った小隊に非常を知らせる為、非常ブザーを建物に投げ入れ撤退の報告をする。
ピーーーーー・・・・・
警報の鳴る音が建物内部に鳴り響く前に切れた事に気が付いたのは誰もいなかった・・・
警報ブザーを投げ入れ内部の部隊に報告したと思い、建物から出てきた時の援護をする為まずは、情報を得るために残りの隊員達と連携をとり、外周の安全を確保しながら、格闘の末、何とか一人の捕虜を捕獲した。
捕獲れれた、ミルダ中尉の隊員は足に被弾し出血しているらしく、片足を引きずって逃げようとするが、囲まれて逃げることが出来ない。
確認の為、全ての装備品を取られ、脱がされ、最後に被っている暗視ゴーグル付のヘルメットを取り、ライトで顔を照らそうとすると・・・・
パシュッ!! パシュッ!! パシュッ!!
「ウッ!!」「クッ!!」「・・・」
ドサッ!! ドサッ!! ドサッ!!
後ろから急に殺気がし、エアーの漏れる音が数回なり、捕虜を囲んでいた隊員たちが倒れた。殺気に気が付き撃たれる寸前に倒れこみ、慌てて拳銃を向けると、そこ見いたのはイングラムを片手に暗視ゴーグルを付けたミルダ中尉が立っていた。
とっさに反応が出来たが、他の隊員は全てやられているみたいだ。
しかも、自分が今構えているのはSIG‐P220、装弾数は9発の薬室の1発で10発・・・
ただし、先程の戦闘で3発使用した為、残り7発・・・
対して相手が構えているイングラムM11、装弾数はあのマガジンの長さからして32発で薬室に1発の33発、連射速度は970発/分・・・・
しかも、防弾ベストらしい物を装着している・・・・狙えるのは首と鼻のわずかな部分しかない・・・
どう考えても歩が悪い・・・何か一瞬でも他の方へ気が向けば勝機がある可能性が・・・
と、何とかこの状況を打開し、助けなければ・・・・・と思う小隊長。
「・・・・お前は・・・・・誰だ?」
「くすくす、凄いわねあなた、初めてよ!!まさか私の隊員を捕まえるなんて!!
しかも、ここまで早く反応ができるなんて!!
そうだわ、何かご褒美でもあげないといけないわね!!
さー、何がお望み?言って御覧なさい?」
ミルダ中尉が薄ら笑いをしながら、質問とまったく違った回答を、瞬き一つせず銃口を微動だにせず言い返す。
「馬鹿にするな!!質問に答えろ!!もう一度聞く、お前は誰だ?
今すぐにでも引き金を引けるんだぞ!!」
あまりにも馬鹿にした言い方に、ついかっとなって冷静さを失い怒鳴ってしまう!!
「は~・・・あなた・・・今の状況が理解できていないのかしら?
は~これだから、嫌なのよね~あなた達みたいな単純なのと相手するのは・・・」
失望した表情で、またも見下した言葉で言い放つ中尉、
「・・・お、俺を馬鹿にするのはいいが、部下達を馬鹿にしたのは撤回しろ!!」
冷静を保とうと必死にこらえ、心を落ち着かせながら答える小隊長、だが次第にその挑発により、少しずつ冷静さを失っていく・・・
そして、ついに
「あなた、さっきから私の方だけに銃口を向けるのはいいけど、私に気が付く前は何をしていたのかしら?」
と言うミルダ中尉の忠告にハッとし、後ろを振り向こうとした時、背中に別の銃口が突き刺さった。
(つづく)
・・・・・・・・
悩んだ挙句、小隊長は保険であるもう一つの通信手段をとる。
「では、現在使用している無線を放棄、これからは有線に変更、準備にかかれ!!」
万が一の為に、突入小隊は直径2ミリほどの通信線を、フロアーを索敵しながら引っ張っており、確実に通信が取れる様、無線通信が一定時間不通になれば切り替える事になっていたが、線を切られたり、途中で分線され別の送信機に接続し傍受されてしまう可能性があり、極力使用は避けたかった。
有線電話を使用したとしても依然として、有線である為、本部との交信は出来ないのに変わりはなかった。
想定していない事態に、対応に追われる隊員達。少しずつだが、焦りの色が見え始めてきた。
建物の一室では、隠しカメラで外の様子を確認しているミルダ中尉とその部下達
「ふふふ、困ってる、困ってる、まさか最新鋭の通信設備が使用できなくなるとは
思っても見なかった事でしょうね・・・・
最新鋭といったって、私達の技術にとって見れば足元にも及ばないけど・・・」
そこに、待ちくたびれた彩少尉から無線連絡が入る。
「ねぇ~ミルダ~まだやらないの、外のイタズラの状況が見えるあなた達はいいけど、
建物内の私達は先に入ってきた、一団体には伊集院様が手出しするなって言われているし、他に何の変化もなくて退屈なのよ!!も~待ちくたびれちゃったわ!!・・・早く終わらせて、お遊びしたくて我慢できないんだけど!!」
外の様子が音声でしか分からない彩少尉からの催促だった。
「はいはい、も~分かったわよ!!もう始めるから・・・・確かに、あんましここで油を売っていると伊集院様にも怒られそうだし・・・・・・
そろそろ始めちゃおっか? あ~ぁ、もうちょっとどんな反応するのか見ていたかったんだけどな~・・・」
と、現在の技術では作ることの出来ない装備を身に付けた第三小隊の隊員達に号令をかける。
「さ~ぁ、お遊戯の時間よ!!早いとこ捕まえちゃいましょ!!」
ミルダ中尉が言うと隊員達は一斉に持ち場へ消えていった・・・
「ふふ、同じ第三小隊か~・・・・相手になってくれればい~んだけど・・・」
(その頃、もう一方の第三小隊では・・・・)
通信手が有線電話に切り替え作業にあたる中、急に建物周辺の空気が変わりはじめた!!
何か刺さるような視線の様な、重く伸し掛かる空気に、色々な疑問を持ちつつ警戒に当たっている隊員達。隊員達の連携にミスが出始め、ついに緊張の度合いがピークに達した時、
火蓋が落とされた。
突然!!
「ガサガサ、ガサガサ、ガサガサ・・・・」
と草むらで何かが動いた。
警戒中の隊員が拳銃を構え、暗視ゴーグルを下げたとたん、一匹の野良猫がねずみを追いかけて走っていった・・・
「ふ~・・・猫か~・・・脅かすなよ~・・・」
拳銃をホルスターヘ収め小銃に持ち替え、ほっと気を抜いた直後・・・・
隊員の真後ろで殺気が!!慌てて振り向きざまに拳銃に手をかけようとするが・・・
パシュッ!! パシュッ!!
と音がすると同時に、首筋にかすかな痛みが・・・・
「クッ!!」
ドサッ!! ドサッ!!
ミルダ中尉の第三小隊の隊員が報告する。
「中尉、二名捕獲しました。」
その後、続々とミルダ中尉に捕獲の報告がされた。
(つづく)
突入した建物の外では・・・・・
(第三小隊、捕獲)
建物周辺を警戒し、突入隊が建物に入って少し時間が過ぎた時、無線機の音声に異常が出始めた!!
「マル・マル マル・ニイ、・・階フロアークリアー・・ザザー・これから・・・」
「マル・ヒト マル・マル、・・・・地下通路・・・・・」
「・・・マル ・・・・ト、もう一度オク・・・・・」
「・・・ザザザー・・・・・」
「・・・・・・・」
突然、無線にノイズが入り込み通信が出来なくなった。
「マル・ヒトこちらマル・サン状況オクレ」
「マル・ニイこちらマル・サン状況オクレ」
「ザザザー・・・・」
第三小隊に、緊迫した空気が流れた!!
「小隊長、連絡が取れません・・・」
無線手が無線機を調整しながら、困惑した表情で小隊長の指示を待つ
「もう一度、第一、第二小隊に応答を!!」
「了解!!」
「マル・ヒトこちらマル・サン状況オクレ」
「マル・ヒトこちらマル・サン状況オクレ」
「マル・ニイこちらマル・サン状況オクレ」
「マル・ニイこちらマル・サン状況オクレ」
「マ・・・・ マル・・・イ・・・状況報告オク・・・」
「・・・サ・ ・ル・ヒト・・・どうした・・・」
「・・・・何・・・・ガッガッガーーーーーザザザザーーーーーー」
ヘッドフォンの片側を手で押さえながら何度も調整している通信手が小声で早口で、
「小隊長! 駄目です!通信途切れました!!」
と・・・
「なら今の状況を本部へ報告、そして今現在 建物内の各小隊の状況を聞いてくれ!!」
部下に不安な心境を悟られない様、表情に出さない様、眉間にしわをよせて鉄帽のあご紐を指でクルクルと触りながら無線手の報告を待つ・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「小隊長!!おかしいです!!本部との連絡も通じません!!」
慌てた様子の通信手が報告する。
(つづく)
そして、作戦当日
作戦会議室では、最後の朝礼がされていた。
「今回は初めての実戦だ!!だが、緊張する必要はない!!
我々は、この日の為に日々苦しく困難な訓練に耐えれた特別な隊員だ!!
いつもの訓練と同じ様にやれば必ず成功できる!!
何があっても絶対にあきらめるな、ここが我々の帰る場所だ!いいか!!」
隊員全員の顔を見渡し、
「よし!以上!!出発!!」
出発の号令と同時に、敬礼し各隊員達は車両へ乗り込む。
「マル・マル(無線連絡時の本部名称)こちらマル・ヒト(無線連絡時の1小隊の名称)現在時、マル・サン・サン・マル現着、状況開始する、オクレ」
「マル・ヒトこちらマル・マル、現着、状況開始、了」
作戦が実行された・・・・
建物周辺の道路は全て閉鎖され、外周封鎖班は警察の格好をした隊員と、工事関係者の格好をした隊員に別れ、ガス漏れ事故を装い建物の一角全てを封鎖していった。
「こちら(株)クリーンサービス(封鎖班の事)本日の営業はこれで終了!!(封鎖完了を知らせる暗号)」
封鎖班が各小隊とライフラインを切断する班に連絡を入れる。
「閉店確認!!注文の作業に入る。」
ライフラインを切断する班から連絡が入り、少しすると
急に、信号や街燈が消え、あたり一面暗闇に包まれた。
片目に暗視ゴーグルを下げた第一小隊隊員が物音をたてずに建物の窓ガラスを素早く、円カッターを使って切り鍵を開ける。
一人がその窓から侵入し、中から入り口である扉の施錠を開け第一、第二小隊が進入していく。
残りの第三小隊は、外での後方支援
すべてが上手く行くと、隊員達は思っていたが・・・
「ふふ、やっとお客様が来たわね、もう少し手際がいいのかと思ったんだけど・・・。」
笑みを浮かべながら伊集院はモニターで、その様子を見ていた。
(つづく)
対テロ策戦部隊、この部隊の特徴は、各隊員個人、個人に最大限の権限が渡されており、どんな事態でも迅速に行動が取れる様に武器の使用に対しての許可等すべての制限が事後報告となっていた。
ただその反面、隊員一人一人に対して求められる技量は非常に高く、選抜試験の基準が厳しすぎ予定数の隊員の確保ができなかった。
(実は、伊集院の手の回っている議員や官僚などが部隊創設阻止の為に募集隊員の基準をわざと上げられていた。)
前日の挨拶の件もあり必死で貴博は策を練ったが、どうやっても本人が想像していた部隊運営を可能にする人材と人数を集める事は出来なかった。
急遽、小隊編成をし直し小隊の人数を少なくし、貴博と一洋も小隊長を兼任する形で何とか訓練が出来る様になった。
そして、数ヵ月後
今では、各小隊単体で、仮想国の敵部隊の一個連隊を相手に出来るほどに上達した。
また、新システムの導入により、本部と各小隊とでより詳しい情報が送受信できるようになり、連携がより確実なものになり、効率のいい作戦が出来、少人数、少数部隊での行動が可能となった。
そして、数日後に作戦実行日が決まった。
作戦会議室に関係大臣と隊員が集まり、概容が報告がされる。
「明朝マル・サン・マル・マル本部発」
「マル・サン・サン・マル現着」
「マル・サン・サン・ゴウより各道路、各建物回線封鎖」
「マル・サン・ヨン・マル突入」
「マル・ロク・マル・マル撤収」
「以上が大まかな予定だ・・・・・」
突入経路や突入小隊順、近隣への被害予想と金額が説明がされ、作戦会議が終了
その後、隊員のみが残され解散となった。
「辛く厳しい訓練に諦めず、脱落者を一人も出さずに本当に良く耐えてくれた!!自分が出来る事と言えば、これぐらいの事しか出来ないが・・・・」
と隊長がいい、隊長以外の全隊員の階級を一階級昇進させた事を報告をし、一人一人に階級章を手渡していった。
(この作戦会議の情報もある人物が数分後に伊集院へ報告していた事は隊員全員は知る由もなかった・・・)
報告を聞いた超上機嫌な伊集院は・・・
「ふふふ、ふふふ・・・・・楽しみね~♪・・・・こんなに良い人材をプレゼントしてくれるなんて・・・・なんて利用しやすい人なんでしょう・・・・あ~、早く本物を見たいわ~♪・・・」
笑いを堪え、資料を見ながらこれからプレゼントされる(進入してくる)隊員をどんな風にしようか想像しながら、
「あなた達はどれが欲しい?この資料を見ておくといいわよ~♪・・・・・」
と、大きなマル秘マークが押された、数枚抜かれた写真入の経歴書を二人にも渡し、
「そろそろ、準備をしないと間に合わないわね~♪」
と、嬉しそうにミルダ中尉と彩中尉に言う。
「Y E S S A !!」
と、敬礼し二人は資料を手にし自分らの持ち場へと消えていった。
(つづく)
「そう、あれは、数ヶ月前の出来事から始まった。」
特警隊員の女装人形化事件が報道で流れ、自分の部隊でも大きな騒動になり緊急対策会議が開かれた。
そこで、偶然、友人の名前を耳にすることになるとは・・・
そう、なんと被害者の一人が、友人の慎一だったと言う事を知った。
慎一とは合同訓練で知り合い、各部隊をどのようにして連携を採っていけばうまくいくのか、とことん議論をしあった中で、職場は違うが、同じ志を持った仲間であった。
しかし、今現在はフランス人形みたいにドレスを着、女性化されている姿で、ある研究所で治療しているみたいで、しっかりとした情報は入ってこなかった。
その後の噂で、入院後、数ヶ月たっても改善どころか治療の方法すら、まったく見つからない・・・
慎一の敵を討つ為、謎の犯行組織の壊滅作戦等には積極的に参加アピールをしていた。
どこから情報を仕入れたのか分からないが各マスコミが事件の事を騒ぎ始め、
ちょうど当時の内閣は、選挙戦が近かった事から、表向きに国直属の対テロ策戦部隊を創設した。
(実は、政府にも伊集院の手が回っており部隊創設に力を入れていた議員の情報や、部隊の情報はすべて漏れた・・・)
(後に、反対を押し切ってまで創設にかかわった議員が行方不明になった事は言うまでもないが・・・)
自衛軍の対テロ策戦部隊創設初日、部隊の指揮を執る為に姿を現したのは、自ら熱望して部隊長に就任した貴博であった。
着任式当日
大臣からの任命を受ける為、大臣室へ・・・
部屋の前で今一、度身だしなみをチェックし副隊長と横に並び
コンコン、
ノックをし、直立不動の姿勢で
「対テロ策戦部隊、隊長2等陸佐 三陸 貴博!! 同じく副隊長3等陸佐 大空 一洋!! 任命を受ける為、参りました。」
「どうぞ!入ってください。」
と、言う声が・・・・
しかし、いつも聞いていた大臣の声ではなく、二人が顔をあわせ「?」と首をかしげた。
大臣室に入り、声の主を確認すると、そこにいたのは副大臣でもなく政府の補佐官であた。
「大臣は?」
と、隊長が聞くと、補佐官はこう答えた。
「本日、大臣と副大臣は他の場所で要人との会合がございまして、任命式は私が行うことになりました。」
国を上げてのプロジェクトのはずで、任命には国のトップである大臣、何があったとしても、副大臣が行うのが普通で、今回の扱いに不満な顔をしながら、頭をかきながら
「ま~、いないなら仕方がありません、だったら、そのまま早く任命状だけでいいのでを頂けませんか?」
と補佐官に言い、受け取った。
「では、われわれはこれで部隊へ戻ります」
頭を下げ、部屋を後にする・・・
部屋に残った補佐官は少し苛立った表情で
「たかが、一国家公務員が大きな顔をして・・・・予算を握っているのは僕達なんだぞ!!」
と、そばにあったゴミ箱を蹴った・・・
(その後、偶然に蹴った姿を掃除のおばちゃんに見つかり、こっ酷く怒られたのは言うまでもない・・・)
帰りの車両の中では、二人で、この扱いに対しての不平不満を言っていた。
隊長 「まさか、今回の任命状を補佐官から受け取る時代になったとはね・・・」
副隊長 「われわれの部隊はそこまでの物なんですかね」
隊長 「それにしても、副大臣まで一緒に同席するまでの要人と言うのは一体、誰なんだ?」
副隊長 「今月は、そこまでの重要な要人が入国した形跡はありませんし、どこかのトップが来たとしても、副大臣まで同席するとは・・・・」
隊長 「ま~、なんだ・・・・・初日がこう言う扱いをされたという事は、表向きは良い事を言っていても、本質は期待されていないと言う事だ・・・これからの行動次第で評価を上げていかなければならないな・・・・・・・・」
少し沈黙の後、
隊長 「・・・・・今回の任務・・・・・思った以上に、厳しい任務になるかも知れんな・・・・・」
これから起こる惨劇も知らず、彼らはあまりにも大きな組織を相手にしてしまうのであった。
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃、大臣と副大臣は、とある人物に呼び出されていた・・・・
(つづく)
タ・タ・ターン・・・
タ・タ・ターン・・・
タ・タ・ターン・・・
今、一人の女性がかつて仲間であった自衛軍に追われ逃げている。
「ハァー・ハァー・ハァー・ハァー・・・・・・・・」
傷を負った彼女は物陰に隠れ、これからどうしようか混乱していた。
「何で分かってくれないの?」
「何でなの・・・・」
「どう説明すればいいのだろう・・・」
「私に攻撃するなんて・・・」
「やっぱり、もう無理なの?」
「これからどうしよう・・・・」
すべてに対して不安でいっぱいだった・・・
「まずは、負傷した傷口を止血する為、このハンカチで止血しないと・・・」
だが、思ったよりも損傷が酷く、出血も酷く貧血状態に陥っていた。
何も考えられない・・・・・・・・・・・・・・
目の前も霞んで見えにくい・・・・・・・・・・・
このまま気を失った方がどれぐらい楽なんだろうか・・・・・・・・・・・
だが、身体は勝手に壁に肩をズルズルと引きずりながら、今までの訓練で培ってきた精神力のみで必死に逃げる。
下水道に逃げ込み、数時間が過ぎようとした頃には、彼女の体力はすでに限界を超えていた。
カツッ・カツッ・カツッ・カツッ・カツッ・・・・
誰かがこっちへ来る、逃げなければ・・・
だが、必死に身体を動かそうにも言うことを聞かない。
「・・・誰か・・・来る・・・」
必死になって倒れながらも、腕だけで身体を引きずり逃げている。
ゴッツ!!
と、その時、何かにぶつかった
恐る恐る上を見ると、髪の長い女性が立っているではないか!!
「えっ!!」
と驚くと同時に、後ろからも女性がきて、
「はぁ~あ~い!!」
と片手を振りながらこっちへ向かってくる。
「さすが伊集院様が言っていた通り、予定通りね!!ミルダ!!」
「ええ、それにしても気を抜きすぎではないの?」
「大丈夫、大丈夫!!だって、ちゃ~んと護衛はいるよ!!」
「まっ、そうね、お自慢の第二小隊の殺気が感じられるし」・・・・・・
と、何を言っているのか分からず、段々と声が小さくなりその後の記憶が・・・
(つづく)
12月より
女人化研究所さんの掲示板にて強制女人化のお話を書き込みさせていただきました。
そのお話を少し手直しして、このブログに掲載いします。