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伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (27) アンケート

「はぁ~い!!」

こっちに気が付いたみたいで、車の窓から身体をだして手を振る彩

(あっ!彩さんだわ!!)

手を振り替えし、走って車の止めある方に走っていく雅憲。

「ごめんなさい・・・待ちました?」

「そんな事ないわよ!今来たところ・・・」

先程まで、にこやかに手を振っていたかと思いきや、急に表情が冷たくなり、身体を近づけ耳元で囁いた。

「それよりも・・・・ちゃ~んと言いつけ守れたみたいね!!ふふっ・・・」

チクッ!!

(ふふっ・・・無痛針だから気が付く事はないわね・・・)

「えっ?」

「ふふふ・・・私や伊集院様の事は言わなかったでしょ・・・」

なぜ、事務所での会話を知っているのか不思議に思い、弁当を配達に来た時の急変した彩の事を思い出し、不安になって中途半端に返事をしてしまった。

「えっ?・・・・あ・・・・あ、う・・・うん・・・」

「ふふふ・・・驚いた~」

雅憲の驚いた表情を確認して、急に笑顔で話し始める彩

「でも~・・・・・あー見えて、伊集院様って物凄く鼻が良いから~・・・それに・・・約束を破ると怖いわよ~・・・」

「えっ・・・・そっ、そうなんだ~・・・」

(まさか、あの人が~・・・怖いって言っても・・・たいした事ないだろう~・・・・)

伊集院の裏の顔を知らない雅憲は、彩の怖いと言う言葉を甘く考えていた。

「ええ・・・知らなかった~?でも約束さえ守れば物凄く優しいわよ!!ふふふ、特に貴女の事、気に入ってるから」

(えっ?気に入ってるって・・・俺が?・・・ふ~ん~・・・・なんでだろう・・・まっ、いっか~・・・)

伊集院達が雅憲のことを男としてではなく女として見ていた事を、彼はまだ知らなかった。

「じゃっ・・・行きましょうか?」

「うん・・・」

「あっ!!そうそう、そう言えばアンケートを・・・・」

そう言い、封筒からアンケート用紙を取り出した。

「アンケート?」

いったい何のアンケートなのか見当が付かなく、聞き直す雅憲

「そう、今日の昼食のアンケートよ!!これから各地での展開も考えてるみたいだから・・・」

「ふ~ん~・・・別にアンケートとらなくてもいい味だったけどな~・・・」

そう言いながら、内容を読み始めた。

(ん~・・・なになに?・・・弁当を食べて変わった味はありませんでしたか?・・・・

別に何も気にならなかったよな~・・・

とくに無しっと・・・

え~っと次は、・・・・味噌汁について・・・・

ふんふん・・・・・

味噌汁の具材に気になった物はありますか?

ん~・・・味噌汁か~・・・・そう言えば・・・大根のような~ジャガイモのような~・・・ん~・・・なんだったけ~・・・あの味・・・ちょっと苦味があったような~・・・

っと・・・で、これが最後か~・・・・

え~っと・・・最後に、この弁当を食べて身体の異変はありましたか?

え?・・・なんか・・・まずいものでも入ってんの・・・

ん~・・・そう言えば・・・食べ終わった後に身体が熱くなったような気がしたけど・・・あれは気のせいだよな~・・・ん~・・・

まっ、特に無し・・・っと!!これで~・・・)


「彩さん、アンケート書き終わったけど、どうすればいい?」

「あっ、書き終わったなら、さっきの封筒に入れておいて・・・」

「うん・・・分かった・・・」

(なんだか、眠いな~・・・)

「ふわ~あ~・・・」

口に手を当て、大きなあくびをする、雅憲

「まだ、時間かかるから寝ててもいいよ~」

「そんなの助手席で寝るのは運転手に悪いから、良いよ、起きてるから・・・」

(でも・・・なんでだろう・・・ま・た・・・・こ・・・・の・・前・・・み・・たいに・・・眠・気・・・が・・・・)

「スースースー・・・・」

寝息を立てながら寝てしまった雅憲、それを確認した彩は、

(ふふふ・・・寝たわね・・・・ゆっくりお休みなさい・・・・)

睡眠薬を打たれた事に気が付いていない雅憲、今度この車に乗る時には・・・

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・

伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (26) 弁当の効果!

ガサガサ・・・・

汗をかきながら、机の上に集めた資料などをまとめて、鞄に入れている所長。

(なんだろう・・・やけに今日は暑いな~・・・でも・・・気温はそんなに高くないし・・・風邪ひいたかな~・・・身体が火照ってるみたいだし・・・・)

パソコンの電源を入れ、指紋認証やらカードリーダーでなにやら操作をしている。
電話をかけ誰かと話をしているが、聞いただけでは理解が出来ない内容で、時々暗号のような言葉を使っているようにも思えた。

「よし!!これで何かあっても大丈夫!!」

最近、政治献金の訴訟を受けてから、毎回この事務所を出る時、電源を切ったパソコンを前にして、そう言いって出て行く。不思議に思ってこの際なので聞いてみた。

「所長?いつも何してるんです?出る時は毎回・・・・」

「ん?ああ、これか?・・・これはな~・・・・もし万が一、俺に何か遭った時にでも対処出来る様にトラップみたいなものを設定して・・・・」

「ふ~ん~・・・そうなんですか~・・・なんだか大変そうですね~・・・」

これ以上聞いてしまうと、なんだか厄介な事に巻き込まれそうだと思って聞き逃そうと返事をした。

「ははは・・・・ま~ね~・・・・おっと・・・じゃあ・・・行って来るから・・・後は頼むよ・・・後~・・・試験まではお休みで会えないから、今言っておくよ!!・・・試験頑張って!!」

「あっ・・・ありがとうございます・・・」

そう言って、忙しそうにして所長は出て行った。

「ふ~・・・さぁ~て・・・参考書を見て・・・後、数時間経てば・・・・」

昨日の装置にかかった感覚を思い出し、ウキウキとし始める雅憲。

(それにしても今日は特に暑いわ~・・・そう言えば所長も汗かいてたみたいだし・・・・エアコンでもつけちゃおうかしら~・・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「これで、よし!!後は、入り口の戸の鍵を閉めて・・・・」

事務所の戸締りをして、急いで昨日約束したお店に向かった。

(待ってるかな~彩さん・・・待たせちゃうのはまずいわ~・・・あれ?あの車は・・・・)

すると店の前には、彩が車に乗って待っていた。

伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (25) お値打ち弁当

「所長!!弁当来ましたよ!!」

所長に弁当が来たことを言いながら、保温箱を開けると・・・

「うわ~・・・ご飯と、おかずが違う箱に入ってる~・・・しかも量が多い・・・」

思っていた弁当と違って、豪華でボリュームが多く驚いていた。

「へ~・・・凄いじゃ~ないか~・・・これなら毎日頼んでもいいかな~・・・」

弁当箱を開けて、内容に驚いている雅憲の後ろから覗くように見ていた所長が言った。

「凄いですよ!!・・・ワンコインでおつりまで出るんですよ~!!今までのコンビニ弁当じゃ~絶対に考えられないですよ~!!」

「うん!ホントだ!!それにしても、良い弁当屋見つけたな~・・・・・」

ボリュームと値段に感心して、満足そうに弁当を見ている川西弁護士
ふと、何かを思い出したかのように雅憲を見て、

「そう言や~さっき、その弁当屋と何か親しそうに話していなかったか?」

「えっ・・・・?そっ・・・そうですか~・・・ただ・・・知っている人に似ていたので・・・・」

先程の彩の言葉が頭に浮かび、それとなく誤魔化したが・・・

「ふ~ん~・・・・で・・・その人は、知人ではなかったんだ・・・」

「えっ・・・ええ・・・」

「そっか~・・・ま~それより、早くお昼にしようか~・・・これだともう、レンジが必要なくなるな~・・・」

おかずの入った弁当箱と、ご飯の入った弁当箱を手にし、椅子に座った。

(????)

「そう言えば、この水筒みたいな物は何でしょう?」

二人ともが弁当箱を取って、保温用の箱には水筒みたいな物が残っていた。

「そうだな~・・・なんだろう・・・」

「ちょっと、開けてみますね!!」

「うん・・・」

カパッ!!

「しょっ・・・所長~!!」

「どうした?なんだ、その驚きようは!!」

「みっ・・・味噌汁が・・・」

「へ~・・・味噌汁付きでワンコインか~・・・・こりゃ~物凄くお値打ちだな~・・・」

「味噌汁まで付いてるなんて・・・・凄いです!!」

(伊集院さんって・・・なんて良い人なんだろ~・・・)

ますます、伊集院の事を好印象に思う雅憲だった。

「あっ!!じゃあ、お椀ないんで、コップに入れますね・・・」

「うん・・・お願い・・・」

驚きの連続が続きながらの昼食だった・・・・

伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (24) 彩のお仕事って?

「雅憲君、頼むわ~・・・」

「はい、はい、はい、っと~・・・」

そう言い、雅憲はインターホンの受話器を取りに行った。

カチャッ!!

「はい、河西法律事務所ですが・・・」

「昨日伊集院様より注文があった、お弁当を・・・・」

「あっ!!はいはい・・・お願いします・・・今、玄関の戸を開けますので・・・」

(?・・・どっかで聞いた声のような・・・・)

カチッ!!

「こんにちは~・・・・○○弁当です~・・・」

「えっ?なんで・・・君が?」

そう・・・そこにいたのは、昨日会っていた彩だった。

「ふっふっふ~・・・・驚いた~?私ここでお仕事してるの~・・・」

「へ~・・・そうなんだ~・・・あっ・・・そうだ、そうだ!・・・所長に~・・・」

そう言って、所長に彩を紹介しようとしたが、

「ごめ~ん・・・まだ配達あるのよ~・・・」

両手を合わせ合掌して誤る彩、

「そっか~・・・仕方ないね・・・じゃ~・・・また・・・あっ、そうだ!!きょ・・」

と、今日の事を話そうとした瞬間、彩の表情が急に変わり、気が付くと耳元で・・・

「昨日の事は言っちゃ~駄目よ・・・それに、これからの事も・・・くすっ!私の事も言ったら・・・・もし~・・・・だったら解るわよね~?ふふふ・・・」

人が入れ替わったかのような感じで、冷たい感じの威圧感を出して囁かれ、何が何だか分からなく、

「えっ・・・・あっ・・・・う・・・うん・・・わかった・・・・」

「ふふふ・・・・じゃあまた、明日来ますから・・・よろしくお願いしますね・・・」

そう言って、彩は戻っていった。

(さっきは、何だったんだろ~・・・一瞬、彩さんじゃない様な気が・・・怖かったな~・・・)

「まっ・・・いいか~・・・・あっ・・・弁当・・・持っていかなきゃ・・・」

彩に、手渡された弁当の入った箱を持って、事務所に戻っていった。

伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (23) お休みを・・・

「あっ、そうだ・・・今日も夕方から依頼者と打ち合わせがあるから、昨日と同じで終わったら事務所を閉めて帰ってくれ!」

「そうですか~・・・わかりました・・・で、所長~・・・」

「ん?」

「もうそろそろ、試験なんでお休みが~・・・」

「そうだな~・・・試験まで後・・・約一週間か~・・・うん!!いいよ!!試験までは何とか一人でも出来そうだし・・・それに、今度こそ受かってもらわないと・・・」

「ありがとうございます!!今回こそは絶対に合格できますって!!」

「ふ~ん・・・まっ!!頑張ってちょうだい!!」

「あっ・・・・所長!!今言った事信用して無いでしょ?」
「ん~・・・・今までの事を思うとな~はっはっはっはっはっはっは~」

笑いながら、席を立って他の部屋に行ってしまった。

(フ~ン~だ、フ~ン~だ!!・・・・あたし、今回は絶対に合格できるもん!!・・・・あっ!!そう言えば・・・お弁当の事言うの、忘れてたわ・・・)

所長が部屋に戻ってくるのを待って、お昼の事を言った。

「所長!!そう言えば、昨日良いお店を見つけて・・・・」

「また、始まったな~・・・で、今回はどんな美人?」

「も~・・・違いますって・・・・」

「あっ・・・違うの?」

「ええ・・・いつも、お昼は、近くのコンビニ弁当ですよね~・・・」

「あ?うん・・・そうだな~・・・」

いったい何を言い出すのかと思いきや・・・まさか、昼食の話をするとは思っもおらず、呆気にとられる河西弁護士、

「毎日コンビニ弁当だと身体に良くないと言うか、栄養の偏りが・・・・」

「へ~・・・そんな事考える様になったんだ・・・」

いつもは、安くて量が多ければ良いという考えを何度も言って来た雅憲、ここに来て急にこの様な事を言うのには何か訳が有るのではないかと疑いざるを得なかったが、今の仕事が忙しく、面倒事になりそうだったので、そのまま聞き逃してしまった。

「ええ・・・って・・・そうじゃなくて・・・事務所まで配達してくれる、お弁当屋さんを見つけたんですよ!!しかもその価格が!!」

「手っ取り早く言うと、弁当をコンビニまで買いに行くのが面倒くさい・・・だろ?」

「ちっ、違いますって・・・・毎日の栄養と食事代も考えて・・・」

「ふ~ん~・・・まっ!!良いけど・・・で・・・大丈夫なんだろうな?」

「えっ?何がですか?」

(まさか所長・・・昨日、伊集院さんの所に行った事がばれてる?いや、いくら感が良い所長だからと言って、そこまでは・・・)

「そりゃ~そこの店だよ!!食材に変なものが入っているとか・・・・」

(な~んだ・・・その事か~・・・・)

ほっとした表情で返答をする雅憲

「大丈夫みたいですよ!!今は、小さい弁当屋みたいですが、ゆくゆくはチェーン店化するみたいで、そのキャンペーンとか何とかで安いみたいで・・・」

「ふ~ん・・・・まっ・・・それなら良いけど・・・で・・・いつから注文すれば良い?」

「本格的に注文するのは来週からって言っていたので・・・・でも、今週はお試しとして、今日から配達してくれるんですよ!!」

「そっか~・・・ふ~ん~・・・でも・・・採算取れるのかな~・・・」

と、話をしていると、事務所のインターホンのチャイムが鳴った。

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