(あ~・・・ふわふわしてる・・・・これは夢?・・・・ここは・・・あっそうだ・・・学校・・・・・ここであたしは・・・・・あら?どうして、あたしって・・・・)
夢の中で周りを見渡すと・・・・
(あっそうか~・・・何勘違いしてたのかしら~・・・そうだわ、あたしはこの女子高に入学して・・・・そうだ・・・・・・・えっ?・・・・そうだったかしら?・・・・あたし・・・えっ?・・・いや・・・・ぼ・・・く・・・は・・・・あ・・れ・・・じゃあ・・・こ・・れは・・・なに・・?)
ピーピーピー
開発装置のブザー音がなった。
「どうした?何があった?報告して!!」
ブザー音に気が付き隊員達に、状況報告させるミルダ中尉。
「はい!!現在、脳内女人化をしていたところ、基の記憶の方が突然に出始めてきて・・・」
慌てながらも、確実に操作パネルを押しながら報告する隊員達。
「それで、異常は?」
「女人化プログラムだけでは脳内を変える事は無理みたいです・・・」
「こちらも、女人化意識が薄れ始めてきました・・・」
「このままでは・・・」
色々な方法で対策をしている隊員達だが、一向に女人化が進まなくなって慌てている。
「そう・・・・プログラムミス?いや、それは無いと思うわ・・・それとも・・・・分かったわ!!仕方ないけど、あの薬も投与しましょ!!」
そう言い、すぐに点滴の用意をさせる。
「用意でしました!!」
点滴の準備をし、腕に針を刺して固定し後はチューブを押さえてある器具をずらすだけにして、ミルダ中尉に報告する隊員。
「そう・・・多少、外見が変わるけど何とかごまかさないとね・・・いーい!!分かったわね?今後、この子に身体の異常を聞かれても、不審がる様な答えはしない様に!!今までの行為を無駄にすれば、伊集院様の事だから・・・・分かるわね?」
怪しい笑みをこぼし、作業している隊員に注意を促しながら、点滴の器具の押さえをずらし、女人化薬を雅憲に送り込み始めた。
「Y E・・・・・Y E S ・・・・S A !!」
その言葉を聞いた隊員達は、緊張のあまり身を震わせ、返事をした。
そう、ここで作業している隊員は実は、最近伊集院の手によって女人化させられた自衛軍の隊員達であった。
(いっ・・・・嫌よ・・・・・今度は何をさせられるか・・・・し・・・失敗しなければ・・・良いんだから・・・・で・・・でも・・・もし・・・あたし達・・・ミスしたら・・・売り飛ばされるのかしら・・・・)
恐怖で、顔を引きつかせながら作業をする隊員達。
「ふふっ・・・・いいわね~その表情・・・・伊集院様に見せたかったわ!!・・・・」
腕を組み聞こえるように言うミルダ中尉。
「おっ・・・・お願いです・・・あたし達を見捨てないで下さい・・・何でもしますから・・・もう・・・ここでしか生きられないの・・・」
「ふふっ・・・・だったら、この子の女人化を成功させる事ね!!」
「は・・・・はい・・・・」
女人化させられる前では考えられない程、弱々しく返事をする隊員達。
(ふふっ・・・・この子達もそろそろ完全に女になる頃ね・・・今度の部隊編成から実戦で使えそうね・・・楽しみだわ!!)
「さて・・・彼女はどうなってるかしら?」
「はっ・・・・はい・・・・数値は落ち着きを取り戻し始めました!!」
「ふふっ・・・・そう・・・・じゃあこれでまた、楽しい夢の続きを見れるわね!!」
(あ~・・・・なんだろ~・・・・身体が・・・・熱い・・・でも・・・気持ちいい~・・・・あれ・・・あたし・・・・さっき、何を考えてたのかしら・・・・?・・・・思い出せない・・・・なんだったのだろう・・・・・・あっ!!思い出した!!あたしの学生時代の思い出・・・・あたしは念願だった女子高に合格して・・・・)
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
「そろそろ終わる頃ね・・・」
モニターで脳波等を確認しながら隊員達に確認するミルダ中尉、すると、
プシュー・・・・・
能力開発装置のプログラムが終了し、頭の上にある装置からエアーが噴出し雅憲の頭から離れていく。
「うっ・・・・・う~ん・・・・」
すがすがしい様子で、腕を上に上げて背伸びをする雅憲
「どうだったかしら?」
「ええ・・・今回も物凄く良かったです・・・・」
「そう・・・・よかったわ・・・」
(ふふっ・・・後、数回もかかれば、止められなくなるわ~・・・そうなれば・・・)
「でも~・・・・」
「何かあったのかしら?」
「ん~・・・・別に特には無いんですが、また同じ様な夢を・・・・」
「夢?」
「はい!!何故かまた僕が女になっていて・・・・」
「くすくす・・・・面白い人ね!!」
手で、口を隠し、くすくすっと笑うミルダ中尉、その姿を見て急に恥ずかしくなり、
「えっ?あっ・・・・は・は・は・は・は・は~」
恥ずかしそうに、頭に手を当てて笑う雅憲だった。
でも、確実に、あの女人化薬によって少しだけ胸やお尻が膨らみを増し、身体の変化が現われていたが、本人は一向に気が付かなかった。
と言うか、女人化プログラムによって自分の身体が元々女性ぽかったと、すでに書き換えられていた。
「さて・・・確認のテストをしましょうか?それが終わればお昼にしましょ!!」
「はい!!」
そう言い、昨日と同様に確認テストをし、その後、ミルダと食事をする事になった。
「ふ~・・・・お腹いっぱい・・・」
お腹を大きくし満腹感を満足しているところに伊集院が話しかける。
「ふふふ・・・沢山食べたみたいね・・・」
伊集院の横には、先程までいたメイドに代わってOL風の女性が立っていた。
「あっ!!はい・・・ありがとうございます・・・」
(あれ?いつの間に?)
「この後の予定だけど、良いかしら?」
スケジュール帳を開いて色々とチェックをしながら話す伊集院
「はい・・・」
「今日から、3回になるけど、何か異常を感じたら何でもいいから言ってちょうだい。」
「はい、分かりました。」
「それで、私も日中は他の仕事があるから、いなくなるけど・・・後の事は彼女に任せてあるから心配しないで・・・」
そう言い、ある女性を紹介した。
「ミルダ!!後、頼むわよ!!」
「Y E S S A !!」
そう言い、こちらに歩いてくる。
(あの時の・・・ミルダさんか~・・・・・彩さんも良いけど、ミルダさんも良いな~・・・・)
「ふふっ、これからよろしくね!!」
「あっ・・・はい・・・お願いします・・・・」
「色々と、話したい事がありそうだけど、時間が無いから早めに済ませましょ!!」
そう言い、雅憲を連れてあの装置の部屋に移動した。
ガチャッ!!
装置のある部屋に入って準備に取り掛かるミルダ、何時からいたのか分からないが、他にも作業服みたいな服を着た女性が装置のプログラムをチャックしていた。
パネルを操作しながら、ミルダが雅憲に
「早速だけど、昨日と同じ様に、その椅子に座ってもらえるかしら・・・」
「あっ・・・はい・・・・」
この部屋に入ってからなのか、非常に頭がぼんやりとして、早くあの装置にかかりたいと囁く、もう一人の自分が出始めてきた。
(ふふふ・・・やっと気持ちいい事が出来るわね・・・早くあの椅子に座りましょ~・・・貴方も分かってるんでしょ~・・・あの感覚・・・ふふふ・・・我慢できないみたいね・・・・ふふっ・・・ね~・・・だったら早くあたしと一緒になりましょ~・・・もっと、もっと今までに感じた事のない快楽が味わえるわよ~・・・)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
装置の椅子の前で呆然と立っている雅憲。その姿を見てミルダが声をかけた。
「どうしたの?気分でも悪いのかしら?」
ミルダの声に驚き、後ろを振り向く
「えっ???何か・・・言いました?」
何処からとも無く聞こえてきた声に気を取られミルダの話しかけた声に返事はした物の、
未だに焦点が合っていない雅憲
「ふふっ、どうしたのかしらね~?」
(ふふっ・・・脳内で新しい自分と会話でもしていたのかしらね・・・ふふふ・・・そろそろね・・・)
「・・・・誰かが、僕に話しかけたような・・・・気のせいかな~・・・」
先程の心の中の声を空耳だと言い聞かせ、装置の椅子に腰掛けた。
(ふふふ・・・そう・・・それでいいの・・・あたしと一緒になりましょ~・・・)
(あれ・・・まただ・・・なんなんだろう・・・この声・・・でも・・・何でだろう・・・物凄く落ち着くような・・・この声の通りにすれば良い様な・・・・・)
「じゃあ、装置を固定するわね・・・」
「はい・・・お願いします・・・」
(そうだ・・・・一緒になれば、もっともっと気持ちが良く・・・・)
身体に、電極の付いたコードを貼り付け、頭の上には大きなどんぶりみたいな機械が次々と用意され、準備が整った。
「髪の毛は大丈夫かしら・・・・どこか引っかかっている所は無い?」
「は、はい・・・大丈夫です・・・」
肩まで伸びたサラサラな髪の毛を、頭を振って装置に引っかかっていないか確認する雅憲、
「じゃあ、始めるわよ!!」
カチッ!!
ウウィ~ン~・・・・・・・
(あ~・・・昨日と一緒で・・・なんだか・・・・ぼ~っと・・・・・気持ちが・・・・・・落ち・・・・・着く~・・・・・)
(うふふ・・・生まれ変わりましょ~・・・・)
何処間かとも無く聞こえてくる声を頼りに深い眠りについてしまった雅憲
「ふふっ!!物凄く良い顔してるわね・・・・そろそろ寝た頃ね・・・・さてと・・・・早速、女人化プログラムを作動させましょ!!」
装置を操作している隊員に指示をして、プログラムを開始させる。
「YESSA!!」
ピピッ!!
「ニョニンカプログラムヲ、カイシシマス」
装置が、確認の音声案内をする。
「ミルダ中尉、女人化プログラム正常に作動しました!!」
女人化プログラムの作動を確認した隊員がミルダに報告する。
「そう・・・ふふっ・・・どんな子になるのかしらね~・・・・楽しみだわ・・・」
隊員の報告を聞き、微笑みながら、女人化後の姿を想像するミルダ中尉であった。
コンコン・・・・
(う~ん~・・・眠い・・・)
コンコン・・・・
(まだ時計のベルが鳴ってないんだから、ドアを叩くなよ~まだ時間・・・えっ?・・・ノックって・・・)
バサッ!!
飛び起きて、辺りを見渡す。
「あっ・・・そう言えば・・・昨日から伊集院さんのお屋敷で泊まってたんだ・・・」
コンコン・・・
(そうだ・・・さっきからの音は、部屋をノックする音だったんだ!!)
「はい!!」
「雅憲さま・・・・お食事の支度が出来ました・・・・」
「あっ!!はい、はい・・・今、行きます!!」
「はい・・・かしこまりました・・・・」
(夕食があれだけだったから、多分、朝食も凄いのかな~・・・・)
慌てて服に着替えて行こうとするが、着ていたパジャマのボタンが外れにくかった・・・
(あれ~・・・なんでだろう・・・・昨日、自分で選んだパジャマだよな~・・・・珍しいな~・・・・ボタンが反対になって付いているの・・・何で気が付かなかったのだろ~・・・)
そう思い、パジャマを脱いで服に着替えた。
「さっ・・・・って・・・今日もやるぞ~・・・」
脱ぎ捨てられたパジャマは各部分にフルフリのレースが付いた女性用だった事に、まったく気が付いていない雅憲だった。
昨晩、雅憲に割り当てられた部屋の中では・・・
(ふ~・・・お腹いっぱい・・・よっと・・・もう遅いし・・・シャワー浴びて寝ようかしら・・・うふふ・・・どっちがいいのかしら~このパジャマ・・・何かシンプルすぎて嫌だわ・・・こっちのピンク色の方が可愛いわ~・・・うふふ・・・あたしに似合うかしら・・・)
男性用と女性用のパジャマがベットに用意されていて迷わず女性用のパジャマを選んだ雅憲君だった・・・
(今日もあの装置に・・・・ふふふ・・・今日から朝昼晩の3回か~・・・)
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「おはようございます!!」
食堂へ行き、挨拶をすると、すでに、食事を済ませたいた伊集院が食後のコーヒーを飲んでいた。
カチャッ!!
「おはようございます・・・良く眠れましたか?」
コーヒーカップを置き、少し微笑みながら聞いた。
(あ~伊集院さんて、天使の様な人・・・)
「はい・・・もうこんなに熟睡できたのは何十年ぶりに・・・」
「ふふふ・・・それは良かったですわ~・・・さあ・・・その椅子へどうぞ・・・」
伊集院が座っている目の前の椅子に手を向けると、メイドが椅子を引いてお辞儀をした。
「ありがとうございます。」
椅子に腰掛けると、また別のメイドが一品ずつ朝食をテーブルへ運んできた。
「あ~・・・凄いです!!こんな食事・・・生まれて初めてです!!」
感激のあまり、両手を握り合わせ目をウルウルさせ言葉に出した。
「ふふふ・・・・・喜んでいただけるのが何よりですわ!!さあ、召し上がってください・・・」
「あっ!!はい・・・いただきま~す!!」
勢い良く出された食事を食べていく。
(あ~こんなに美味しい朝食、最高~!!・・・それにしても、ここのメイドさんは、何人いるんだろ~・・・ここにいるだけでも~・・・・)
そう思い、周りを見渡すと、
(1、2,3,4、・・・・・14,15・・・ここだけでも15人か~・・・いったい伊集院さんって何者なんだろ~・・・)
と、食事のお代わりを持ってきた、メイドさんに目を向けると、また違和感を感じた。
(この前と同じだ・・・・なんだろ~・・・ん~・・・そう言えばここにいいるメイドさんも同じ様な・・・・ん~・・・・まっ、いいか~・・・少しの間ここにいるんだから・・・その内分かるか!)
この屋敷内にいるメイドが元男で、女人化されてここにいると言う事を知らない雅憲、その内・・・・彼も・・・・
数分後・・・
能力開発室
(あ~・・・なんて気持ちがいいんだろ~・・・・それに、記憶が勝手に・・・・)
「ふふふ・・・どう?」
白衣を着た伊集院が設定操作をしている隊員に様子を聞いた。
「はい・・・今のところ、異常はありません・・・」
「そう・・・ふふふ・・・だったら、本日より脳内女人化レベルも少しずつ上げていっても良さそうね・・・・」
怪しい笑みをしながら隊員に言う伊集院。
「はい・・・大丈夫です・・・ただ~・・・」
「何?何か不具合でもあるのかしら?」
「いっ・・・いえ・・・・別に・・・不具合と言うほどの物ではありませんが・・・・」
「何なの?」
「このまま脳内を女人化してしまうと、試験後にあの弁護士に会った時に怪しまれる気がいたしまして・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・それもそうね~・・・・ふふふ・・・・だったら・・・・」
そう良い、なにやら横にあるパネルを操作して違うプログラムを出した。
「ふふふ・・・これを使って脳内女人化させなさい・・・ふふふ・・・」
「はっ・・・はい・・・」
早速そのプログラムを入れ直し能力開発装置に流し込んだ。
(あ~・・・色々な記憶、知識が・・・あれ~・・・・なんだろ~・・・なんだか変な感じ・・・・あれ?・・・あたし・・・???あたしってダレ?・・・・あっ・・・何言ってるんだろ~・・・あたしは、あたしじゃない・・・・)
「ふふふ・・・これから楽しみね・・・憲子ちゃん・・・」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「うっ・・・う~ん~・・・」
装置の椅子に座ったまま、腕を上に上げて背伸びをする雅憲
「・・・ご気分はどうかしら?」
雅憲の様子をみて、今回の様子を聞く伊集院
「あっ・・・も~最高~です!!なんだか疲れも無くなって・・・・でも~・・・」
身体の疲労感なども無くなり、非常にご機嫌で話す雅憲だったが、何かを思い出して少し顔を曇らせて言葉を詰まらせた。
「何か?異常がありましたか?もし、そのような事があったら何なりとおっしゃって下さい」
何を言うのか知っているのか、怪しい笑みをこぼし、聞いた。
「えっ・・・あっ・・・そ、そんな・・・たいした事ではないんですが・・・・」
伊集院の怪しい笑みを見て、少し驚いたのか、話をごまかそうとしたが、
「そんなに気にしないで下さい、貴女の意見が無ければ、この装置の異常が見つけられないですし・・・・販売するにも貴女の協力が必要なんです・・・ですから何でも気にせずにおっしゃって下さい。」
先程までの怪しい雰囲気の伊集院ではなく、この装置を開発し販売しようとする企業の人間になっていた。
「あっ・・・そうですね・・・無料モニターになっているのに・・・気にして言わないと、意味がなくなってしまいますね・・・」
(ふ~・・・驚いた・・・伊集院さん・・・時々目つきが怖くなるんだから~・・・目つきが怖くなるって言えば、彩さんも・・・・ま~それだけこの装置に必死になってるんだろ~な~・・・)
「そう・・・この装置を使った初日には無かったんですが、今日は、なんだか夢を見たような気がして・・・」
「夢?」
「はい・・・自分が女になって普通に生活している夢を・・・」
「ふ~ん・・・女の子になった夢を・・・」
(ふふふ・・・女人化第一段階は、上手く機能したみたいね・・・)
「ええ・・・なんだか変な感じで、話している言葉まで女言葉になってて・・・」
自分が心のどこかでは女になりたいのかと思っているのかと不安そうな顔をして言う雅憲
「ふふふ・・・もしかしたら、貴女の心の奥底では女になりたいって思ってたり?」
女人化の事を疑われ、これからこの装置にかかりたくないと言われない様に、くすくすと笑いながら冗談を言う伊集院。
「そっ・・・そんな事はないですって・・・最近ニュースで女人化報道とか見て、もし自分がなったら嫌だな~って所長と話してた記憶があったからだと思います・・・」
伊集院の冗談を必死に否定して、最近あった事件のニュース番組を見たときの事を話した。
「そ~ぉ・・・女人化事件ね~・・・あれは悲惨だったわよね~・・・で・・・所長は何て言ってたのかしら?」
「えっ?所長ですか?」
「ええ・・・」
「ん~・・・・何言ってたかな~・・・・・・・確か~・・・」
「確か?何?」
「この犯人は、間違いなく・・・・・・・・・・・・S人間だろうって・・・」
所長の言った言葉を思い出して、そのまま真似をして言うと
「ぷっ!!・・・ふふふ・・・あははははははははは~」
(何よ・・・何を言うかと思えば・・・・ふふふ・・・あははははははは・・・S人間って・・・お腹痛い・・・)
お腹を押さえ大笑いする伊集院
「えっ?そ・・そんなに可笑しいですか?」
突然に大笑いした伊集院に驚き不思議がる雅憲
「ふふふふふふふ・・・・・そうでしょ・・・男を女に変えて人前に戻すから誰が見ても分かる事じゃない・・・」
「そう言われてみれば、そうですね~・・・・」
「ふふふ・・・他は?」
「ん~・・・・思い出せない・・・」
「そ~ぉ・・・・まっいいわ、また思い出したら教えて?」
「はい・・・分かりました!!・・・・でも、何で伊集院さん・・・所長の事を知りたいんですか?」
「え?何でですって・・・別に何も無いわ・・・ただ、貴女の上司って言うからどんな人かと思って聞いただけよ・・・普通にどんな人かって聞くより、そういう日常的の会話を聞いたほうが性格とか分かるのよ・・・」
「へ~ぇ・・・そうなんですか~・・・・」
(やっぱ~伊集院さんって凄い人なんだ~!!)
「ええ・・・じゃあ、今日はこれでおしまいにして、お食事にしましょうか」
「あっ!!はい!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくすると、伊集院邸に着いていた。
「くすっ・・・いらっしゃい・・・」
伊集院が入ってきた雅憲に怪しい微笑をして出迎える。
両隣には雑用がなりなのか、昨日同様メイドが立っていた。
(なんだか気になるんだよな~・・・あのメイド・・・なんだろう~・・・なんだか寂しい?いや、悲しい目?をしてる様な・・・それに、あんなに大きな胸を見せ付ける様に露出して・・・恥かしく無いのかな~・・・俺はやらないね・・・絶対に!!ま~女じゃないから出来ないけど・・・)
「あっ!!・・・どうも・・・」
頭をぺこっと下げ挨拶をするとともに、弁当のお礼を言おうとする。
「今日、お弁当・・・」
「ふふふ・・・気に入っていただけたかしら~・・・」
「ええ~・・・所長と二人で、物凄く感激しながら食べさせていただきました・・・」
「ふふふ・・・そこまで喜んでいただけるなんて、紹介して良かったわ」
口元を手で隠し、怪しい笑みをこぼす伊集院
(ふふふ・・・この様子だと女人化薬の味には気が付かなかったみたいね・・・とすれば・・・その後の発熱も・・・ふふふ・・・)
「はい・・・・あっ・・・それで・・・」
「・・・何かしら・・・・」
まさか、弁当の細工に気が付いていたのかと驚き、言葉を詰まらせるが・・・
「自分なんですが・・・明日から試験が終わるまで、お休みを頂いて・・・」
「あら~?そうなの・・・・」
(くすくす・・・何を言うかと思えば・・・そう・・・これからお休みね~・・・ふふふ・・・だったら毎日連続で脳内女人化させてもいいわね・・・)
「はい・・・だから・・・お弁当も、所長一人分に・・・・」
「ふふふ・・・分かったわ・・・言っておくわね・・・」
「はい・・・お願いします・・・でも・・・本当に良いんですか?採算は~・・・」
「ふふふ・・・良いのよ・・・貴女の事を思ってだから気にしなくて・・・・ふふふ・・・」
(採算なんて取れるわけ無いじゃない・・・でもいいのよ・・・これだけで貴女達を・・・)
「はぁ~・・・・」
物凄く伊集院に申し訳なさそうに返事をする雅憲
「そうだわ!!明日からお休みだったら、試験日までここに泊まって勉強すると良いわ!!」
今さっき思いついたかの様に、ぽんと手を叩き雅憲に提案する。
「えっ?そっ、それは~・・・」
「ふふふ・・・気にしなくても良いのよ、その方が絶対に良いと思うわ!!あの装置を使う時間や回数も多くした方が合格の確実性が持てるし・・・どうかしら?」
「本当にいーんですか~・・・」
何から何まで、色々としてくれる伊集院さんに悪いと思いつつ、あの装置の使う時間や回数が増えると言われ、あの時の感覚を思い出し、甘い囁きに誘われ伊集院邸での生活を決めてしまった。
この先に待っている悲劇を何も知らずに・・・