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ジャーナリストの運命 (7) 被害者の妹

村に下りて数日・・・研究所との因果関係は取れなかった・・・
と言うか、この村自体が、研究所に協力しているようにも見えた・・・

「ふ~・・・やっぱり・・・自分じゃ~・・・無理なのか・・・」

そう、弱音を吐いた時に、一人の女性がきて・・・

「あ、あの~・・・あの件で調査に来ているジャーナリストさんですよね?」
「え?貴女は?」
「はい・・・私は・・・蒸発事件で行方不明になった被害者の妹です・・・」
「妹さん?」
「はい・・・兄は、この村で自給自足の生活をするって言って仕事を辞めこの村に来たんです・・・そして、土地と家を購入し、生活していたのですが・・・」
「それで・・・何かあったんですね?」
「ええ・・・私は・・・電話でしか聞いていないのですが・・・行方不明になる数週間前・・・
山の購入の手続きを終えて、その山に同級生だった友人と入った話なんですが・・・」
「山に入った?何処の山ですか?」
「はい・・・あの研究所の裏にある・・・」
「あの山ですね?」
「はい・・・山奥に入って行くと、なにやら大きな施設かあって、そこの近くの洞窟には、新しく工事で出来た入り口があって・・・数名の研究員らしい人が何かをしていたそうです・・・」
「洞窟?研究員?」
「はい・・・そして・・・友人の一人が持っていた携帯で写真を撮ると・・・」
「撮ると?」
「その中にいた研究員が気が付き、警報が・・・そして、慌てて逃げたみたいなんですが・・・友人の一人が山ではぐれて・・・・」
「山ではぐれた?」
「はい・・・村に下りて、慌てて警察に通報して捜索も依頼したみたいなんですが・・・結局、その友人は見つからず・・・」
「そ、そうだったんですか~・・・なら・・・他の友人に話を聞けは・・・」
「ええ・・・それで、兄が消息を絶ってから、その友人に話を聞こうと自宅に行ったのですが・・・その友人も・・・」
「いなかった・・・」
「はい・・・それで・・・もう一度ここに来て調べてみようかと思って・・・そうしたら、この村らに丁度この事件を調べているジャーナリストさんがいると聞いて探していたんです!!」
「はぁ~・・・そうなんですか~・・・」
「ええ・・・これがあの時の写真だそうです・・・消息を絶った兄の友人が奥様に渡していたそうです・・・」

そう言って、一枚の写真を手渡した・・・

続く

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ジャーナリストの運命 (6) 準備!!

正面からの張り込みは不可能に近く、意味も無いので、研究所の反対側の山にテントを張って調査を・・・
黙々と、準備をする二人・・・
暗視眼鏡にカメラ・・・集音マイクに飛距離計・・・
色々な道具をセットする・・・
ふと、いつもあるものが無い事に気が付く・・・

「あれ?今回は、無線装置の方は使わないんですか?こっちの方が最新で使いやすいと思うのですが・・・」
「ああ・・・無線は何処で受信されているか分からん・・・その点・・・こっちの有線だったら漏れる心配もなく、隠せば見つかる可能性も低い・・・性能が低くても信用性は抜群だ!!」
「はぁ~・・・そうだったんですか~・・・」

またまた、呆気に採られる刀也だった・・・

(本当にジャーナリスト?なんだろうか・・・今でも、もしかして・・・公安の人なんじゃ~・・・)

「よし・・・これで良い・・・後は時間が過ぎるのを待つだけだ!!」
「じゃあ・・・自分も・・・」
「いや・・・お前は、明日、明るくなったら村に戻れ!」
「え!!も、もしかして・・・や、やっぱり・・・じ、邪魔なんですか?」
「いや・・・もう一つの方を確認してきて欲しい・・・」
「もう一つ?」
「ああ・・・この村の事件だ!!」
「事件?」
「昨年から頻発している蒸発事件だ!」
「ああ・・・あの蒸発事件・・・ですか?」
「そうだ!仕事に行くと言って出かけた成人男性が帰って来ないとか・・・休憩所のトイレに入ったきり出てこなくなって、確認したら誰もいなかったとか・・・それを確認してきて欲しい・・・場所の地図と男性が消えた所にチェックは入れているから・・・後・・・身内の話も聞いてきてくれ!あの研究所との関係は、あるのか?無いのか?を・・・多分、1週間はかかるだろう・・・だから、ここには1週間後に来てくれ!」
「分かりました・・・じゃあ・・・テントは・・・・」
「そのままにしておいてくれ!もし、見つかっても、2人以上いると思わせられるからな・・・」
「ああ~それで・・・自分のは3人用のテントだったんですね!」
「そういう事だ・・・」
「分かりました・・・では、行ってきます!!」
「ああ・・・頼む!気をつけろよ!」
「はい!マキさんの方も気をつけて下さい・・・」
「ああ・・・・」

そう言って分かれた・・・

続く

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ジャーナリストの運命 (5) 朝のひと時

ガサガサガサ・・・
ガサガサガサ・・・

次の日、気が付くとマキさんは、起きて支度をしていた・・・

「す、すいません!!ね、寝坊してしまったみたいで・・・」
「ん?寝坊?まだ大丈夫だぞ!ちょっと早く目が覚めたから、起きて支度していただけだ・・・」
「あ・・・そ、そうなんですか・・・あ!!ホントですね・・・まだ・・・こんな時間・・・ふ~・・・」

刀也は、腕時計を見て苦笑し、ため息をついた。

「ほれ・・・これでも飲んで目を覚ませ!!」

そう言ってマキさんは、入れたてのコーヒーの入ったカップを差し出さした・・・

「あ、す、すみません・・・」
「ほれ・・・」
「頂きます・・・」

そう言い、一口飲んだ・・・
すると!

(??????)
「はっはっは!驚いたか?」
「え?ええ・・・何です?このコーヒーは・・・・」
「それはな・・・タンポポコーヒーだ!!」
「タンポポコーヒー???」
「ああ・・・大きなタンポポの根を乾燥させて焙って細かくし、入れたんだ・・・どうだ?美味いか?」
「ええ・・・これがタンポポの根っこだとは思えないぐらい美味しいです!!」
「そうか・・・良かった・・・」

その一瞬だけ、マキさんの顔が寂しそうに見えた・・・

(???どうしたんだろう???・・・いつものマキさんじゃ~ない顔をするな~・・・)

そして・・・色々と支度し、目的地へ・・・

続く

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ジャーナリストの運命 (4) 出発!!

「よいしょっと~・・・・」

階段の踊り場で荷物を降ろし休憩していると、

「おっ!!凄い荷物だな~!!」
「今回は、何日挑戦だ~?」
「今回も、調査と言って、マキさんと一緒についていくだけか~?
「お前・・・事務所の机・・・いらんだろ~・・・」
「あはははは~・・・・」

すれ違う同僚に冷やかしや、皮肉を言われ、笑うしかない刀也・・・

「ふぅ~・・・・も、持って来ました・・・」

額に汗をかきながら大きな荷物を二つ持って真樹夫のいる机の前まで来た。

「おっ!準備出来たみたいだな!!もう少し、待っててくれ・・・これをまとめてFAXして、後はメールを・・・」

数枚のレポートをFAXで送信し、パソコンのメールを確認している・・・

「よし!!これで大丈夫だ!!刀也・・・今回の張り込みは、長い期間になりそうだから・・・俺一人がメインでやるから・・・お前は、会社との連絡ががりになってくれ・・・」
「えっ?じ、自分もマキさんと一緒に仕事できると思っていたんですが・・・今回も・・・ですか?」
「ふっ・・・何言ってんだ!!今回の仕事はいつものと違ってかなり危険だと思っている・・・それに、今までは携帯で連絡をしていたが、今回は、盗聴の可能性もあるから、お前にその連絡係を頼みたいと思っていたんだが・・・」
「そ、そうだったんですか・・・つい・・・今回も・・・って思ってしまって・・・」
「雑用も仕事の内だ!!その雑用を文句言わずにやってきたから、今のお前がいるんだ!!これからは、俺の後輩ではなく、片腕として頼むぞ!!」
「はい!!」
「じゃあ・・・行くぞ!!」

そして、二人は公共交通機関を何度も乗り換え、近くの停留所に着いた・・・

「結構な距離ありますね~・・・何で、乗り継ぎしなくても行ける場所なのに、こんな面倒な事を・・・」

刀也が息を切らせながら、真樹夫に聞いた・・・

「それはな・・・もし万が一尾行されていた場合とか、もしターゲットとなる研究所の職員が同じ乗り物に乗っていたら・・・そういうことを考えると、こうやって細かく分けて乗り継いできた方が見つかりにくいんだ・・・逃げる時も同じで、足が付きにくいからな・・・」
「そ、そうなんですか~・・・」
「ああ・・・そろそろ暗くなる・・・今日は、そこの小屋で一晩を過ごすぞ!!」
「えっ?良いんですか~?勝手に使ったりして・・・」
「大丈夫だ!!今回この為にあの小屋の土地と小屋を購入しておいた・・・」
「こ、購入ですか・・・」
「ああ・・・休暇に立ち寄ったこの村が忘れられなくて、これから長期休暇がある時は、こちらで生活がしたいと役場に問い合わせたら、快く提供してくれたからな・・・」
「は、はぁ~・・・そ、そんな事までやられていたんですね・・・」
「ふっ・・・こう言う事が普通にれないと、希望している潜入捜査は、まだまだ出来ないな・・・」
「はい・・・今回の仕事で、少しでも真樹夫先輩に近づくように頑張りますよ・・・」
「ふっ・・・頼もしいな・・・じゃあ・・・行くぞ・・・」

そして、小屋に入って次の日の予定と、食事を・・・
薪に火をつけ、暖をとり、簡単な料理を作る・・・今回はマキさん特製の鍋料理・・・
そして最後に・・・
具が無くなった残ったスープに、冷えたご飯を入れて、少しふやかしたところで火を止め・・・数個の溶き卵をご飯全体に、溶き卵が覆うぐらい入れて、蓋をして数分蒸らす・・・すると!!トロトロ卵のおじやの出来上がり!!
これが物凄く身体が温まって美味しかった・・・

続く

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ジャーナリストの運命 (3) 運命の分かれ道

「はい・・・これがテント・・・携行しやすいように小型化してあるけど、一人用だからね!それに・・・スリーピングと・・・・張り込みセット!!全部、二組ずつ用意してあるから!!」
「え~っと~・・・このスリーピングだけど・・・これって冬用だよね?」
「ふふっ!!冬用???そりゃ~そうよ~!今、冬なんだから、夏用渡したら朝起きたら凍っているかもよ!」

当たり前の事を言われ、少しバカにしたかのように笑って答える女性職員

「ん~・・・そうじゃなくて、-12℃ぐらいまで対応している物なの?」
「冬用は冬用だけど~・・・-12℃か~・・・・ん~・・・ちょっと待ってね!」

スリーピングについているタグを探すが、見つからず・・・

タッタッタッタ・・・・

女性社員は、タグに書いてあった整理番号をメモ用紙に書いて、裏の倉庫に入っていってしまった!!

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

しばらくして

「それ・・・ただの冬用みたい・・・で、こっちの方が対応している物ね!!・・・・・・さっきのスリーピングは、この机に置いておいて!!はい!これね!」
「あ、ありがとう・・・・じゃあ・・・これで良いかな?」
「ええ・・・気をつけてね!何処に行くか知らないけど、何だか凄そうな場所に行きそうな装備だから・・・・」
「ははは・・・そ、そうだよね・・・何で・・・こんなに多いんだろう・・・・」

遠い目をして、空笑いをする刀也・・・・

「じゃあ・・・これで・・・よいっ、しょっ、と・・・」

大きな背嚢を一つは背負い、もう一つは、手に持って総務課を後にした・・・
刀也の後姿を見ながら妖しげな笑みをする女性社員・・・

(フフフ・・・いよいよ・・・始めるのね・・・)

ブルブル!!

「う~・・・風邪ひいたかな~・・・何だか急に背中が寒くなって・・・・・・
気のせいか~・・・風邪薬も持って行かないといけないかな~?」


女性社員の怪しげな視線に気が付かない刀也だった・・・
もしこの時に、何だかの異変に気が付いていれば・・・

続く

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鏡(IF)の世界のお話へようこそ!
管理人の0たか0です。
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またまた、それに感化させられて自分自身で書いた小説を載せています。

(注意)このブログは成人向けの内容が入っていますので、
18歳未満の方や、内容に不快感をお持ちの方は、
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