伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (18) もう抜けられないかも・・・
彩に連れられて、伊集院の待つ食堂へ行き、簡単な装置の感想やテストの報告をする。
「あら~・・・そんなに良かったの~・・・ふふふ・・・そんなに気に入ったのなら、これから毎日でも試すといいわ・・・ふふふ・・・」
「えっ!!ほ、本当ですか~!!は、はい!!お言葉に甘えて、これから試験まで出来る限り毎日受けさせていただきます!その代わり、何だってやりますから!!」
思わず伊集院に、「何でもやる」と、とんでもない事を言ってしまった・・・
この後どうなる運命なのか知らないのに・・・
(ふふっ・・・そう・・・何でも・・・何でもね・・・覚えておくわ・・・ふふふ・・・どちらにせよ、やってもらうけどね・・・)
パンパン!!
伊集院が手を叩くと、後ろの方で待機していた数名のメイドが料理をもって来た。
「そろそろ、お腹もすいている頃でしょ?頂きましょうかしら?」
「あっ、は、はい・・・じゃあ・・・い、頂きます・・・」
椅子に座ると、メイン以外の料理が一品ずつテーブルに運ばれてきた。
(うわ~・・・こんな食事・・・生まれて始めてだ~・・・・・・・ん?・・・・そう言えば~・・・ここにいいるメイド・・・何かおかしい様な?・・・・ん~・・・まっ・・・気のせいか~・・・・)
カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ
「で・・・どうでした?簡単な感想は先程お聞きいたしましたが、詳しく聞きたくて・・・」
食事している手を休めて雅憲の目を見て質問する伊集院。
「えっ?・・・あっ・・・あの装置ですか?・・・ホントあれは凄いです!!まさか模試であの点数が取れるとは・・・」
豪勢な食事に、模試の良い出来に満足げな表情で答えた。
「ふふふ・・・試験までの間、毎日かかれば確実に合格できますわ!!」
「そっ・・・そうですね!!・・・これからもお願いします!!」
「ふふふ・・・良いですわよ!!仕事の終わる時間さえ教えていただければ、お迎えに参りますわよ!!」
「えっ?そっ、そこまでしていただいても良いんですか~?」
「ええ~・・・ただし、この装置の事と、私達の事やこの施設の話は口外しないでくださいね!!」
「はっ・・・・はい!!勿論!!口外なんてしません!!」
「ふふふ、後、この装置はまだ実験段階なの・・・・だからもしかしたら、副作用が出るかもしれないから、毎日このお薬を飲んで欲しいの・・・」
伊集院の横にいたメイドが白い紙袋に入った薬をテーブルの真ん中に置いた。
「こ・・・この薬ですか?・・・・・」
薬まで飲まなければならないと聞き、少し不安になったが、
「ええ・・・・別にたいした薬ではないわよ・・・・一応、頭の記憶をいじっているから、脳波を安定させる為の安定剤よ・・・飲まなくても後遺症が出なければ良いけど、もし、後遺症が出て、試験までの間にあの装置を受けられなくなっては困るでしょ?ふふふ・・・・」
「あ・・・は~ぁ・・・・」
「ふふふ・・・・このお薬は、別に何もない時に飲んでも影響は無いわ!!だから安心して下さいね・・・」
「わかりました・・・これを毎日飲めばいいんですね!!」
伊集院に異常は無いと言う説明を完全に信用して、安心して薬を受け取ってしまった。
この薬が何だったのか知った時には、もう・・・