伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (12) 偽能力開発装置
「ふふふ、何で分かるのかって顔をしているわね?」
「えっ?」
「ふふふ、今から使うこの装置は、リラックスと記憶を呼び出し易くさせる為に、貴女の頭の中を整理整頓してるのよ・・・それで、どんな事を考えたのか、どんな経験をしてきたのか等、全て分かる様になっているの」
「えっ、そうなんですか~」
「ええ~・・・・そうなのよ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
(そんな、考えている事が分かるなんて・・・・今の技術じゃ~・・・・・でも伊集院さんなら・・・いやいや、そんな事はない・・・でも・・・何でだろう・・・いつ頃からか、伊集院さんの言う事なら信じても良い様な気が・・・)
本当に大丈夫なのか不安になり、色々考えていたらモニターを覗いていた伊集院がこちらを見て微笑みながら歩いて来た。
「ふふふ、やっぱ~、多少・・・疑っているみたいね?今の技術じゃ~・・・って・・・」
「えっ?何で・・・・」
「貴方が今さっきなんて思ったか言って差し上げましょうか?」
「そっ、そんな・・・・」
(あてずっぽに決まってる・・・当たるはずなんて・・・しまったな~・・・・もっとしっかり考えて、あの時断っていれば・・・・でも、なんだろ~伊集院さんの言う事なら聞いても良い様な気が・・・)
「ふふふ、まず初めが、そんな、考えている事が分かるなんて・・・・今の技術じゃ~・・・・・」
「えっ、ほ、ホントに・・・・」
「そして、その後が・・・・あてずっぽに決まってる・・・当たるはずなんて・・・しまったな~・・・・もっとしっかり考えて、あの時断っていれば・・・・でも・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ふふふ、どうかしら?これでもまだ疑うのかしら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ふふふ、信じられないのも無理は無いわ!!いいのよ、まだ全てを信じられなくても・・・・この装置にかかれば全て信じる事が出来るから・・・・・後もう少しでリラックスできるわね。」
「あっ・・・・はい・・・・・」
(そう言われると、なんだかさっきから、不安と言うか疲れも無くなって来た様な・・・あ~頭が、ぽわ~っとしてきた・・・・)
「ふふふ、どうかしら?リラックスできている」
「あっ・・・は・い・・・なんだか・・・・身体が・・・軽くなった・・・みたいで・・・気持ちが・・いい・・・」
「ふふふ、そ~ぉ・・・・そうしたら次の工程に入るわね!!」
「あ・・・・はい~・・・・」
(あ~なんだろ~・・・こんなに気持ちがいいなんて・・・・疑ったりして悪かったな~・・・・)
「彩!!例の装置を準備して!!」
「Y E S S A !!」
そう言われ、彩は頭に被せてあった装置を取り外し、美容院にある頭に被せて使うドライヤーの様な機械を頭の上に持っていて固定した。