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ある省庁の勘違い官僚 10 ご対面

次の日

「ねえ・・・起きて・・・これを着けて・・・」

明日香が部屋に入ってくるなり、目隠し用のアイマスクと、耳を覆うヘッドイヤーを手渡した・・・

「な、なによ・・・こ、これ・・・」

昨日の夢のせいで、おびえた様子の官僚は、身体を震わせて聞いた・・・

「別に・・・何だって良いじゃない・・・クスクス・・・」

不適な笑みをして余計と不安がらせる明日香・・・

「えっ?えっ?・・・・」

そして・・・ある場所に連れて行く・・・
ヘッドイヤーを外して、

「もう、アイマスク、外して良いわよ・・・」

そう言われ、アイマスクを外して、辺りを見ると、なんとなく見覚えが・・・

「えっ?・・・・こ、ここは・・・」

そう・・・そこは、いつもプロジェクトが終わる度に使う宴会場だった・・・
そこには、案の定、勤務先の同僚がプロジェクトの終了を祝って打ち上げをしていた。
その会場に連れて行かれ、無理やりみんなの前に出される。
最初は、誰なのかさっぱり分からない同僚達・・・
しかし・・・

「ふふふ・・・いかがですか?」
「おっ!真琴ちゃんじゃない!頼むよ!」
「くすくす・・・ハイ!」

真琴は、皆にお酒を注いて回り・・・

「ふふふ・・・皆驚くでしょうね!」
「い、いや・・・嫌よ・・・そ、そんなの・・・あ、あたし・・・いや・・・他の事なら何でもする・・・だ、だから・・・」
「ふふふ・・・ダメよ!!・・・じゃあ~・・・久しぶりのご対面をしましょうね・・・!!」

明日香は、女になった官僚を引っ張って、宴会場の舞台に立って紹介する。

「皆様~注~目!!本日、私達姉妹が来たのは、ただ挨拶しに来ただけではございません・・・実は~・・・紹介したい人物がいまして・・・」

明日香の挨拶に、ざわめく一同・・・
そして、一人の縄で両手を縛られた女性が現われた・・・

「くすくす・・・さあ・・・自己紹介しなさい・・・お知り合いなんだから・・・出来るでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

下を向き、顔を見せないようにモジモジとしている官僚・・・

「あら・・・そう~・・・♪・・・出来ないのなら~・・・私がするわね・・・・!!」

そう言って、マイクのスイッチを入れて

「はい!ここにいる女性をご存知でしょうか?」

すると、会場の職員はひそひそと話し始める・・・

「おい・・・知ってるか?」
「いいや・・・誰だ?」
「ねえ・・・だれ・・・?」
「さぁ~・・・誰だろうね?」

ざわざわとしている会場・・・

「皆様もご存知かと思いますが~・・・実は~・・・彼女・・・数週間前から無断欠勤している課長さんなんですよ~!!」

ザワザワザワ・・・・

「嘘・・・だろ~・・・」
「マジで~・・・・」
「なんだ!あの胸に・・・あの化粧・・・まさか・・・あの彼が~・・・」
「あの格好・・・キモ~・・・」

ひそひそ話しの声が重なり、会場が騒がしくなる・・・

「ふふふ・・・実は・・・この課長さん・・・皆さんに言えなくて悩んでいた事があったんですよ!!」
「い、いやああああ~~!!いやああああ!!言わないで!!言わないで!!」

明日香にだけ聞こえるように小さな声で抵抗するが、全てマイクを通して全員に聞こえてしまっていた・・・

「くすくす・・・実は!課長さん・・・女装の趣味があって・・・日常生活で女装ができないから、女性の姿を見ては、着たい服を着られなく、自分が出来ない事に腹を立てて、いつも女性職員に当たっていたそうです!!」
「えっ?・・・・ち、違う・・・違うのよ・・・」

まさかこんなことを言われるとは思ってもいなかった課長・・・驚いて言葉を詰まらせるが、先ほどの否定が余計に会場にいる同僚達を納得させてしまった・・・

「ふふふ・・・そして・・・数日前に決心して手術を受けてきたのです!!」
「いや・・・違うの・・・違うのよ・・・これは・・・・」

どう反論しても、否定できるだけの証拠もなく、泣く崩れる官僚・・・
冷たい視線で女人化した課長を見て、女性職員がひそひそと話す。

「何が女は!!よ~・・・・」
「ホント・・・男が偉いなんて言っちゃって・・・隠れて女装してたなんて・・・」
「ふふふ・・・そう言えば・・・女は雑用とか・・・って言ってたわよね~・・・・」
「くすくす・・・そうだったわね~・・・だったら~・・・」

不適な笑みをして彼女を見つめる女性職員達・・・
それに気が付いたのか、明日香は、

「明日からは女性職員として働くから皆さんよろしくね!」

と・・・女性職員の方を向いて言った・・・

「えぇぇぇ~~~!!!!そ、そんなの~・・・い、いや・・・嫌よ・・・」
首を左右に勢いよく振って嫌がる、彼女・・・
「ほら~・・・まずは挨拶として、皆にお酌したら~・・・」

と、明日香が小声で言い、お尻を叩くが・・・

「そ、そんなの・・・い、嫌よ・・・」

明日香の声が聞こえていないのか、それともお酌が嫌なのか分からないが・・・嫌がる・・・
しかし、

「ふ~ん~・・・だったら・・・あの夢のようになりたいんだ~・・・別に良いわよ~・・・それなら、それで・・・今から連れてってあげるし~・・・」
「えっ?ゆ、夢・・・や・・・ぃ・・・やよ・・・そ、それは・・・いや・・・・」

ハッと夢の事を思い出し・・・小刻みに身体を震わせ怖がる・・・

「くすくす・・・良いじゃない・・・嫌なんでしょ・・・お酌も・・・女性職員となって働くのも・・・・ふふふ・・・早速だけど・・・行きましょうか?」

怪しい笑みをこぼし顔を近づけて言う明日香・・・

「い、いや・・・あ、あそこだけは・・・い、いや・・・わ、分かりました・・・」

首を左右に振り、目をウルウルさせて嫌がる彼女は、お酌をする為、トックリを持って・・・

続く

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