伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (9) 私、伊集院と申します。
「あっ!!紹介が遅れましたわね、私、伊集院と申します。実は昨年まで国の研究機関で記憶について研究をしていまして・・・」
そう言い、名刺を雅憲の前に差し出した。
「あ、は~ぁ・・・・」
「先日、貴方が弁護士になるために司法試験の受験勉強をされているって彩から聞きましたもので・・・・」
「あ、は~ぁ・・・・」
「今回、是非、私の方で貴方の夢を叶える為にご協力できないかと思いましてお伺いさせていただきました。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
(さっきは彩さんの笑顔で大丈夫って思ったけど、やっぱ~あやしいじゃん・・・・)
「あ~、今、怪しいって思ってるでしょ~ふふふ、顔に書いてあるよ!!」
彩が笑いながら、心の中を見たかのように言った。
「ん~・・・・でも~・・・・こう言うのって・・・行ってみて、教材や何か変な置物なんかを強引に買わされて・・・って言うんじゃ~・・・」
「くすくす、大丈夫ですわ!!私は貴方のお力になりたいだけですわ!御代の方は考えさせていただきますわ!!もし、気に入らなければすぐにでも止めていただければ結構ですし・・・」
手のひらで口を隠し、くすくす、と笑って答える伊集院
「は~ぁ・・・」
(ま~いいや~・・・今日のところは、良い返事をしておいて、後日うやむやに・・・)
しかし、雅憲のその甘い考えは、伊集院に筒抜けだったらしく無駄になった。
「早速ですが、本日なんてどうでしょうか?」
「えっ?・・・・今日?・・・・ですか・・・・」
(マジか~・・・今日か~・・・なんて断れば、良いんだろう・・・)
「ええ、こう言うのは早いうちにやった方が、宜しいかと思いまして・・・それに試験は、もうすぐなんですよね?」
「あっ、はい・・・」
「ふふふ、こんな事やるよりかは問題集を解いた方が良いって顔をしていますわ!!」
「あっ、ははははははは~・・・」
「なら?こう言うのはどうでしょうか?今日一度だけ試しにやってみては・・・・そして、その後に模試を受けてみるというのは・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
(試し・・・・か~・・・・ん~・・・一度だけなら・・・・)
「ふふふ、決まりね!!やった方が絶対に良いわよ!!ねっ!ねっ!!やりましょ~?」
彩が近づいてきて腕を引っ張り半ば強引に説得させた。
(彩さんがそこまで言うなら、一度だけなら・・・でも、料金の事は聞いておかないと・・・そうだ!!お金がかかるって言われたら、どんな料金設定でも高いって言って断れば・・・)
「あっ・・・はい・・・分かりました・・・でも・・・お金・・・」
「ふふふ、結構ですわ!!少しお手伝いをしてもらうだけで・・・」
何やら怪しげな笑みをして言う伊集院の一言に疑問を持って聞きなおした。
「えっ?お手伝い?」
「ふふふ、あまり気にしなくても良いですわよ!!お手伝いって言ったって、ただ能力のデータを取らせていただくだけの事・・・・このデータだけで私達は満足ですから・・・」
(無料か~・・・だったら少しだけ・・・)
「そっ・・・そうなんですか~・・・・」
「ええ・・・・では、どうしましょうか?私達は、ここまで車で来ているので一緒に行きましょうか?」
「えっ?良いんですか~?」
「ええ、かまいませんわよ!!」
「で、でも~・・・まだ、事務所を閉める訳には~・・・」
「ふふふ、でしたら、事務所を締めるまで、近くのお店でお待ちしていますわ・・・・」
「あっ、はぁ~・・・」
「ふふふ、ではあそこのお店にいますわ・・・・終わったら来てくださいね。」
「はい、分かりました・・・・」
「ふふふ、お待ちしていますわね・・・・」
怪しげな笑みをし挨拶をしながら出て行く伊集院
「じゃあね~」
彩は、手を振って事務所のドアを開けて伊集院が出るのを待って、その後に出て行った。
カチャッ!!
「ふ~ん~・・・・能力開発か~・・・何するんだろ~・・・・でも、これで合格できたら凄いよな~・・・・・」
この伊集院の誘いが雅憲の運命を左右する重大な事になるとは、まだ知る由もなかった。
そう言い、名刺を雅憲の前に差し出した。
「あ、は~ぁ・・・・」
「先日、貴方が弁護士になるために司法試験の受験勉強をされているって彩から聞きましたもので・・・・」
「あ、は~ぁ・・・・」
「今回、是非、私の方で貴方の夢を叶える為にご協力できないかと思いましてお伺いさせていただきました。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
(さっきは彩さんの笑顔で大丈夫って思ったけど、やっぱ~あやしいじゃん・・・・)
「あ~、今、怪しいって思ってるでしょ~ふふふ、顔に書いてあるよ!!」
彩が笑いながら、心の中を見たかのように言った。
「ん~・・・・でも~・・・・こう言うのって・・・行ってみて、教材や何か変な置物なんかを強引に買わされて・・・って言うんじゃ~・・・」
「くすくす、大丈夫ですわ!!私は貴方のお力になりたいだけですわ!御代の方は考えさせていただきますわ!!もし、気に入らなければすぐにでも止めていただければ結構ですし・・・」
手のひらで口を隠し、くすくす、と笑って答える伊集院
「は~ぁ・・・」
(ま~いいや~・・・今日のところは、良い返事をしておいて、後日うやむやに・・・)
しかし、雅憲のその甘い考えは、伊集院に筒抜けだったらしく無駄になった。
「早速ですが、本日なんてどうでしょうか?」
「えっ?・・・・今日?・・・・ですか・・・・」
(マジか~・・・今日か~・・・なんて断れば、良いんだろう・・・)
「ええ、こう言うのは早いうちにやった方が、宜しいかと思いまして・・・それに試験は、もうすぐなんですよね?」
「あっ、はい・・・」
「ふふふ、こんな事やるよりかは問題集を解いた方が良いって顔をしていますわ!!」
「あっ、ははははははは~・・・」
「なら?こう言うのはどうでしょうか?今日一度だけ試しにやってみては・・・・そして、その後に模試を受けてみるというのは・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
(試し・・・・か~・・・・ん~・・・一度だけなら・・・・)
「ふふふ、決まりね!!やった方が絶対に良いわよ!!ねっ!ねっ!!やりましょ~?」
彩が近づいてきて腕を引っ張り半ば強引に説得させた。
(彩さんがそこまで言うなら、一度だけなら・・・でも、料金の事は聞いておかないと・・・そうだ!!お金がかかるって言われたら、どんな料金設定でも高いって言って断れば・・・)
「あっ・・・はい・・・分かりました・・・でも・・・お金・・・」
「ふふふ、結構ですわ!!少しお手伝いをしてもらうだけで・・・」
何やら怪しげな笑みをして言う伊集院の一言に疑問を持って聞きなおした。
「えっ?お手伝い?」
「ふふふ、あまり気にしなくても良いですわよ!!お手伝いって言ったって、ただ能力のデータを取らせていただくだけの事・・・・このデータだけで私達は満足ですから・・・」
(無料か~・・・だったら少しだけ・・・)
「そっ・・・そうなんですか~・・・・」
「ええ・・・・では、どうしましょうか?私達は、ここまで車で来ているので一緒に行きましょうか?」
「えっ?良いんですか~?」
「ええ、かまいませんわよ!!」
「で、でも~・・・まだ、事務所を閉める訳には~・・・」
「ふふふ、でしたら、事務所を締めるまで、近くのお店でお待ちしていますわ・・・・」
「あっ、はぁ~・・・」
「ふふふ、ではあそこのお店にいますわ・・・・終わったら来てくださいね。」
「はい、分かりました・・・・」
「ふふふ、お待ちしていますわね・・・・」
怪しげな笑みをし挨拶をしながら出て行く伊集院
「じゃあね~」
彩は、手を振って事務所のドアを開けて伊集院が出るのを待って、その後に出て行った。
カチャッ!!
「ふ~ん~・・・・能力開発か~・・・何するんだろ~・・・・でも、これで合格できたら凄いよな~・・・・・」
この伊集院の誘いが雅憲の運命を左右する重大な事になるとは、まだ知る由もなかった。