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この国の危機 (3)

「総理・・・どうしましょう?」

官房長官が総理の顔色を伺い意見を聞こうとする。

「・・・・こんな要件・・・・
主要幹部の難民受け入れに・・・・
その難民達の、生活保護まで・・・」

頭を抱え込む総理

「しかも、生活保護として一人一月30万円の請求に、永住権まで要求しています・・・」
「・・・・無理だ・・・こんな要求・・・」

暗くなる会議室

「まだ来ないのか!!長官は!!早く来いと連絡入れろ!!」

補佐官に怒鳴りつける総理
ウ~・・・・ワンワン!!
ウ~・・・
ワンワン!!ワンワン!!

「いつも吠えないタマが、珍しいわね~?」
「どうしたんだろう?」

キャイン!!

「え?何?どうしたの?」
「お姉ちゃん!怖いよ~!!」

慌てて、窓を開けタマのいる犬小屋に向かって駆け出す姉

「待ってよ~お姉ちゃん!!」

その後を追いかけて走る妹

ドサッ!!

妹が犬小屋の場所にたどり着くと、姉が倒れていた・・・

「え・・・お、お姉ちゃん?お・・・ねえ・・・ちゃん?ど、どうしたの?」

倒れている姉に近づき、座り込む・・・

ヒュイン!!

首に何かを巻きつけられ持ち上げられる・・・

「ぐっ!ぐあっ!!ぐがっ!!がっ・・・・」

そして・・・首をもがいていた手から力が抜け・・・

「この家の電話を使って本部に連絡を!」
「はっ!!」
「後は、着られるものの衣服を探せ!!」
「はっ!!」

侵入者達は、素早く室内に入り行動し始めた・・・


「亜紀・・・・亜紀!!ねえ!!起きて!!ねえ!!」

小声で妹の身体を揺する姉

「ねえ!!ねえ!!お願い・・・起きてよ・・・目を・・・開けてよ・・・」

顔を覗き込み、涙を流しながら呼びかける

「うっ・・・うううう・・・げほっ!!げほっ!!」
「亜紀!!ううう・・・良かった~・・・ほんと・・・よかった~・・・」

妹に抱きつき泣きながら喜ぶ姉だった・・・

「うううう・・・お、お姉ちゃん!い、痛い・・・痛いよ~!」

力いっぱい抱きしめられ、痛がる妹

「あっ!ごめんごめん・・・」
「あっ!!そう言えば私・・・こ、ここは・・・?」

辺りを見渡し、場所を確認する

「ここは、隣の空き家の倉庫よ!!」
「倉庫?何で、倉庫に?」
「倒れてた私達を、偶然隣の空き家を見に来た管理人さんが見つけてくれて・・・」
「そ、そうなんだ~・・・あっ!!タ、タマは?」
「タマは・・・・ごめんなさい・・・」

悲しそうな表情で謝る姉

「そ、そうなんだ・・・うううううう~~~~~」
「ううううう~~~~~」

声を出さないように口を押さえて泣く姉妹
と・・・・

パン!!
パン!!
パン!!

突然、隣の自宅から数発の銃声が聞こえた

続く





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