ジャーナリストの運命 (32) 逃げる場所は無かった・・・
「は~っ、は~っ、は~っ・・・こ、ここは・・・や、やっと出れたのね・・・」
辺りを見渡すと、研究所の裏側の出口から出たことが分かる・・・
「こ、これから・・・どうすれば・・・」
道を探し歩く・・・
「きゃっ!!」
ドスン!!
「いった~・・・・この靴・・・歩きにくいわ~・・・で、でも・・・これしかなかったし~・・・仕方ないわ・・・」
初めて履いたロングブーツ・・・かかとの部分が高くなっておりバランスがなかなかとれなく、歩くのがぎこちなかった・・・
それでも、必死に山の斜面を恐る恐る降りていく刀也・・・
どれだけ歩いたのか・・・山のふもとの町に出ることが出来た・・・
「さて・・・どうしよう・・・警察はすでに研究所の手が回っている為、連絡すれば身の危険につながるし・・・かと言って、この格好で会社には出社できないし・・・今まで住んでいたアパートも・・・鍵が無いし・・・大家に頼もうにもこの姿じゃ~・・・」
はっと、閃いたのか、腰ポケットに手を当てて・・・
「あれ・な、ない・・・無い・・・無い・・・そ・・・そうよね・・・スカートじゃ~・・・それに・・・財布・・・入っているわけ・・・無いわよね・・・」
何かを購入しようにも、お金の入った財布も無く・・・
「どうかしてお金を稼がないと・・・でも~・・・・」
アルバイトとかで資金を確保しようにも・・・身分を証明できるものが無く・・・何処にも行く当てが無く、公園や橋の下で数日間過ごす事に。
「す、すいません・・・話を聞いて下さい・・・話を・・・」
ザワザワザワ・・・・
「実は・・・あ、あたし・・・あの研究所で・・・こんな身体にされたんです・・・あたし・・・男なんです・・・でも・・・・」
「なにあれ~・・・頭おかしいんじゃない~」
「目あわさない方がいいわよ~」
思い切って、手当たりしだいの人に研究所で行われていた事を知ってもらうため自分自身に起きた事を公園で言い始めた・・・しかし、その事を聞いて誰も信用しなかった・・・
それよりも、誰もが軽蔑するかのような視線で見て、近寄って話を聞いてもらおうとすると
「・・・お前・・・男だったんだろ?そんな格好して・・・恥かしくないのか?」
「ち、違うの・・・こ、これは・・・強制的に・・・あたしが望んでしたわけじゃ~・・・」
「はぁ~?あたしって・・・話し方もおかしいじゃないか?性転換手術して思っていたよりも社会が認めてくれなかったからこうやって言っているだけだろ?」
「ち、違うの・・・む、胸だけなの・・・証拠なら・・・ほ、ほら・・・見てよ・・・ねぇ、もっと詳しい事言うから・・・話を聞いて!」
そう言うと、来ているスカートを捲り上げて、ショーツを下げて・・・
「うわ!!やめろ!!見せるな!!気持ち悪い!!誰がそんなもん見せろって言った!!ちっ!!最悪!!邪魔だ!!邪魔だ!!どけよ!!頭のおかしいお前の話を聞いている暇なんてねえんだよ!」
ドン!!
「きゃっ!!」
そう言って、彼女を突き飛ばして行ってしまった・・・
誰も見て見ぬ振りして素通りしていく人々・・・
その時、彼女の心の中で、ふっと黒い小さな火が点いた・・・
(フフフ・・・そ、そうよね・・・こんな姿して・・・胸だって・・・誰が信用するのかしら・・・それに・・・・・・・)
少し間をおいて・・・急に目の輝きを失い・・・
(何で私がこんな目に会わないといけないのよ・・・許せない・・・許せない・・・そうよ・・・この国から男がいなくなればいいのよ・・・そうすれば、あんなやつもいなくなるし・・・ふふっ、私だって苦しむ事なんてないじゃない・・・私と同じ移植手術をさせて・・・ふふふ・・・)
公園のベンチに一人座って、ぼーっと遠い視線で口元だけが、にやっとして・・・
(えっ!!わ、私・・・何考えているの・・・そ、そんな事・・・絶対にしてはいけないのに・・・あの施設を恨むのなら分かるけど・・・何であんな事を・・・いけないわ・・・)
ふと我に帰り、頭を左右に振って変な考えを辞めようとしていると、目の前に人影が出来、視線を上げると警察に変装した研究員が来て・・・
「だ、誰?誰よ?」
バチバチバチ!!
ドサッ!!
首にスタンガンを当てられて、力が入らなくなって・・・
そのまま取り押さえられて、また研究所に連行されてしまった・・・
そして、最後の工程として人工子宮に卵巣・・・の移植手術をする為、培養液の入ったカプセルに入れられた・・・
続く
辺りを見渡すと、研究所の裏側の出口から出たことが分かる・・・
「こ、これから・・・どうすれば・・・」
道を探し歩く・・・
「きゃっ!!」
ドスン!!
「いった~・・・・この靴・・・歩きにくいわ~・・・で、でも・・・これしかなかったし~・・・仕方ないわ・・・」
初めて履いたロングブーツ・・・かかとの部分が高くなっておりバランスがなかなかとれなく、歩くのがぎこちなかった・・・
それでも、必死に山の斜面を恐る恐る降りていく刀也・・・
どれだけ歩いたのか・・・山のふもとの町に出ることが出来た・・・
「さて・・・どうしよう・・・警察はすでに研究所の手が回っている為、連絡すれば身の危険につながるし・・・かと言って、この格好で会社には出社できないし・・・今まで住んでいたアパートも・・・鍵が無いし・・・大家に頼もうにもこの姿じゃ~・・・」
はっと、閃いたのか、腰ポケットに手を当てて・・・
「あれ・な、ない・・・無い・・・無い・・・そ・・・そうよね・・・スカートじゃ~・・・それに・・・財布・・・入っているわけ・・・無いわよね・・・」
何かを購入しようにも、お金の入った財布も無く・・・
「どうかしてお金を稼がないと・・・でも~・・・・」
アルバイトとかで資金を確保しようにも・・・身分を証明できるものが無く・・・何処にも行く当てが無く、公園や橋の下で数日間過ごす事に。
「す、すいません・・・話を聞いて下さい・・・話を・・・」
ザワザワザワ・・・・
「実は・・・あ、あたし・・・あの研究所で・・・こんな身体にされたんです・・・あたし・・・男なんです・・・でも・・・・」
「なにあれ~・・・頭おかしいんじゃない~」
「目あわさない方がいいわよ~」
思い切って、手当たりしだいの人に研究所で行われていた事を知ってもらうため自分自身に起きた事を公園で言い始めた・・・しかし、その事を聞いて誰も信用しなかった・・・
それよりも、誰もが軽蔑するかのような視線で見て、近寄って話を聞いてもらおうとすると
「・・・お前・・・男だったんだろ?そんな格好して・・・恥かしくないのか?」
「ち、違うの・・・こ、これは・・・強制的に・・・あたしが望んでしたわけじゃ~・・・」
「はぁ~?あたしって・・・話し方もおかしいじゃないか?性転換手術して思っていたよりも社会が認めてくれなかったからこうやって言っているだけだろ?」
「ち、違うの・・・む、胸だけなの・・・証拠なら・・・ほ、ほら・・・見てよ・・・ねぇ、もっと詳しい事言うから・・・話を聞いて!」
そう言うと、来ているスカートを捲り上げて、ショーツを下げて・・・
「うわ!!やめろ!!見せるな!!気持ち悪い!!誰がそんなもん見せろって言った!!ちっ!!最悪!!邪魔だ!!邪魔だ!!どけよ!!頭のおかしいお前の話を聞いている暇なんてねえんだよ!」
ドン!!
「きゃっ!!」
そう言って、彼女を突き飛ばして行ってしまった・・・
誰も見て見ぬ振りして素通りしていく人々・・・
その時、彼女の心の中で、ふっと黒い小さな火が点いた・・・
(フフフ・・・そ、そうよね・・・こんな姿して・・・胸だって・・・誰が信用するのかしら・・・それに・・・・・・・)
少し間をおいて・・・急に目の輝きを失い・・・
(何で私がこんな目に会わないといけないのよ・・・許せない・・・許せない・・・そうよ・・・この国から男がいなくなればいいのよ・・・そうすれば、あんなやつもいなくなるし・・・ふふっ、私だって苦しむ事なんてないじゃない・・・私と同じ移植手術をさせて・・・ふふふ・・・)
公園のベンチに一人座って、ぼーっと遠い視線で口元だけが、にやっとして・・・
(えっ!!わ、私・・・何考えているの・・・そ、そんな事・・・絶対にしてはいけないのに・・・あの施設を恨むのなら分かるけど・・・何であんな事を・・・いけないわ・・・)
ふと我に帰り、頭を左右に振って変な考えを辞めようとしていると、目の前に人影が出来、視線を上げると警察に変装した研究員が来て・・・
「だ、誰?誰よ?」
バチバチバチ!!
ドサッ!!
首にスタンガンを当てられて、力が入らなくなって・・・
そのまま取り押さえられて、また研究所に連行されてしまった・・・
そして、最後の工程として人工子宮に卵巣・・・の移植手術をする為、培養液の入ったカプセルに入れられた・・・
続く