伊集院の逆鱗に触れた河西弁護士 (1) 嵌められたと知らずに・・・
「所長~!!昨日仕事帰りに寄ったバーで凄い美人を見つけたんですよ~!!」
昨日の事を思い出し、幸せな顔をして得意そうに話しかける補助者の雅憲
「へ~ぇ・・・試験が迫っているのにずいぶん余裕だな~・・・・で、どんな美人だったんだ?」
書類に目を通しながら、行動に釘を刺しつつ、どの様な美人だったのか気になっているのが、この事務所の長である弁護士の河西である。
「それが、も~言葉にあらわせる事ができないぐらいの美人なんですよ!!しかも二人とも!!金髪美人ですよ~!!今度、所長も一緒に飲みに行きましょうよ~!!」
「そうだな~・・・・試験が無事に終わればな・・・・まっ!!美人もいいけど程ほどにな!!深入りすると、火傷じゃ~すまなくなるぞ・・・・」
「大丈夫ですって・・・しかも、あの二人法律関係の仕事に興味があるらしくって・・・・」
「へ~・・・・ほんじゃ~ちょっくら調べ物があるから留守番頼むわ~・・・」
「あっ!!所長~・・・・」
雅憲の話を聞き逃し、自分の仕事に出て行ってしまった河西弁護士・・・
「あ~あ・・・行っちゃった~・・・・本当に美人だったのに~・・・」
この河西法律事務所の特徴は、国を相手にする裁判を多く扱っており、
今も、国や県や市町村の裏金問題や、議員の問題行動についての訴訟依頼を多く抱えていた。
その中でも、ある大企業から不明金がある大臣に政治献金として流れていると言う噂を聞きつけ調査までしている最中で、その不明金が脱税疑惑や、見返り献金と言う噂もちらほらあり、依頼された以上に個人的にも興味を示し深くまでのめり込んで調査していた。
しかも、その大企業と言うのが!!・・・何と、メスクリン社であった。
今後、河西弁護士達の運命が悲惨な道を辿るとは知らずに・・・